対馬から福岡に向かって高齢者の女性を運んでいた6人乗りのドクター・ヘリが壱岐沖で墜落し、患者さんとその息子さんと前途有望な30代の若手医師・荒川渓先生が亡くなられたというのです。
既に脳外科専門医も持っていたとの事で、カテが上手な先生だと別のニュース・ソースには書いてありました。趣味には水泳とも書いてありましたので、今回の事故ではこのような水泳が得意な人物でさえ亡くなられるような状況であったという事なのですから、如何なる状況でも助からないような位置に座っておられたのでしょうか。それとも患者さん達を助けようとして…。
このような、まさに今から未来に大きく羽ばたき無数の患者さん達を救う筈の有為の人材であった先生が、このような形で亡くなられた事は真に地域医療にとっても大きな損失であり、衝撃の大きさは全国の医師のフォーラムに大量の投稿を生み出しています。
このヘリの運営会社は昨年の7月にも死亡事故を起こしていた為に、一旦運行契約を見合わせていたとの事なのですが、安全との報告を受けて再開していた状態だった様です。
今回の件を受けて県の方では全てのドクターヘルの再点検を行ったとの事ですが、離島医療圏を含めた全国のドクター・ヘリは今日も運行を止める事は無いのです。特に長崎のような大量の離島が存在するエリアにおいてはドクター・ヘリや漁船などの存在が住民達の命綱なのです。
私も長崎に居た頃、国立病院経由で仕事をしたりしていましたが、雨のザーザー降る夜の暗闇の中を脳梗塞疑いの女性をピックアップするために漁船を出して貰って漁師さんと看護師さんと小さなポンポン漁船に乗って迎えに行った思い出もありますし、脳外の同級生からオペの予定が入っているので「お前が代わりに行ってくれんか?」と頼まれたこともありました。(その時はギリギリのところで彼自身が行ってくれましたが)
今回の事があっても決して消える事はないヘリによる急患の搬送。
既に多くの患者さんを救ってきた、そしてこれから更に多くの患者さん達の命をは救うはずだった若き荒川先生の命が消えた事に、同じ大学を出た輝ける後輩の命が消えた事には衝撃しかありません。カネではない、モノではない、まさに還る事の無い命が失われたことに痛恨という想いしか浮かばないのです。
運ばれていた患者さんとその息子さんも荒川先生に付き添われ、出なくても良かった旅に共に発ってしまいました。心の底からお悔やみ申し上げます。合掌。
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