2021年5月31日月曜日

名古屋市の重大犯罪 (子宮頸がんワクチン接種)2

昨日の続きです。(私の各部分は黒い字の部分で、先生の文章のサマリーは紫の文字で記された部分ですが、先生の文章の私なりの要約であり、そのものでは有りません。

3・HPVワクチンを摂取する機会を逸することによる損失について

HPVワクチンの有効性と安全性は既に確立されているにもかかわらず、2013年の厚労省による積極的勧奨の差し控え以降接種率は1%未満に低下。日本産婦人科学会、日本小児科学会などの国内17の関連学会からの接種推進の提言のみならず、WHOは「積極的勧奨の差し控え」という根拠に乏しい厚労省の決定を名指しで批判しています。それでも接種率が低迷しているのは情報提供がなされないことによる国民側のリスク評価が出来ないことによるものです。そのせいで、本人のみならずその家族も将来的に大きな負担を負わされ、なくさなく済んだ命を失うことになるわけです。積極的勧奨が中止される以前は70%程度であって接種率が2013~2019年には1%未満へ低下しており、それによる子宮頸がん罹患者は24,600-27,300人、死者は5,000-5,700になるであろうという推計があります。

国民側が判断できないというのは無理もないことで、推奨している他の国々の情報はその他の国の言語、もしくは多くの科学的説明文は英語で書かれた論文等ですので、標準的な過程の標準的な家庭のお母さんやお父さんがワクチン接種による安全性の確認やその効果について白黒混ざった情報の中から自分の子供達に「賭け」でワクチン接種をさせないようにと考える人がいても特段不思議では有りません。

特に日本人のように親方日の丸の行っていることには右へ倣えで従う性質を持つ国民はお上が「ヨシ」というシグナルを出すまではなかなか動かないもの、そういう意味では国の責任は重大です。(少なくとも2020/9月にわかり易いリーフレットを作成するまでは!)

4・新しいリーフレットの送付及び厚労省からの通知について

2014年に厚労省はHPVワクチンに関する情報提供用のリーフレットを作成しHP上に公開しましたが、その後の調査で対象年齢女子の82.5%、同年齢女子を持つ母親の87.7%がリーフレットを見たことがないと回答。そのため、2020/9月にわかりやすいものへと作成し直し、接種対象者とその保護者に個別送付を行うことを決定しました。その翌月には厚労省は全国の都道府県宛に「対象者が情報に接する機会を確保し、接種をするかどうかについて検討・判断出来るよう、リーフレットなどを個別に送付する」旨の通知が発出されました。この通知に従って既に全国では情報提供がなされていますが、少なくとも名古屋市ではこの4月末時点でそれが行われておらず、中央省庁からの通達を無視してリーフレットの個別送付を行っていないのは全国20の政令指定都市の中で横浜市と名古屋市のみ。愛知県内の自治体では江南市と名古屋市のみです。

実際に私も病院で、その様な年齢のお嬢さんを持つお母さんから相談を受けることがありますが、淡々と科学的根拠に基づいたワクチンの話をすると「えーっ、ワクチン打つと酷いことになると思ってた」とか、「名古屋市からお知らせが来るまで待ってれば良いよねって思ってました」などという返事が殆ど。真実など殆ど何も伝わらないような仕組みになっているようです。医療従事者である親にしてこの程度なのですから、一般の方に置いては想像するだに恐るべきレベルの理解だと思って間違いないと思われます。

さて、以下からがいよいよ我らの住む名古屋市の現況に関する江口先生の更なる記述です

5・名古屋市の状況

i)名古屋スタディーについて

河村市長は以前より約がい問題に熱心で、HPVワクチンに関しても同様。全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会愛知支部の要請を受け、河村市長経由で2015年に名市大の鈴木先生に頼んで行われたものです。(昨日もリンクを付けておきましたが、再度ここに貼っておきます。)7万人を対象に行い3万人から回答を得ましたが、結果はシロで、結論は極めて明快に「24の症状のいずれもがその原因をHPVワクチンに求めるのは無理がある」というものでした。(詳しくは上記リンクでの先生へのインタビューをお読みください。)

これに対して河村市長は「びっくりしましたよ、本当に。まず驚きましたね。(中略)なんでかというと、エイズやサリドマイドで、そちら側の話を今までずっと国会の中でやってきましたので、薬害という方でね。」とのべています。同日に市役所で会見を開いたHPV薬害訴訟全国弁護団代表・薬害オンブズパースン会議理事長の水口真寿美弁護士は「明らかに不自然な結果で被害実態を捉える解析もなされていない」と批判、更には「速報の解析結果の結論の信頼性は乏しい」と意見書を名古屋市に送付。

そして、これ以降1月を目処としていた名古屋市の最終報告は遂に発表されること無くよく2016年の6月18日にこの調査に関する一切の記述が市のHPから削除されました。

一方、研究結果はPpillomavirus Researchに掲載され、世界的にも高く評価されています

まあ、ここまで読んでこられた方は既に話の筋は見えてきたと思いますが、要するに名古屋市は名古屋市民の税金を使ってこのスタディーを行っておきながら、オノレがまずいと思った調査結果は市民の目の前からは消して「無かったこと」にするというあいちトリエンナーレ方式の手管を用いてもみ消しという、公人として最もやってはいけないことをやらかしております。

さてここまで書きましたが、やはり一気に書くのも読むのも疲れると思うので、江口先生の記述の残りの部分も明日以降も更に分割して書いていこうと思います。(いつの日にか接種に迷った人がサーチエンジンで個々に辿り着いて接種してくれれば良いなと思って、無能を承知で書き続けます。

2021年5月30日日曜日

名古屋市の重大犯罪 (子宮頸がんワクチン接種)1

2年前にもここで書きましたが、二年経っても名古屋における子宮頸癌ワクチン接種の進捗状況がよくありません。

今回、名古屋市医師会に所属する医師向けに毎月配られている名古屋医報1447号の7~11ページに、千種区にある内科・小児科江口医院の院長である江口秀史先生が寄稿された調査室だより「子宮頸がんワクチンの新しいリーフレット~個別送付と名古屋市の特異な状況について~」という一文が掲載されておりました。

恐らくは著作権その他の関係で直接pdfなどを掲載することは出来ないと思いますし、対象とする読者のターゲットが異なるため、誤解等を生む恐れなどがあるでしょうから直接読んでいただけないことが大変悔やまれますが、それでも先生の解説をサマライズして掲載する意味は十分あると思いアホの私が余計なことながら先生の掲載分をまとめてみました。

政府もようやく重い腰を上げ、2020/9月に厚労省は新しいリーフレットを作成し、接種対象者である小6から高1の女の子に個別送付するように通知しました。(以下、通達と通知に関するwikiの抜書きが書いてありますが、要するに実質的な差異はないというもの。)

通達と通知

法的な指揮監督権がない相手方への示達は慣例的に「通知」と呼ぶ(文部省『公文書の書式と文例』(1959年11月発行)では、「法令その他の権限に基づいて発する文書」が通達で、「通達以外のもので、一定の事実、処分、意思を伝達する文書」が通知としている。)。2000年の地方分権化一括法により、国の機関委任事務に関する地方への指揮監督権がなくなり、国から地方公共団体への示達文書は通知となった。しかし日本において、通達は指揮監督というよりもパターナリズム的な主従関係により発せられ、法的命令権限の有無にかかわらず受翰者は発翰者の意を忖度して自主的に服従するのが当然であり、実務的な拘束力に差異がないため、本項においては通達と通知を区別しない。

名古屋と言うところは回りの自治体と比べても、何にしろ仕事が遅いのが私の一般的な認識です。今回のコロナワクチン接種の準備でも周辺自治体に比べて素敵なくらいテンポが遅いです。大都市圏の大規模地方自治体なのに仕事は田舎者。おまけに上級省庁との齟齬も多く、アノ市長の御指導のもと行われた未だにあいちトリエンナーレ関連の署名行為に関する揉め事で愛知県とは犬猿の仲・・・まあ、そんな事は脇に置いておいて、話を進めましょう。

江口先生の文章は続きます。

1・子宮頸がんとHPVワクチンの有効性について

日本における子宮頸がんの罹患者は1.1万人/年、そして2,800人/年がお亡くなりになります。また、30歳までにがん治療のために妊娠ができなくなる方が1,200人/年。5大ガンが次第に死亡率を下げる中、子宮頸がんの死亡率はその逆の向きに。発症のピークが20-30代であるため、幼い子供を残してお母さんが亡くなるという悲劇が日本中で「毎日」繰り返されています。

(実は私も短い研修医生活の頃に妊娠した赤ちゃんを産む為に己の命を捨てて出産したお母さんが居りました。私が研修医として働き出した頃には既に脳に癌が転移して意識は混濁しておりましたが、先生が書かれた上の記述が自分の実体験からしても全くそうだろうと推測されますし、小児科医として日々妊娠、出産とその後のケアに深く関与されて居られる江口先生だからこそ記せる文章だと思います。)

子宮頸がんの95%以上は性的接触によるヒトパピローマウイルスHPVの感染が原因で起こります。200種以上あるというHPVの中でもHPV16・HPV18は特に悪性度の高いHPVと言われていて、この2種類の感染を予防するサーヴァリックス(2価ワクチン)ともう少し他のHPV(HPV16,18+6,11)も予防すべく作られている(4価ワクチン)のガーダシルがありますが、これらはHPV16/18による子宮頸部の前がん病変をほぼ100%予防するということが既にわかっています。多くの国では既に9価!のワクチンの公的接種が、更にはオーストラリアでは2013年から男子生徒にも!接種が開始されています。予測では2020年頃までには6人/10万人が罹患する希少ガンに、そして2028年頃には4人/10万人という排除レベルに、更に2066年頃までには1人未満/10万人という撲滅レベルにまで行くという予想がなされています。

私自身もバージニアに居た頃は中咽頭癌、口腔癌等とHPVのリサーチもしておりましたので、HPVに関しては普通の医師以上に研究者として向き合ってきましたので、そういった統計も論文や論説のイントロを読んだり書いたりするときに本当に日々眺めていましたが、世界の現実は日本という国をはるか後方に置き去りにして進んだ予防公衆衛生を進めていることになります。江口先生のお話は更に続きます。

2・HPVワクチンの安全性について

WHOの子宮頸がんワクチンの安全性に関する専門委員会は世界中の最新データを継続的に解析し、その安全性を繰り返し提示してきておりますが、2019年7月に改めて「」と発表。2015年に我が国で行われた名古屋スタディーでも改めて副反応とされた症状とHPVワクチンの因果関係を支持するものはなかったという結論を得ています。

上の部分も以前から繰り返し言われていることなのですが、日本では「ワクチンで起きたと主張する副反応(けいれんや痛み、学習不振や不登校)」が出たという女の子達とその母親達による訴訟の事ばかりがマスゴミには報じられ、多くの女の子を持つ子供達の両親を震え上がらせて以来、あろうことか科学を無視した公的機関(根本的な責任は政府と厚労省)がそれに同調して、ワクチン接種を「積極的には推奨しない」等といういつもの玉虫色の文言で関与を否定してしまいました。(要するにお前ら勝手に自分の責任でやれ!わしゃ知らん!ということですよ。)

このお話、私の書くブログでも珍しく大事な文章だと思いますが、ちょっと長くなりがちなので、江口先生の記述の残りの部分も明日以降も分割して書いていこうと思います。


2021年5月29日土曜日

独裁国家ベラルーシのヤバさ

ルカシェンコが1994年以来、大統領として君臨する専制君主国家ベラルーシ(白ロシアと言う意味なんだそうですが、調べてみるとモンゴルの方位と色での名前付けに関連して「西=白」残ったという謂れがあるとか)。

己を批判するものの存在を許さないのが世界共通の「独裁国家」の定義だと思うのですが、そのヨーロッパの最前線がこの国です。以前のナチス、今の中国やロシア、北朝鮮などの様に体制を批判した人間が殺されたり拉致されたりして「公共の安全」の名の下に消えていきます。

こういった手順は外の自由主義国家から見ると文字通りの無茶苦茶な茶番なのですが、御本人達は一向に意に介さず「安全の確保」とか「危険の排除」等というお決まりの台詞を国内外に流して己の正当性をアピールするばかり。勿論、言ってる本人も含めて誰もマトモにそんな台詞を信じておりません。w

言葉の軽さがこういった独裁国家の売りですが、トップに立つ人間(裸の王様)の個人的権益、そしてそれを支える少数の人間達を守るためには「何でもアリ」です。

今回のベラルーシ、インチキ選挙で30年弱も国の利益を吸い続ける男がやらかしました。このオッサンを批判し続けるジャーナリストの乗ったライアン・エア(今回の機体の保有者は名目上ポーランドとのことですが、アイルランドを本拠地とする格安航空会社として有名ですよね。)の機体を自国の軍用機を使って強制着陸させたという前代未聞のお話。

マップを見てみると、ベラルーシを殆ど通り過ぎようかという状況で「機内に爆弾が搭載されている可能性がある」等というスイスからもたらされたとベラルーシの主張する情報(スイスは勿論否定!)を根拠に旅客機を地上に強制的に誘導して結局やったことと言えば中のジャーナリストを拉致するというあり得ない話。当然、機体からは爆発物は見つからず。このジャーナリスト最後はどうなるんでしょうか。ロシアのようにノビチョクで人を殺さないだけ未だマシなのか?

とは言え、誰にも否定しようもない国家自身によるテロです。

直後に同じ独裁国家であるロシアに行ってプーチンに己の今回の行為に関する正当性に関するお墨付きを貰いに行っております。本当に同じ穴の狢(むじな)ですな。こんな事しても、自由主義諸国からは経済制裁を与えられるばかりなんですが、中国やロシアが、例のごとくなんとなくアシストするでしょうからあんまり問題にはならないんでしょうね。

それにしても、こんな国々に生まれなくてよかったと本当に心の底から思うのでした。



2021年5月28日金曜日

長女が一時帰国のチケット購入

結局、日本へのシャトル・チケットを購入したみたいです。

夜中に当直室で寝ていた私にいきなりのtelegramで巨大な着信音。私自身の設定ミスで最大音量になっていたため、殆ど耳元でゴングが鳴るような感じ。文字通り「叩き起こされ」ました。ただ、夜中の三時までYoutubeや読書で時間が経過していましたので、取り敢えず寝てすぐの時間であった為、特に問題なく起きることが出来ました。

それによると6月末にチケットを取って8月の頭に再びアメリカに戻るというものでしたが、問題は値段。それによると直行便は20万円台真ん中あたり!ヨーロッパ回りの長時間フライト便で13万円というモノで、私の感覚的には「おいおい高いよ!」と言うべき価格だったのですが、仕事をしている独身女性の長女にとってはまあまだ出せる額なのでしょう。

24時間はrefund出来るということでしたので、「お父さんも明日調べるから、まあもうちょっとリサーチしてみよう」という言う感じで一旦おやすみなさい。

翌日、起きてからゆっくりサーチしてみるとサイト(Skygate)によっては45,000程度で購入できるような表示が・・・。ところが!このサイトの情報を娘に送った所「おーーーーっ!」と言う反応。確かに安い!ということで購入に踏み切ろうとした所で大問題発生でした。それはそれは確かに大問題で、最終的にチェックアウトしようとすると税金がほぼ$1,000近く加算されたとのことで即時購入中止。w

その後は長女が再度の徹底サーチを頑張ってみた所、比較的短時間にJAL/AAのコードシェア便が10万以内で見つかりました。この時期にしては10万切りの往復チケットは十分に安いと思われましたので、私からもGOサイン!

アメリカで仕事をしているとよく分かるのですが、一ヶ月程度の休暇は比較的簡単に取れます。ネット上で接触する上司や職場の同僚は日本とは真逆で「早くとりなさい。いつとるの?」みたいに休暇を取ることを積極的に勧めてくるとのこと。私としては十分に納得の行く感覚です。

ネット経由で殆どの仕事を次々に進めていける仕事をしているからこそ更に容易なのでしょうが、訪日している間もごくたまにミーティングをしてくれれば「それで十分」と言われているようです。

なんか羨ましいんですけど・・・。日本の仕事もこれが標準だったら娘も日本での仕事を少しは考えるのかも知れませんが。まあ、無いな。w



2021年5月27日木曜日

遂に病棟のコロナが収束する方向へ

病棟で確認された新型コロナの患者さん達の治療が開始されてから3週間が経過しました。

当初は落ち着いてくれるかと考えていた患者さん達も他のドクター達のケース・リポートの様に10日ほど経過した時点で、高齢者かつ基礎疾患としての呼吸器や循環器の疾患、慢性腎臓病、高度の肥満等のファクターを持った患者さんには厳しい結果となりました。

感染症学会の標準プロトコルに従った各種の治療に確かに反応はするのですが、ある分岐点から「改善」の方向に向かって最終的に症状が落ち着いてくれたのは「基礎疾患の無い方々」でした。

数十人居た抗原陽性者も遂に数人にまで減少。ウイルスの抗原としての量も現時点では10^4レベル程度にまで殆どの患者さんで落ちてきていると思われます。こうなってくると、実際に感染性という意味ではほぼ消失。残る患者さん達数人の隔離は続きますが、区の保健所長と綿密に打ち合わせを行いながら病棟としてはコロナの終息宣言を出す方向性で問題なしとなりました。

実際に病院全体としても他の病院や施設からの患者さんの受け入れを再開する日程も決まり、外来も再開されることとなりました。今回のインシデントは病院にこの様な事態への対応力が備わっていることを証明する機会を「強制的に」与えられました。

当院のような重症認知症の患者さんで新型コロナを発症した人は他の病院で本当に受け入れてもらえません。それを不当とかなんとか言うのは簡単ですが、実際の所、徘徊をされたりすると、病棟としてはウイルスをあちらこちらに撒き散らす巨大なリスクを持っていますので、善意のみでYESということが出来ないのも理解できます。

「医療資源に余裕のない時代」の現実と言うのはこういうものだと納得せざるを得ないのは少なくとも名古屋にいる現場の人間は理解しています。

全国、全世界で種々の規模の種々のレベルの「戦闘」が行われているわけですが、他の病院でも最後は直接にウイルスを叩くような(可能であれば副作用の少ない)低分子化合物の登場を以て、対症療法ではなく原因療法で患者さん達を治せる日が近づいていることを医師として祈っています。


2021年5月26日水曜日

営利団体クソIOCの為の踏み台になる日本

IOCというのは、そこに群がる貴族の為の利権組織に堕してしまっているのは中にいる人間のみならず、そこに群がって利用するスポンサーにとっては誰でも知っていることで、種々の出版でその組織のクソっぷりが描き出されてきました。

ネットの時代になってからは微細を穿った速報性も加わった内容が暴露され続けていますが、本当にF1やオリンピックの組織というのはディズニーと同じくらいエグい「集金マシン」ですね。

努力や友情、そして楽しさ等という誰もノーと言えないフレーズのもとに「本当の正しい選択」を全て跳ね除けながら除雪車のように前進する組織。どこかの下げXXが「オ・モ・テ・ナ・シ」と言って2013年の9月に招致が決まったのが実はケチのつきはじめ。今となってはやはりあの人下げXXだったのネ、トホホ。(自分のFirst impressionを信じろ!)

森センセイ、平成の大宰相アベチャンががっちりタッグを組んで招致に取り組んでくださいましたが、今となってはお二人共に表舞台にはその姿は既に無くセンセイに至ってはもう人生の表舞台からも去りそうなご様子で、今まで世を賑わしてきた類の錯乱した発言の数々もこの数ヶ月は全く聞こえなくなって参りました。

IOCの各国委員の個別発言がニュース・ソースから聞こえてきますけど、本当に日本の都合などはどうでもいいというのが丸見えの「脅迫」ばかりが聞こえてきます。とても主権国家の宰相と思えぬSUGAさんの小物ぶりにも嗤わされますが。

1業種1スポンサーのロサンゼルス・オリンピック以来の慣習をぶち破り、国家の財政からバケツで金を汲み出しながら各種会場を作らせた上に、相乗り方式で数千億円の協賛金を集めてまで開催しなければならないスポーツの祭典って一体何なんでしょうか?

IOCというのはオリンピックの名のもとに金に群がるスポーツ・マフィア共にカネを配るための組織。お人好しの日本に狙いを定めてまさにしてやったりということでしょう。開催国の選定で先ずは美味い汁を吸い、開催決定で美味い汁を吸い、オリンピックが開催される間の四年間もそれぞれの国で美味い汁を吸う水ぶくれした蛆やブヨには天罰が下ることは有りません。

昔はサマランチ、今はバッハ。利権の継承にどれくらい金が動いたのでしょうか。底知れぬ闇の中で動く蛆達の様子はまさに小さな頃に田舎の婆さんの家で見た汲み取り便所の壺の中で蠢動する蛆と混ざった排泄物の表面の光の照り返しのようです。


2021年5月25日火曜日

娘達は帰国(帰日・帰米)できるのかな?

昨日の渡航中止勧告もアメリカ的な視点から見れば納得のいくものでしたが、さて実際に困るのは我が家の娘たち。

来るも帰るもどちらの方向に向かうにしても日程の調整その他が余りにも流動的でリスクに満ちています。例えば現時点で日本にいる次女が「多分、Zoomではなくて、リアルな授業が始まる」という見通しだけで、アメリカに帰国していくことにしているみたいなんですが、実際の日付と言いう意味ではアメリカ入国の時点で恐らくはワクチンショットの一回目さえ行わずにアメリカに入国していく事になると思われます。

その際にどの様な取り扱いを受けるのか「その時点では」未だ不明。帰米は多分8月になると思われるのですが、その時点での出国は可となってもアメリカ入国の時点でどのような受け入れシステムになっているかはわかりません。現時点でのシステムはここに書いてあるようなもの。しかし、それも2ヶ月後にはどう変わることやら・・・。

下手をするとアメリカ人である次女でさえも入国時に隔離されてしまう可能性もありますので、早めの帰国が良いのかもしれません。更には、問題なく入国できたとしても次女自身はワクチンが打たれておりませんので、大学の講義にいきなりは出れないでしょう。そういう意味では物理的に戻れたとしても未だ友人には会えないわけです。

あと、日本に戻ってこようとしている長女も多分「無理ではないか?」と言う気がします。最初は冗談のように言っていた「日本に帰国して14日間家で過ごして一日外出。更にアメリカに帰国して14日の隔離。」等というのが全然笑えない現実になりはしないかと・・・。

長女は私の家族の中では私とともにフルにImmunizeされている人間。それでも、PCRでNegativeであることを示さないといけない、更にはイミュナイズの記録を紙もしくは電子的な方法で提示等となった上で、上に書いたような二週間+二週間となると果たしてリモートとは言え仕事に差し支えはないのかと考えてしまいます。

何れにしても短い間に行ったり来たりするという物理的行為自体に疲れるようであれば今回、この時期には帰ってこないというのもアリなのかなと考えてしまうのでした。

寂しいですけどね・・・。


2021年5月24日月曜日

アメリカから渡航中止勧告だってよ・・・大丈夫かい?

米国務省が遂に日本への渡航中止勧告を発しました。

Travel Advisory May 24, 2021
Japan Level 4: Do Not Travel 
Do not travel to Japan due to COVID-19.

こんな中で、我が国の政府とオリンピック委員会の中の橋本聖子脳筋会長も手に手を取り合ってオリンピックを着実に進めて居られます。寿ぐべきはその脳内回路を作り上げる筋肉細胞。このセクハラ脳筋おばちゃんに聖子と名付けた実家の方はまことに罪深いことをしたものです。このオリンピックが終わった暁にはstigmaとなることでしょう。

自衛隊の医系技官たちを大量動員してワクチン接種を加速するは国家の戦略としては遅きに失したとは言え大正解というかこれしか無いというまさに正しい方向。しかし、これはあくまでもオリンピックなどは当然勘案されない前提でのお話で、粛々と進めるものであって、今日仮に日本の全国民がショットの1回目を打ったとして、三週間後に2回目のショット。そして、抗体価が予定のレベルに達すると言われているのは更にその2週間後。つまり、今日の時点で全員が一回目を打っているという「既に成り立っていない前提」のもとでオリンピックを迎えるとしても、全員が準備O.K.と言える日が6月の末。

では現実はと言うと、高齢者に限ってのワクチン接種に限ってさえ以下の如く背筋が寒くなるような状況。しかも、出されている数字は一回目のショット終了者でござる・・・。2週間で5%増なんですが、いつ終わる御予定なんでしょうか?


さて、順天堂の研究室や東大の研究室などからは、今どの世代に打てば死者を最低限に出来るかとか、新規発症者を減らすためにはどの世代を狙うべきかも含め、現実的な落とし所はどこであるべきかという数値シュミレーションがなされています。また、東大のシミュレーションでさえ、政府の希望的大甘予想である一日100万ショットという数字は採用せず、60万ショットと仮定して計算をしていますが、それでも今オリンピックを執り行なえばどうなるかという点に関しても「だめだこりゃ」というような結果を弾き出しているわけですが、政府のやんごとなき方々におかれましては御関心が無いようです、っていうか目を瞑ってるよね?

まあ、こういったことはも我々医療従事者としては勘弁してくれという一言。名古屋大学では既に骨折の患者でさえ入院をお断りするような事態になってきているという話で、コロナはただの風邪とかいう脳内真空状態の連中には現場のベッドの逼迫具合などはまるで関係ないということです。
これは名古屋の数字です。一つ前の波が可愛く見えます。

通常のオペも本来は行われるべきものも重要度の低いものからオミットされ続けているわけで、先進国では通常発生するべくもないtriageも受け容れる心づもりでオリンピック開催を迎えなければなりません。勿論、橋本日の丸オリンピック会長様はコロナに感染してもきちんと順番を守って入院せずに自宅待機してくださることでしょうから、覚悟はあるのでしょうが!

BMJでも科学的・倫理的な責任を無視して東京オリンピックを内政的・経済的な目的から開催することは、世界の健康と人類の安全に日本が貢献することと矛盾している」と、真っすぐにグウの音も出ないレベルで簡潔に指摘されておりますが、かがくや統計学が理解できない御仁には通じません。ハイ。

というわけで、正に国民の命を乾坤一擲の大博打に賭けてきた菅センセイ、橋本センセイ、森センセイ等の面々。輩は高額の退職金貰って退陣すればいいだけなんですけど、病に倒れる人々は訴訟を起こしても門前払でしょうな。

何しろ訴訟のお相手は責任を取らないことで悪名高い官僚軍団ザ・親方日の丸ですから。w

2021年5月23日日曜日

隣人は選べない・・・

一辺1メートル、深さ40センチの三角形の池が全ての始まり?

「お前の家のカエルの鳴き声がうるさい!」隣の人がもしそう言って我が家に怒鳴り込んできたら、取り敢えず「?」という反応をしそうです。ネットのニュースで知ったのですが、板橋区の住人同士が裁判沙汰になった大本はどうやらAさんの家の池に住むカエルがうるさいということで玄関先でBさんと揉めた事が全ての始まりのようです。

こういうのは音以外にも何らかの因縁があったのかもしれませんし、そもそもこの当事者以外には知ることの出来ないインシデントが裏にあったのかもしれませんが、記事を読む限りは純粋ににこのカエルの鳴き声が揉め事のコアの様子。

裁判所はカエルの鳴き声は、自然音の一つであり原告の受忍限度を超える騒音に当たるということはできないという至極真っ当な判断を下して原告の訴求を棄却しております。笑

ところが、このBさんというのは結構アレな人物のようで、排除の費用は持つから池の埋め立てとカエルの駆除を申し出たという話。家の外でBさん側の弁護士が測定したところでは「屋外で」66dB(2メートル位の距離でのおしゃべりの音程度?)と言う音圧が測定されたというのですが、そもそもデータの測定記録提出は無し。更にAさん側の言う通り「窓を透過した時の音圧」を以て訴えを起こすべきだと思うのが第三者の私も納得する落とし所なんですが、このBさん側の弁護士の回路も相当にロジック・ボードの構造(焼付き?w)に問題があるようです。

世の中には音に敏感な人も当然おりますし、子供のはしゃぎ声を我慢ならぬ騒音と思う人々も今どきの年寄り社会では沢山居られるようですので、難しいもんです。更には田舎暮らしに憧れて田舎に移住したら川のせせらぎや虫の声に耐えられなくて逃げ出す阿呆も居るようですので、人間も愈々自然の中では暮らせない絶滅への進化への歩を進めているのかもしれません。何よりも人類より先に誕生している大先輩のカエルに気の毒。

それにしても良かった。裁判所が至極納得の行く「まともな」判決をしてくれて。どうせ上訴してもBさんには気の毒ですが「門前払い」でしょうな。

まさかとは思いますが、この方には普通の人には聞こえないこの人だけが聞こえる声とかが聞こえているとか言わんだろうな?まあ、それは無さそうですが・・・。そのうち刃傷沙汰になったりしないことを心から祈っております。昔々、私が未だ小学生の頃にピアノ騒音殺人事件というものもありましたので。

隣人は選べません。自分自身も良き隣人でありたいものです。


2021年5月22日土曜日

心不全から戻ってきたおばあちゃん

病棟に緊急入院となったのは90近い小柄なお婆さん。

実は病院の真ん前に住んでいる方です。今までも当院に来られている大学の循環器の先生にフォローされていたのですが、最近は次第に心機能と腎機能が低下してきて下腿浮腫などが進展していました。

年齢なりにシビアな弁膜症もあり、リスクとしては突然死も十分ありえることを既に十分御本人も御家族も理解されています。お婆さんは90近いのですが、頭脳は明晰で今回の件に関しても自分の体に何が起きたかをよく理解されています。

今回の入院前にも何度か心不全の定番とも言える「増悪と寛解」を何度も繰り返していたのですが、今回外来に来られた時はもう息も絶え絶えで、息子さんに車椅子に乗せられて来た時も酸素を直ちに投与しないとパルスオキシメータで測定した酸素飽和度は60%程度しか上がらないという状況。動脈血を採取して測定してみても、幸いにして二酸化炭素は貯留していなかったのですが、酸素飽和度は3L/minの酸素をマスクで投与していても60%程度と言う厳しさ。

同行されていた息子さんには循環器の先生から「今回は間に合わないかもしれません」という事が直接説明され、直ちに病棟に入って頂き注射による厳密な体液と心拍出量のコントロールが開始されました。

あまりの息苦しさにいつものお婆さんの姿はそこにはなく、冷や汗を全身から流しながらびっしょりの体で身の置き所もない様子。寝そべるのも苦しく、ベッドを傾けてのいわゆる「起座呼吸」の状態で過ごさなければなりませんでした。来院が一日遅れていたら間違いなく命はなかったと思われます。

まずは絶飲食で厳密な体液コントロールを開始したのですが、入院時の胸部写真では心臓は極端に肥大化し両方の胸郭には大量の胸水が貯留していましたので、本当に大丈夫なのか私自身もまんじりともしない状態で一晩を越した所で翌日までにかなり状態は改善し、息は辛いものの利尿も十分かかりはじめました。

それからは日を追うごとに体重も低下し、浮腫も消失、胸部写真では一週間ほどなかなか変化のなかった胸水や心肥大も、入院から10日ほど経った頃には体調もキチンと戻って、シルバー・カーを自ら押して病棟の食堂まで自力で移動できるまでに!

息子さんも病院の真ん前に住んでいますから気になって時折病院の真ん前まで来て消息を直接聞きに来られておりましたが、状況を説明すると一安心して嬉しそうにお家まで帰っていかれました。本当に良かった!

しかし、今回は薬が効いたから良かったのですが、超高齢で種々の基礎疾患があるような方の繰り返される心不全はやがて「押し返せない瞬間」というのがやってきます。治療が効いた今回の喜びが今後いつまで続くのか・・・。

神様ではありませんので、標準手順に従うものの、正直なところ祈るような気持ちで治療する時もあるのでした。


2021年5月21日金曜日

仕事の向き不向き

病院で仕事をしていると、対人関係能力というのが大変重要なことが嫌というほど理解できます。

私自身は人と話すことが大好きで、(医師としては三流ですが)診療の上では患者さんや家族さんと意思の疎通で問題が起きたことは先ずありません。医学部を見渡してみると、必ずしも対人関係やその調整能力というのが得意な人間ばかりではないというのは明白で、だからこそいろいろな分野にみな散っていって、それぞれに「ハマる」分野に別れていくわけです。

あまり人とはなさなくて良い診療科や分野はたくさんありまして、別に病理やガチガチの基礎関係でなくとも内視鏡室で胃カメラばっかりずっとやっている先生とか(だからと言って人嫌いなわけでもなく、この先生方の中にも全然素晴らしく気さくな方も沢山おられます。)、放射線の読影を一日中やっている先生もずっとおられるわけです。

中には子供が嫌いだけど小児科を目指して一流になった先輩も居りましたし、お前が?というような友人が気づけば別人のように話術の達人になって、立派に教室の運営をしているなんてこともごく普通にあります。

しかし、中にはどう見ても間違った医局に入っちゃったな~なんて言うのも居りまして、その後の消息を聞くと、全く異なるドラマチックな転身を見せた学友達も十本の指では足りません。

「転石苔を生ぜず」と言うことわざは仕事に関しては以前の日本ではどちらかと言うとネガティブに捉えられていましたが、実際のところは私自身はいい意味でアメリカ風の解釈が日本においても(特に若い世代では)、アクティブという意味で自分のスキルアップに伴ってより自分にあった分野に転進していくという解釈に変わってきたのではないかと思います。

しかし、病院全体を見渡してみると事務系の人たちの中には「向いてないな・・・」と言う人が数年間苦しんだ挙げ句に辞めていったり、同じように数年間しばらく格闘して、思い切って院内の別部門に転籍してまるで別人のように、本当に水を得た魚のように明るく仕事をしているのをみるにつけ、頑張ってみて駄目ならば何度でも衣替えをしてみるというのも「あり」やな~と私は最近富みに思います。

苦しさも極限まで言ったら息を抜く、辛すぎたら場所を変えるというのも別に逃げではなくて「良い選択」と思っておくのも長い人生では十分ありだと思います。ひと所にしがみつくのも選択、いろいろ変えてみるのも選択。人生一回きり、終わり間際にあれもやってみれば良かったなどと動かぬ体で考えるより、やってみればいいと思います。

失敗しても責任を取る覚悟で動けばいいだけの話であって、自分の運命の主人は自分であるべきだと考えます。


2021年5月20日木曜日

週一回の抗原検査

病棟で新型コロナ対応を行う医師として毎週抗原検査をしています。

基本的に感染と発症に比較的大きな時間的ズレが有るのが新型コロナの嫌らしい所です。だからこそインフルエンザなんかと異なり、感染して比較的わかりやすい短期での熱発サインなんかが出ないまま拡散が続いてしまう期間が長め長めになってしまいます。

病棟でいつもコロナ陽性患者と接触している我々自身は先日よりちょこちょこここに書いているように、ファイザーのワクチンを既に二回のショットで終了し、後3日程で規定の日数に達しますので、かなり感染防御は強くなっています。しかし、それでも感染しないわけではないことは世界中の事例が示しておりますので、用心は続けています。

95%前後の防御の数値というのは素晴らしいものですが、あくまで100ではない世界ですから、常に用心。そのうえで毎日コロナ対応をしている我々医師と看護師陣は週一回の抗原検査を行っています。

毎回抗原検査のバンドを見つめる度に少しだけドキドキしています。

上の写真は自分の鼻からスワブで検体採取をした後実際に右の穴に液体サンプルを落としてチェックアップするタイプの抗原検査キットです。もし陽性だと右の「T」の文字の真下に赤いバンドが出てきます。「C」はコントロール。「T」はターゲットですね。

以前患者さんをこの一次スクリーニングで発見したときには病棟で次から次にこの部分に真っ赤なラインが出てきてがっくりしたものです。しかも、抗原量が多かったのでしょう、ドロップして液が通過した瞬間に出るほどクリアなバンドでした。しかし、現在は患者さん達の多くが陰転化していることは少し前にここに書いたとおり。

何とか頑張って頂いて、元の状況に戻っていただきたいと治療とサーベイを行いながら願う毎日です。


2021年5月19日水曜日

コロナはとりわけ喫煙者に厳しい

病棟では必死の戦いが続いています。

若い看護師さん達が患者さん達のサポートの中心で、ヘルパーさんは全く入れていません。やはり、医療従事者とは言ってもヘルパーさん達に重すぎる負担をかけるわけにはいきませんので、そういうやり方になるのは仕方ありません。

酸素の投与と種々の投薬、輸液などの継続は行われているものの、抗原が陰転化し症状もほぼない一群もあれば、日々酸素化のレベルが落ちている人々もおられます。それでも、嬉しいことにやはり一週間程度の治療の後に次第に「命の危険」という状態からは離れてくださる患者さん達も。

状態がクリティカルになっていく人々を見ていると、やはり「喫煙歴」が大きいです。と言うか巨大なファクター。特にCTで入院時に指摘された軽症以上の肺気腫を発症している人々は今回のコロナの感染後になかなか解熱しないし、酸素化もプアです。

これらの70代後半くらいの人々は、成人男性であればほぼ8割程度の人々が何らかの形で喫煙という習慣に浸っていたわけですから肺にダメージが蓄積されていても全くおかしくない世代の人々ですから、普通に種々の形で肺の構造に何らかの変化を起こしている人々は多いのです。

もし今喫煙という習慣を持っている若い人がいたら、なんとかしてその習慣から脱出させてあげたいのですが、その為には禁煙外来を受診していただくよりありません。肺気腫の存在だけでも厳しいのに、癌のリスクにも晒され、かつ今回のようなウイルス、細菌による肺炎のリスクも遥かに高まるような状態に好んで飛び込んでいくのが喫煙習慣のです。

コロナ病棟の患者さん達を診るにつけ「喫煙はイカン」と日に何度も感じる私でした。


2021年5月18日火曜日

長女のクルマ選びで親父が研究

長女とのやり取りの中で、先日車を買うことを聞いたばかりの私です。

まずは焦って買わずに日本からアメリカに一旦戻ってその後買えばいいと言った所、「That makes sense.」との返事がありました。実際に購入して新車を学生街の家の脇の道に停めておくなんて言うのは車を盗ってくれと言っているようなものなんで、止めておけということになりました。

そこで、私の方は親父としてちょこっとだけ手助けしてあげられるようにと、現時点での彼女のセレクションであるForesterとRAV-4の研究をしてみました。

まずは2つの車のアメリカにおける値段などの比較は前回やったのでいいとしてそこはもう無視。男として気になる「走り」の部分も気にはなるのですが、敢えてそれほど気にしませんでした。そもそも長女が激しい走行や険しい場所に行くわけもありませんし。無論、四駆として滑りやすい道での安定性を求めるとスバルのほうが良いのかなどという「印象」はあるのですが、そもそも娘はそういう時にも運転はしないでしょうから、私が研究したのは主に安全性。

比較の対象は客観性を求めてEuro NCAPとIIHSが行っている種々のSUVの画像をじーっと眺め続けました。

結論から言うと、2つの車の間で受動的安全性に大きな差はないかなと思ったのですが、細かな差を言うならばポールにぶつかった時の凹み具合がRAV-4のほうが小さいということでしょうか。オフセットも、スモール・オフセットもフルフラットでの衝突も、現代のSUVでは既に40mile程度の速度では差が出ないほど優秀で、シートベルトさえ締めていればまずは死に至るような怪我をすることはないという事実は当然のように確認できました。

そこから先は、よりリアル・ワールドで起きた時に後遺症を残したりしないようなレベルでの安全性が語られるべきで、今後は更に高い速度や横転した時の安全性の検討が問題になっていくものと思われます。

更に安全性でじっくり見てみたのは能動的安全性の部分。初心者の娘が起こす可能性の高い「うっかり」の部分をマシンが視覚的に処理した信号でどれほどカバーしてくれるのかと言う興味のもとに見ていたのですが既にこれも両車ともかなり優秀。

実際に乗ってみないと判断できない部分というのは確実にあると思うのですが、やっぱりこの十年でも随分と安全性の高まりは価格的には裾野の車にまで十分拡大してきたと感じました。

やはり一度、帰国時に日本のスバルとトヨタで娘と一緒に試乗して実車を乗り比べてみるのは必須と考えた次第です。

ところで、前回「車を買うつもり」という連絡が娘からあった時にこの車を買ってくれない?という一文が・・・。リンク先を開いてみるとブガッティ・ベイロンでしたので、私からの返事は「もうこっちの方を注文しといたから」としました。 

勿論、返事はLOLでした。


2021年5月17日月曜日

多分、ワクチン接種の拡がりでこれから起きる事の予想

私の勤める病院でのPfeizerワクチンを用いた接種の参加率はなかなか良好でした。

最終的には90%にごく僅かに欠ける程度のかなり高い率での接種状況となりました。私自身は当初、集団免疫の成立に達するための標準値と言われる60-70%程度受けてくれたらな~と考えていましたので、9割程度の接種というのは通常行き交う院内集団での集団免疫を成立させてくれる可能性を大幅に高めてくれることになります。

私の場合は2回目の接種を終えて今日で一週間。Pfeizerによる標準的な95%前後の感染防御能に到達するまでに後一週間ほど待てば良いことになります。万一新型コロナウイルスが私に感染しても種々の研究結果によれば死亡に至るほどの悪化リスクというのは相当低下しているはずです。また、自身で患者さん相手に仕事をしていて何が嬉しいかと言うと「私自身が新型コロナウイルスを患者さんに感染させるリスク」が大幅に低減しているということ。

自分が感染していなければ、当然、診察・治療診察の対象となっている他の患者さんにもうつし難くなるのは当然です。そういう意味で、双方向に対して「抗体に守られた状況」できちんと仕事ができるというのは素晴らしいことだと思いますね。

さて、こうやって接種が終わった組は良いのですが、私達の病院でもワクチンを打たないことを選択した人達が10%ちょっとおりました。基本的にこれらの人々は以前ショットをしたときに何かが起きたことのある人や、妊娠中の方などが10%程度混ざっていました。しかし、何があっても接種しないという一群も少数ながらおりまして、そういう人達には最初の一回はワクチンの正直な科学的・疫学的説明を行って、納得してもらうように努めました。

その結果、当初は70%台であった接種希望者が15%ほど増加してほぼ9割にまでなったのですから、説明の効果はあったのでしょう。

ところが、変異株の拡大とその増大した感染リスクが報じられるに及んで、今になって「ワクチンを打ちたい」という人が結構パラパラと出現しているのですが・・・残念ながらもう一般枠の人達の接種が始まる夏~秋以降にまで待ってもらうしかありません。初期のV-SYS登録で入力されなかった人達はもう直近の接種チャンスはないのです。

今後、いろいろなところに行く時にもしかしたら、接種記録をもっている人達がいろいろな所で優先的に入場させて貰えるような事が起きる可能性もあります。また、私にとって大事なのはアメリカに行く可能性が高い時に接種記録を持っていれば多分スッとアメリカに入れてもらえる可能性があること。(実は一番大事なのはこれかもしれません!)

ワクチンの接種自体が大事なのはアフリカに行く時などですが、接種記録自体が重視されるのはこういう時の移動や交流時に「人として選択される」という過程が重視される時代に於いては大切なことだと感じるのでした。

とにかく、こうやって被接種者が増えることでイギリスやイスラエルのように劇的に感染者が減っていくことでしょう。5割に到達したあたりでも社会的な防疫効果は多分十分に劇的なはずと思っています。

それにしても早く高齢者達にワクチンが行き渡ってくれることを日々国会議事堂の方に向かって心の底から祈っております。


2021年5月16日日曜日

やはり高齢者の新型コロナ感染症治療は難しい

やはり厳しいです。

集学的治療がルーティンとして行われ、かつ人と機器がバシッと揃っているような新型コロナ病棟に於いて患者さんを治療することが出来ない私の勤める病院の精神科病棟などでは、内科的にコンセンサスが得られている日本感染症学会の治療プロトコルを参考にレムデシビルやデカドロンなどを使用し、酸素投与を行いながら経過観察をしています。

しかし、認知機能の低下した高齢者、ヘビースモーカーであった肺気腫やCOPDを持っている患者さん達(男女を問わず)、高度な肥満や心疾患、慢性腎臓病の患者さんや糖尿病を持っている人達を中心に「厳しい状況」が出現してきました。

結局、ウイルス量が低下してき始めたあたりで目立ち始める炎症反応が体全体をボロボロにしていくような状況まで追い込んでいきます。特に呼吸器がもともとボロボロの状態である肺気腫等の患者さん達は、それこそアッと言う間にSpO2が低下していきます。半日ですーっと低下していきます。

人によってはデカドロンの使用でSpO2がスパッと戻って来られる方もおりますが、やはり喫煙歴のバック・グラウンドはその経過に大きな差をもたらしている状況です。やっぱり長い喫煙歴は死のtaggingです。それと明確なのは年齢の壁。65歳という年齢の壁が一応の指標として多くの研究でその予後を分けるものとして使われていますが、我々の病棟には70代後半より上の認知機能障害の方々が殆どですから、その予後の厳しさは想像していただけるかと思います。

だからと言って、名古屋で認知症かつ新型コロナ・ウイルス陽性の高齢者を受け容れてくれる余裕のある病院等はそもそもどこにも残っていません。ベッド自体が無いのですから。

未だにこれはただの風邪とか言っている蒙昧な輩に「わかった、じゃあお前が病棟に入って一緒に治療手伝え」と言って差し上げたいです。

新型コロナウイルスはウイルスの増殖期と症状の出現期のズレがでかい。本当に防疫という観点では防ぐ事の難しい感染症です。なんとしてでも政府はワクチンをバンバン打ち続ける体制を一秒でも早くセットアップしてもらいたいと心から思うのでした。(医療サイドがいくら頑張っても、モノの供給がなければ我々は立ち尽くすのみです。)


2021年5月15日土曜日

長女からの報告

8年前にチラッとこのブログでもアメリカの若い人達の運転免許の話を書いたことがありました。

ところが今回長女からtelegram経由で連絡があって、一言「免許ゲットしたよ!」とのこと。一瞬、何の免許やろ?と思ったのですが、これが車の免許。高校在学中にアッと言う間に誰もが取れるlearner's permitを取得したっきり、IDとして使ってはいたみたいなのですがそれ以降はどうしていたのか聞きもしていませんでした。

その後はいつの間にか次女はDriver's licenseを取得して高校卒業後は家にあった我が家の車を時々運転していました。(助手席に座らせられた私にとってはどんなに最新の絶叫マシン型ジェットコースターよりも恐ろしい乗り物でしたが。)

勿論、試験はモニタに出てくる問題を解いた後に簡単な実地試験を経て発行されるのがVAのライセンス。NYやDCには取りに行っていないはずですから、VAのライセンスをとったものと思います。

そのあと、ちょろっと短く会話した後おもむろに娘が「車買う予定」との一文を送ってきました。びっくりして何買うの?と質問を送ると「RAV4 or Forester, Not sure yet.」と返ってきました。どうやらSUVに興味があるみたいですね。

値段を調べてみるとどちらも最安のものは24,000~27,000程度がMSRPのようですので、若い娘にも買えもと思います。しかし、ここで2つの疑問。これから先は純粋なエンジン車は中古での再販は難しいんじゃないかなというのと、最初に買うのは「どうせ傷つけたりするリスクの高さ」を勘案すると、中古で十分な気がします。

私も日本で最初に買ったのはAE86の中古でしたし、アメリカでもかなり長い間中古のミニバンなどを乗り継いでいましたので、安全性さえ高ければそれで十分という気もしますが、娘としては財布との相談なのかなと言う気がします。

まずは日本に休暇で帰ってきたあとでアメリカに戻って購入すれば良いと思います。

しかし、それはそれ・・・親としてはそんな事は二の次、三の次。安全が全てです。慣れないままで道に出ていく長女のために誰か上手いパートナーに同乗して訓練して貰って欲しいなと思う親心でした。


2021年5月14日金曜日

職場のサイコ

変な人はどこにでも居ます。(私も世間の標準からは…な人だと思われます。)

しかし、変なだけならまだ取り扱い法は考える余地もあるのでしょうが、「危ない」のは取り除くのが最善。いつの日にかもっと取り返しのつかないことをする危険性を孕んでいるからと私は考えています。

例えば、一年ほど前に経験した例なのですが未だにその処置をされたドクターと当時の病棟師長、更には看護部長まで巻き込んで「限りなくクロ」に近い灰色だった一件がある病棟で発生しました。その人物、若い男性看護師なのですがその看護師が入った夜勤に担当したあるお婆さんの額に怪我が見つかりました。

当時、私は家にいたのですが夜間に緊急の電話が入ってきた後、当直をしていた外科の先生と討論し、それが本当にアクシデントだったのか?ということになりました。後日知ったのですが、この看護師「見ていないところで」切れやすいキャラだという他の女性看護師の話を聞いて、言葉にならない暗い感想を持ったものです。

結局、この看護師は看護部長に呼び出され長い話の後、疑わしきは罰せずになったらしいのですが、私はこの結論は間違いだと思いました。

以来、私はこの看護師を病棟で一人にならない仕事にだけつかせ、更にこの看護師から目を離さないように私と主任と師長でソフトに注意を向け続けるように師長と話をしました。実は周りの看護師達もそういう事を感じることがあったたとのことを後で師長から聞きましたが、それはおまけです。

もう一つの問題は自己肯定感が非常に高いということ。認識の歪みがただならぬレベルです。返事はクリアで毎度好青年風の返事をするのですが、実際の反省は欠片もなく進歩もなし。これを危ない輩と言わずして何と呼ぶのか。こういう人間には教育は効かないというのが私の信念。

尻尾を掴むというのは簡単ですが、そんな瞬間を作らせること自体が患者さんにリスクを負わせるという意味になりますから、そういったmomentは持てません。パワハラにならず彼を取り除く第一歩は、まず普通に口をきける患者さん達の病棟で働かせるように仕向け、問題があったら患者さんに他のナースや医師に言ってもらう様にすることです。決して自分からはうまく記憶や表現ができない認知症患者さんなどの病棟などには近づかせないことです。

そもそも論としては「サイコを入職させない」事が大切ですが、サイコに限って表面的には偽装が上手いという特徴を持っている奴が多いので大変難しい。日本の就職、入職は実質的に責任を持って推薦状を書かせる、しかも最低2,3人のものを持って選別させ、その人物による被推薦者が何かをやらかした時にはその人物の推薦する人間は以降「受諾枠から外す」ということを行ってもよいのではないでしょうか。

こういった人の命を預かる職場では、特にそこまでして人を選ぶ意義が十分以上にあると思います。


2021年5月13日木曜日

政府のダメっぷりに苦笑い

今回のコロナ禍、保健所等の関連機関への提出書類に関してもう呆れるやら嗤うやら。

この国の未来が本当に案じられるレベルのものだと改めて思いました。駄目というレベルでは表現が全く追いつかなくて、徹底的に破滅的レベルのもクオリティーだと感じました。しかし、最近のいろいろな役所関連のネット上の論評やニュースなどを見ていても、正直なところ「まあ、近年の日本政府の品質ってこんなもんでしょう」というのがあるせいで、もう怒りなどというのは湧いてきません。

只々苦笑いとため息。

そもそも何かに対して「怒る」というのは何かを未だ期待しているからであって、期待していないもののダメさ加減に関しては諦観の心持ちで臨むしかありません。もしくは自分で動くという方法が残る選択肢。例えば2つ3つの子供に統計取らせてグラフを描いてもらうなんてことはそもそも無理ですから描けなくても、逆に指示を出したほうがアホ呼ばわりされるでしょうし、食後の片付けを命じたところで、おままごとや初期教育の延長としてチョロっとお手伝いしてくれるのなら微笑ましいものでしょうが、毎日三度三度それをやらせて親が手を汚さなければそれは明白な虐待です。

ところが実際のところ、政府の日頃のダメっぷりを身近で見聞きしている我々からすると最初から「駄目やろうな~」と考え、どんなダメっぷりをどのような書類で繰り出してくるかと言うのを寸分違わず予想できるのですが、今回も脱力するくらい正確に駄目な仕事を出してきたもので、声も出さずに嗤った次第でした。

そもそも今回の保健所への提出書類、統計局や電子的な個人情報の保護が機能していない国で、思いつく限りの様々なランダムな個人情報をくまなく書き込ませる3枚の保健所提出用の用紙を一人分ずつ提出させる様式なのですが、電子的に入力する方法の提供が全く為されておらず、医師が何人もの情報を手書きでシコシコと書き込んで、それをFAXで送って、ソレをまた保健所の人が「多分」また電子的なものに入力し直して政府に報告しているんじゃないかという話。いやまて、そこで仕上がったものをまたFAXしているんじゃないか?w

もうね、本当に電子政府とかこの国では「空想科学事典」にしか載っていない、実在しない機関だと信じています。沈みゆく泥舟に乗っている我々も喫水線が船上から見えるうちに未だ浮いている船に飛び乗ったほうがよろしいのでしょうが、乗り移る船が周りに見当たりません。

こういう事をさせられる保健所職員、そして保健所に現在応援要員として各役所から送り込まれている増員されたお手伝いの皆さんがただひたすら気の毒です。


2021年5月12日水曜日

良い話

昨日のクラスタの話ですが、実は既にいい方向に話は動いています。

初日の検査で抗原検査が陽性だった患者さん達が一人また一人と抗原が陰性化しています。不幸中の幸いは、今回の病棟では熱発者は最初からこの一週間で6人ほどに限定されており、抗原が陽性だった患者さん達も沢山いるにもかかわらず、実際にはその患者さん達もパルスオキシメータで酸素の低下(95%以下)が認められているのは現時点でたった一人。その一人の方も1L/minの酸素投与で少なくとも90%台は維持してくれていることが何より幸いです。

そしてその患者さんは食欲モリモリでして、大変な肥満があるという点は心配なのですが、水分も栄養もバンバン自ら摂ってくれる点でなんともありがたい限りです。まさに医療者側としては「ありがたい」の一言に尽きます。

更には一人また一人と抗原の陰性化に歩調を合わせるかのように熱もスーッと定規で直線を引いたように下がってきてくれました。

全病棟の職員と患者さんで少しでも37℃を超えたら全員まずは抗原検査をするというまさに「手段を選ばず」(選んでますが)というディフェス方法で全職員に緊張感をもたせています。更には今回の新型コロナ発生を奇貨として敷地内禁煙の逃げ道を全部潰しました。

今まで、精神科の患者さんは喫煙を行わないとストレスが~などという非科学的な言い訳を以て精神科ではいろいろと病棟内の喫煙を許していましたが、当院でも既に全面禁煙になって一年以上経過。ただし、一部の喫煙を行うダメ職員のために病院の敷地を少し外れたところで喫煙場所を設けて「逃げ道」を提供していました。

私はそれを以前から苦々しく思っていたのですが、今回それを全面的に撤去し、シャットダウンさせました。

今後は喫煙が見つかった場合にはたとえ車の中であろうと職を辞して頂く覚悟でチャレンジしてもらうこととなりました。これでやっと禁煙外来が設置できます。何事も大きなイベントが発生した時にはそれをただネガティブなものと見做さず、積極的に利用することも大変大切だろうと私は考えます。

あとは徹底的に感染拡大を阻止し、コロナを抑え込むのみです。勿論、簡単ではありませんが!

2021年5月11日火曜日

クラスタ発生

遂に勤務先の病院のある病棟で新型コロナのクラスタが発生しました。

一年前から構えに構え、周囲の大規模病院でも頻繁にクラスタが発生していたのですが、勤務先では本当に今までは表立った熱発者の集族もなく、抗原スクリーニングによる新型コロナ抗原の陽性者も出てきませんでした。しつこい位に外来、入院での検査はやっていたのですが幸いにして今までは一人も発生が確認されたことはなく、正直「運がいい」と感じていました。

しかし、四度目の大波を被った愛知県で大規模病院である私の勤務先も遂に無事という状況とは無縁になりました。

熱発者が数人同時に出たという他のドクターの一本の電話が内科の私のところに入ったあと、まずはその熱発者たちをSARS COVID19抗原検査でスクリーニングしたのですが、サンプルを垂らした所、10秒もかからずターゲット・バンドが真っ赤に出現。今までは15分経過後にうっすらとバンドが出て、PCRで確認した後に陰性と再度確認というのならあったのですが、この大量の抗原の存在を示唆するようなあっという間のバンド出現は十分に私自身の気持ちを奮い立たせるに十分でした。

非熱発者であっても同室者を直ちにスクリーニングにかけたところ、やはりかなりの確率で陽性。判ってはいたものの、心のなかでは思わず舌打ちしてしまいました。この時点で次はもう全数検査です。この病棟に出入りしていた全員、医師、看護師、ヘルパーさんも含めて懸念のある人間を全員呼び出しも含めてスクリーニング。

幸いにして、この時点では医療従事者側は誰ひとりとして陽性者はなし。ただし患者さんはそれなりの数が出てクラスタ発生の可能性がありましたので保健所に連絡を入れPCR検査も施行して抗原検査とのマッチングを行いました。

患者さんに対しても、以前から周到に準備されていた「万一の際のプロトコル」を発動させ淡々と仕事をしました。終わったのは夜の11時半過ぎ。他の病棟も熱発者は全数検査して陰性。

実はこの時の記述が数日前のブログ「やれやれの一日」の出来事だったのです。何のことなのかその時点では解らなかった方もおられたかもしれませんが、保健所での最終結果が確認されるまではそれを記述するようなことは出来ませんでしたので。

きちんとした結果が出て、標準的かつ間違いのないプロトコルが発動され、今のところは患者さん達の容態も安定していて一息ついてはいますが、もとよりこの様な事態での稼働要員として事前選抜されていた看護師の人達の協力には感謝と尊敬しかありません。

医師は勿論最前線で闘うものですが、このように自分から手を挙げて協力を申し出てくれた人達には若くかつ意欲のある人達の大量の存在が我々年長者をして感心させられたことはここにしっかりと記述しておくべきだと思いました。

これからしっかり抑え込み、収束に向け淡々と日々を過ごしていくことになるのでしょう。日々戦いです。


2021年5月10日月曜日

2回目のワクチン・ショット

Pfizerの新型コロナ・ウイルス用mRNAワクチンの2回目のショットを受けました。

私の勤める病院では既に私の前に80人以上がセカンド・ショットを済ませていたのですが、本当に人により反応は様々でした。簡単に言うと殆どの人は「何もなし」というところ。2回目ですから、何らかのアナフィラキシーのよなものが起きる可能性が少し高くなる可能性というのを少し想定していたのですが、今のところはそれはなし。

ただし、統計データ通りでして、若い人の中に多い感じで強い翌日の疲労感やショットを打った初日の夜の腕の痛さ、38度台の熱発を経験した人達がいたようです。翌日の副反応報告という形で全ての報告を見る立場にありますので、どんな感じだったかはよく解りました。

寝付けないほど辛い思いをした人も中にはいたようですが、私自身はショット後「半日」の今の時点では特に注射部位の鈍痛という初回の経験以上の出来事は起きておりません。まあ、年齢も50を超えておりますので、それほど強いものは出てこないのかもと思っております。取り敢えずは明日までは慎重に経過観察をしていくことしか出来ませんしね。

アメリカの長女の場合は2回目を打ったあとの夜以降に半日ほど辛かったとのことでしたが、私の場合には「加齢効果」によってそこまで強いものは出ないことを祈っております。w

結局のところ、当院では8割弱の職員がワクチン・ショットを受けてくれることになりましたし、実際に既に一回目のワクチンショットがそれだけ済んでいますので、それだけでも一回目ショット終了者が7割程度の免疫を獲得することになります。ですからもし外からウイルスが持ち込まれるとすれば、確率として高いのはどうしてもワクチンを打たなかった職員か開放病棟の患者さんという可能性が高まるわけですが、こればかりはオリジンを辿ることはまず不可能でしょう。

何が何でも2回目のショットを早く皆に済ませてもらっ病院の守りを固めたいところですが、もし持ち込まれたら今の段階ではショット・ゼロの高齢者の患者さん達はひとたまりもない可能性が高いのがなんとも不気味です。

政府のワクチン入手の遅さとデリバリーの拙さはきっと第二の敗戦の教訓として医学史に記録されることとなるでしょう。


2021年5月9日日曜日

新型コロナの時代の差別

医療従事者であれば、新型コロナ感染症の患者さんが院内で発生したり、院内に入院してきた時に看護や治療という形でこの新型感染症に向き合うことになります。

基本的に我々医療従事者はこういった入院患者さんの治療に対して「拒否」というスタンスは取れません。患者さんにとっては病院というのは治療のための最後の砦ですから、そこで拒否されるということは基本的にはあってはならないことです。

ところが、医療従事者も立場は同じで、向き合うと一旦決まったら難治感染症であろうが何であろうが、その対策に駆り出されることになるわけです。今回の場合は全国と言わず、全世界で同じことが起きているわけで、我々はまさに戦争の全面に兵士として押し出されるわけですが、いま日本ではその医療従事者に対するいわれなき差別と感謝が綯い交ぜになって表現されています。

マクロのレベルでは感謝、実生活のミクロのレベルでは差別というようなことがよく報道されていますが、子供が学校で差別を受けるとか、近所の店に買い物や食事に行った時にネガティブな視線や言葉を上げかけられるなどという話もちらほら。

考えてみると実に単純な話なのですが、自分の家族がそのオリジンも判らず何らかの感染症になった時にその人を助けるのは一体誰でしょうか。自分は、自分の他の家族はそういった感染症にはならないと令和のこの時代に一体誰が言い切れるのでしょうか?実に単純な話ですよね。そんな簡単なことも理解できない脳味噌の持ち主達にさえ座となったら優しく対応するのが我々医療従事者。自分で言うのもなんですが、我々は大したものです。笑

どんな波が来ようと病気に関してその波を一緒に受けて共に努力して跳ね返していくのが日常の仕事。出来ることであれば、快く仕事をさせてもらうだけでも嬉しいのですが。

周りの看護師さんたちは私に聞きます。「感染症になっても帰る家は一つ。たとえ家の中に返ってもどうやって過ごせば良いんですかね?」と。私は「リスクの高い状況になったら、家でもマスクを外さない。距離は保つ。例えば寝る時も別部屋とかね。」等と言ってあげるしかありません。いわゆる第三者としての普通の三密回避ですね。

そういった事が普通になってしまいがちな嫌な時代ですが、そのリスクの遥かに高い我々の仲間にせめて温かい言葉くらいはかけてあげてもバチは当たらんでしょう。

差別をしたその近所の看護師さんにいつ助けてもらうことになるのか誰にも近未来の事はわかりません。


2021年5月8日土曜日

頭がいいとはどういうことかと改めて考えさせられる

AmazonでMacGyverのシリーズを観ています。

このシリーズ、MITを出たお兄さんが表は財団の研究所という形の政府系の秘密組織に入って世界中の悪い連中と対峙するわけですが、その時に使われるのは武器ではなく彼の頭脳。(あとスイス・アーミーナイフもなんですけどね。)

いかなる緊急事態発生時も、手近にある日常手に入るものを組み合わせたり、道具を分解・再構成することで別のものを即興(improvision)で作り上げ、次々に難局を切り抜けてみせるのです。この能力レベルの持ち主が本当に存在するのなら物凄いことですが、実際MITレベルの人間になるとそういうハッキング能力を持つ人間は居るのではないかと考えてしまうのです。

「優れた頭脳」と一言で語っても、世の中本当にいろんな才能がありますので、全く一言どころか何語使おうと括れないものしょうが、こういった頭脳の回転速度と周囲の物事を実際の机上の知識と組み合わせる能力というのは殆どの人が実際には発揮できるほどの能力は持ってないと思います。もちろん私なんぞは遥かに縁遠い世界。

紙の上でテストとして準備期間をおいて、解ける問題として提出されたらある程度の点数は取れるかもしれませんが、やはり即興でやるなんて言うのは無理。(医師の仕事は一部これに近い世界もあるのかもしれませんが、それでも使える道具と薬が揃っていればの話。即興性よりも事前の十分な予習と準備が全てを決めるような世界です。)

彼が難局を切り抜けるときは頭の中を化学の知識と物理の計算がものすごい速度で駆け巡ります。もちろん勇気も!しかもこの役者さんが実にかっこいいのです。私は己がブサイクではあっても男優さんのかっこよさ、女優さんの美しさは十分認識できる鑑賞眼は持ち合わせていると自負しております。まあ、彼の魅せる優れた頭脳のせいで見方にバイアスが掛かっているとは思いますが。

もう一度生まれてくることができれば、危機が迫れば迫るほど冴える頭脳というのを持って生まれてみたいものです。

そんな訳で、実践レベルで賢く、かつ現場で戦えるかっこいい男の登場するこのシリーズ実に気に入っております。皆さんももしAmazonプライムに入っておられたら、一度どうぞ。


2021年5月7日金曜日

やれやれの一日

昨夜は夕方過ぎから6時間ほど病院で大変な目に遭いました。

正直全てが終わった時にはフェー(<何の効果音かは不明ですが)と言う感じで、魂の電池が切れる直前でした。病院で起きた今回の件で私が改めて理解できたのは緊急事態における対応能力とその時に出てくる力強い協力者というのは「その瞬間」までなかなか判らないということでした。

今回何が?ということを現時点ではココに書けないのは目を通してくださった方には大変申し訳無いのですが、ある程度慎重な対処を要することなので、詳細を詳らかに出来るのは後々ということになります。

しかし、当院において困った時に頼りになる人間が誰かということだけは深く胸に刻みつけることになりました。今回の件では自分が率先して全ての対応の音頭を取ったのですが、種々の連絡、助言、今後の対応等の件についてもやはりチームの一員として動けて、かつ優秀な人は限定的だな~と考えた次第です。

良いアイデアが出てくるのはやはり決まった人からでしたし、逐次実働部隊として動いた人間の数も「立ってウロウロしているだけ」等という人間を除けばやはりかなり限定的でした。今回心強かったのは若い人達が大変に有用であったことで、いい意味での驚きをもらいました。こういった事は次世代へのスムースなバトンの受け渡しという意味では大変心強い話です。

いざという時には頼りになる存在が「お互いに誰なのか」をスタッフ同士で確かめ合うことの出来た今回のインシデントでした。

淡々と次の行動をとり続ける我々のチームです。


2021年5月6日木曜日

連休とは名ばかり

ゴールデンウィークなんていうのは正直我々医師にとっては何も有り難くありません。

血液検査のデータは直ぐには出ないし、画像の撮影も滞りがち。何しろ最低限の人数で回していこうと言う感じですので当直する側にとっては緊張感が高まるばかりで、手足を縛られた状態で当直をしたりしないといけない状況ですから、逆に連休明けを待ち焦がれている感じで具合の悪い患者さんのデータ解析結果を一日千秋の思いで早くゲットしたいのです。

幸いにして我々の病院における今回の当直では大きなイベントは起きなかったのですが、これも偶々。例年いろいろなことが起きます。転倒からの骨折、脳梗塞、心筋梗塞、誤嚥性肺炎など数え上げればきりがありませんが、患者の数が多いとそれに確率を掛けるだけである一定数の患者が出ることが自然と御理解いただけるかと思います。

それにしてももっと医師や看護師の数がいると助かるのですが、、、こんな愚痴は日本中の無数の病院で誰もが呟いていることなので、言っても詮無きことですがやっぱり口の端から漏れ出してきます。w

義務感と使命感がなければこういう仕事は長続きしません。金が目当てで医者になる人間はその入口が間違ってますので…。金が欲しい方は事業を起こしてくださいね。親が医者だから、成績が良いから医学部を狙ったという方々の中の一定の割合の人は多分一生後悔する人生を送ることでしょう。

医療従事者の仕事は素晴らしい仕事です。しかしそれはやはり九時五時では済まない多くの使命を内包してるという事実を再度認識しておくべきかと思います。無論、九時五時の先生もいます。しかしそういう方々は実際の話、現場ではそれなりの先生も「多い」のです。

後時になたら何が何でも帰っちゃう先生に診察されたいですか?親を任せたいですか?というのが私からのシンプルな質問です。


2021年5月5日水曜日

長女がNYUを卒業

アッと言う間に終わってしまった長女の二番目の大学NYUでの勉学。

しかも、その半分はZoomでの授業という散々なものでした。とは言え、こういった事には大きくポジティブな面もあり、長女にとっては時間と場所を自由に使えるという素晴らしい面もあったようです。

以前にもちょこっとブログには書いたのですが、昼は全米各地を結ぶ形で上司や仲間とZoomで繋がり仕事を行い、夕方からは大学の授業をこれまたZoomで受けて課題を提出したり議論に参加したりというような21世紀のコロナ禍の時代ならではの方法で日々過ごしているようです。

そもそも、根っこの部分は面倒臭がり屋であることから、仕事にも勉学にも関係ない時間帯はグースカと寝たり、自分の好きなことに集中しているとの事でストレスゼロと言っておりまして、まことに我が家の長女らしいというか私の娘らしい日々を過ごしていたようです。

結局の所、今回のコロナ禍でも別に精神的に参ったりすることなくテキトーにJames River沿いの散歩をしたり、ちょこっとだけマーケットに買い物に出たりして居たようです。そういう意味での一人で居ることに対するガラスのような繊細さは無いようで、親としては大変心強いです。(というか実際は朝から晩まで忙しすぎて悩む暇もなかったというのが現実のようですが!)

今回、長女の卒業を改めて認識したのは長女からのメールでした。タイトルはFwd:Nice Newsというもの。

お、何がナイスなの?という感じで読み進めていくとメールの中に添付されていたのはaward noticeでした。「やるじゃん。」という感じで文章を読み進めていくと、卒業にあたって学部の中で選ばれたよ~という学部長と教授からのnoticeだったのです。

車で移動中だったのですが、信号で停車中に娘に車内からコールすると娘が出てきました。ところが、声音は全く嬉しくなさそうで、ブスくれておりました。私が「凄いね!良かったやん。」と言ったのですが、本当に嬉しくなさそうなので理由を聞くと、一言「何のキャッシュもついてな~い」と。

アホか。w

こんな感じの長女ですが、もしかしたら骨休めにこの7月に帰ってくるかもしれないとのことでした。


2021年5月4日火曜日

いよいよ名古屋の病床も逼迫してきました

新型コロナ・ウイルスの罹患者のうち、熱発等の症状のみならず次のステージに入ってきた患者さんの対応が次第に難しくなり始めています。

実臨床の世界で新型コロナに対する日常業務をハブとなる大規模な病院で淡々とこなされている諸先生方にとっては既に当然のことなのかもしれませんが、我々のように外の在宅ケア関連の仕事をやっている人間にもじわじわとかつ急速に水平線から現れてきた津波が見え始めています。

外のバイト先病院でも、コロナ陽性になった施設というのは比較的頻繁に出現していて、その施設に居ても状況が悪化していくと判断された患者さんは対応可能な施設に搬送して診察・入院・経過観察・治療等のステップに移行していただくことになるわけですが、この移送や転入院のお願いをしても、以前とは比較にならないほどに受け容れが難しくなってきている現実があります。

少し前までであれば、医療機関全体が緊張感は持ちつつも、最終的には電話をして一時間もしないうちに入院先が決まっていたのですが、コロナ対応可能な病床が急速に飽和してきているという現実のため、本来は直ちに移送して経過観察をしておきたい方が入院施設以外で待機という事になっている現実があります。

こういった事は大阪で問題視されていた頃にも名古屋では常に危機意識は持っていて、やがてはそうなるかもというかなり明確な不安を持ってはいたのですが、この連休中に既にそれが現実の黒い津波として名古屋にも押し寄せてきました。

今回の連休で恐らくは都会から田舎への新型コロナ・ウイルスの感染/持ち込みも確実に増えたと推測されますので、今まで発生していなかったような片田舎でも、家族レベルでの変異型ウイルスのクラスタリングが発生する可能性が極めて高く、田舎の大きな病院も対応件数はかなり増えるのではないかと思われます。

ワクチン接種をもっとスピードアップさせないとならないのですが、特に新規感染者の主要因となり始めている若年者たちに対する対策は殆ど月の裏側の世界の話になっている日本のお粗末な対応速度。高齢者がやっと今月の半ば過ぎくらいからボチボチ一回目が始まるのが我が名古屋という寒い世界です・・・。

私は別として、私の家族達がショットを受けるのはスムースにいって夏くらいとなるんじゃないかと危惧しています。


2021年5月3日月曜日

YouTube上の教育教材の質と量に感心

もう随分と前からネット上では(特にアメリカでは)各有名大学が争って授業内容を公開しています。

それが大学間の協調的教育教材となって種々の競争的なレベルでの内容のアップに繋がっています。以前に比べても最近は更にアクセスしやすく、かつその中身も遥かに充実しています。最初の頃は招待講演の録画内容などが中心だったのですが、あっという間にありとあらゆる分野の低レベルから超高度なレベルまでを万遍なくカバーして何時でも聴講できる授業があります。

ただし、大学の個別の授業は教授陣によって様々のようで、自分の講義内容を次々とYouTubeへアップする人も居れば、そんな事は全くしない人もいて、まさに様々といったところ。

私の場合は医学・生物学関係のレクチャーを日本語や英語で聴講することも多いのですが、正直な所、というか日本人としては残念なのですが、このエリアのレクチャーは英語で講義をされてる方のコンテンツのほうが「遥かに」解りやすく進んでいるように思います。生理現象の説明を細胞レベルから解説を始め、大変丁寧にかつ解りやすく説明してくれて、今まで知っていると思っていたことでも、再度別の視点から深く見つめ直すことで知識の固定化と深化に繋がります。本当にありがたいです。

更に最近「凄いな~」と思ったのは小中学生向けの英語や算数・数学、高校生向けの数学や物理の授業です。有名どころは結構固定化されており、この手の講義を趣味や勉強も含めて視る方々にはおなじみのサイトが幾つか固定視聴先のチャンネルとして登録されていると思うのですが、授業の進行は現行の最新の教科書の単元に沿って進んでいて、内容も初学者から勉強の進んでいる子まですべての単元を網羅しているという充実ぶり。

宿題を頑張って解くレベルの為の授業から、遥かに高い内容なんですけどその単元の内容を使って得高度な問題まで本当に素晴らしい充実ぶり。私なら塾は要らんなと思えるほどです。

私が中学や高校だった頃にこういったネット教材があればどんなに良かったかと心の底から思います。一人でシコシコと今学校で進んでいる授業に関係ない単元を遅れながらヨロヨロとやっていた自分は助かっただろうなと。

そういう意味でも、こういった教材を「視ることが出来ない」という子と「視ることが出来る子」というのは徹底的に国家の力で平等化させてほしいと思うのです。この前ここで少し書いたインチキ納入のようなことを自治体、国家のレベルできちんとコントロールしながらズンズン進め、貧しい子も富んだ子もdigital divideをなるべく無くしてほしいと考えます。

教育の機会均等は何が何でも国家のレベルで保証させることが国家の未来に直結していると信じます。理想ではなく現実にしなければなりません。

2021年5月2日日曜日

池袋暴走事故のジジイ

本当に松永さんの御家族が浮かばれないと思いました。

こういう人間が叙勲されて国家から金をもらい続けているわけですから救えない話です。勲章というのは剥ぎ取ることが出来るんですよね?

ニュースで出ていた記事を読んで、奥さんと娘さんをこのクソジジイに殺された松永さんの心中を察するに余りある暴言の数々を書き連ねた公判での発言記録文は、このジジイの狂った論理を余すところなく描き出しています。

一言でいうと本当にこんな輩に2年もかけて裁判をしているのかという感じです。実際に正当な手続きできちんとうやっているのは間違いないんでしょうが、私が松永さんなら生きているうちに爺さんを「吊るす」事ができれば、代償に自分が地獄に行ってもいいかなと感じてしまいます。しかしこの事故は法治国家日本で起きた出来事。お隣の国々のように人民裁判を開くわけにはいきません。もちろん、これでそういう刑は発生しませんが・・・。

恐らくはジジイが死んだ後に莫大な額の民事請求が家族に降り掛かって身包みを剥ぐことに全力を注ぐしか無いのではないかと思われます。しかし、そんな事で殺された松永さんの奥さんと娘さんが戻るわけでもなし。松永さんにとっては全く金などの問題ではなく、このジジイからの反省を開口一番聞きたかったはずなのですが、当然のように何もなし。

寧ろ言うに事欠くとはこの事で、記事を読むと「90歳手前になり身体的な衰えを客観的に指摘されながらも、自身では運転には問題ないと考えていたようだ。「目で見たものと、ドライブレコーダーの内容が違う」とも主張している。

もう狂人の戯言としか思えません。ほぼ自己正当化の化け物。

私思うんですけど、罰としてこのジジイの家族と親族に全員強制で裁判を傍聴させるというのもありかなというふうに考えます。もし残りの家族が普通の思考回路の人間であれば、身内の誇りと思われる、元工業技術院長の松永幸三の言い訳の一言一言が「頼むからもう止めてくれ」というレベルのPTSDを産み出す筈。それを間接的に感ずる心が残っているようであれば、ジジイも謝るのかもしれません。期待はしませんが。

しかし、このジジイには何も響きません。記事を読んでいるこちらが無念になってきます。早く正しい判決が下され、被告が存命中にきちんと履行されることを心から願っております。

本当にこんなみっともない人生の黄昏を送らないためにも、車の運転はある程度の歳で止めるのが懸命です。我々も、他山の石以て玉を攻むべしというところです。

2021年5月1日土曜日

次女の誕生プレゼント・リクエストに卒倒

数日前、次女が誕生日を迎えました。

そもそもアメリカはロックビル生まれですので、日本とは時差があって実際には日本時間の分を引いても良いのですが、それを言い出すときりがないのでアメリカ時間での誕生日を日本でも祝いました。

お祝いは蟹シャブでしたが、その前に次女に一言。「誕生プレゼント何が良い?」と聞いたところ返ってきた答えに嫌な予感がしました。w

それは・・・「インプラントのお金を3/4出してくれる?」というもの。ドッヒャーという感じで眼前暗黒感を伴いながら値段を聞きました。内心では恐る恐るだったのですが、取り敢えず普通に聞いてみたところ、「33万から35万って聞いている」との返答。4で割って3を掛ければほぼ25万円!!

「こんな高い誕生プレゼントって無いよ!普通は~」と一言いいながらも出すことに決定。お父さんの財布的には大失敗ですが、娘にとっては作戦勝ちというところでしょう。私としてはもともと考えていたのは新しく出たiPadProのようなものを大学の授業用に送ってやろうかなと思っていたのですが、遥かに高くついてしまいました。

アメリカだったらインプラントには保険がつきますから大学で何本かやってもこんなにはかからなかった覚えがあるんですが、日本ではインプラントは保険適応がありません。(多分歯科医師会が弱いんでしょうね。)そういう意味では自費診療、自由診療の世界ですから値段は言い値ですし。

やっぱりこういうのは事前に準備しておかないと、まともでない娘の前では、忖度・遠慮などという言葉をうっすらとでも期待した私が馬鹿でした!22年前のあの日あの時に嫁さんのお股から生まれた瞬間を今でも昨日のように覚えていますが、大きく健康に育ってくれたことを天に感謝せねばなりますまい。

それはそれとして、次女はお父さんに感謝し給え。w