2025年4月19日土曜日

中国を舐めてはいけない

カネとヒトと頭脳が集まれば人間の「想像したモノ」というのは遅かれ早かれ実体化してしまいます。

古くは火の獲得から始まって、青銅器・鉄器の製造、ピラミッド、火薬、鉄砲、印刷機、自動車、飛行機、ロケット、原爆、原子炉、コンピュータ、集積回路、そして最近はAIや高性能の人型ロボットまでもが目の前で使われるようになり始めました。

実際の所、驚くべき事に今はやりのEVの原理などは自動車の発明とほぼ同時に考えつかれていて、単純に周辺技術、特に制御系とバッテリーと充電インフラがとことん「あるべき理想」に追いついていなかったので売り物として成立していなかっただけで、隣の赤い国の様に財務状況は悲惨なままでも、国の後押しが恐ろしくあってこの20年ほどの間に得た国外企業との合弁事業で得た技術力を生かして造られたボディーにバッテリーを押し込んでパワーを上げるというシンプルなやり方で、内燃機関ではとても時間がかかったであろうその「技術力の差」をあっと言う間に詰めてきました。

これからの中国は人口の減少、不動産を起爆点とした債務の拡大、政府の機能不全などを始めとしたまさにありとあらゆる意味での多難な前途が待ち受けていますが、恐らく知恵ある人々はバカな指導部とは別に有機的に動いて自己修復を行い始める様な気もします。

中国の力を見誤って行けない点はシンプルで、それはきちんとした教育を受けている人口が多いという事。無論政府のプロパガンダを頭から信じている人間など実際はいない筈で、プロパガンダを撒き散らしている側もそれを解った上で撒き散らしている事を理解しなければなりません。

日本と比べて10倍人口が多いという事は馬鹿も十倍いて賢者も十倍居るという事です。その10倍の賢者が必死で考えて作ってくるシステムは金のかかったものである事を忘れてはいけません!政府の肝入り政策に乗っかった製作物ですから、実際のところ技術的な進歩はバッテリーを含めて長足の進歩を遂げているはずで、うかうかしていると今のアメリカが「日本は俺達から技術を奪って今の自動車大国を作った」と言っているような事を日本がこれから中国に対して言う時代が来るのかもしれません。

内情を知っている人はいろいろと本などで回顧録としてきている方も居ますが、日本も自動車産業の成長過程では大いにアメリカの技術をコピーしまくっているのは知っている人は誰もが知っている議論するまでも無いほどの事。

中国が成長途上で恥も外聞もなく低性能ではあるものの、外見はほぼXX社のYY車みたいな完全コピーレベルの贋作車を作っていた時代は既にかなり遠くなり、今は生き残ったBYDなどがかなり独自のデザインで性能自体もテスラを蒼褪めさせる様なものを作り始めています。辿った道は昔何処かの国でも見られた光景ではないでしょうか。

無論、勝負はこれからも二転三転するでしょうし、そもそも電気自動車のエネルギーの元はクリーンに作られているのか等の突っ込みどころは満載ですが、それでも何時までもバカにしているような事をしていると足元をサクッとすくわれぞという事を忘れないようにしないといけないと思います。

車、原子炉、AI。どの分野もこれからは更に厳しい戦闘が始まる訳ですが、人の減り続ける日本がどれほどその戦いに伍していけるのか。ちょっと心配です。

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