2020年5月31日日曜日

アメリカの底力はやっぱり侮れん

遂に民間の企業が有人の宇宙船で人を宇宙ステーションに運ぶ時代となりました。

1961年のソビエト連邦からの度胸一発レベルのガガーリンの有人飛行も既に半世紀以上経過。途中で人が亡くなる事故等も発生しながらも、周辺技術は淡々と淡々と進歩しながら同じことを遥かに安く、そして更に凄いことをより簡単にできる時代になってきました。
コクピット一つとってみても、以下のように変化。

上からアポロ>スペースシャトル>ドラゴンだと思うんですけど、本当にモジュール化の進歩が凄い。結局の所、イーロン・マスクの思想がそのままロケットになっている感じです。
こうやって見ると安くあげるためには部品を減らして制御技術はソフトウェアで行っていく方向にするのが正解だという誰もが思っていても誰にも出来なかったことを一歩も二歩も先を行く形で勝ち取ったんですね。

一番上のアポロのものは間違いなく特別な訓練を徹底的に受けた人間が乗り込む専用の怪物マシンという感じですけど、一番下のドラゴンなんかは今どきのゲーセンのほうがよっぽど凄いモニタを使ってるんじゃないかというレベルのもの。

しかし、やっていることは段違いに複雑高度で、ロケットブースターの回収まで自動でランディングポイントにピタリと還ってくるんですから本当に10年前でさえSFの世界のものが目の前で起きているわけです。
言うだけでなく、それを形にしていくマスクという男はもう何と言うか何もかもそこら辺の人間とは桁違いに有能で、畏怖さえ覚えてしまいます。ときどき薬でラリって変な発言するし、やってることの多くが結構ギリギリで、破滅寸前の状態一歩前からカムバックして盛り返したことも何度もあったようですが、結局「持っている男」は運もきちんと味方に付ける努力を忘れていないのでしょう。

マスクがいつもギリギリで回避して前に事業を進める力は、結局の所マスクの才能と努力が普通の人間なら簡単に押しつぶされるような不安と迫りくる現実を押しのけている実力。
同じ地球に生まれた同時代の人間として、その実力に尊敬しかありません。

南アフリカ移民のマスクをここまで育んだアメリカという国家の素地は(バカ大統領が居るとは言え)まだまだ未知の栄養を含んだ土壌が眠っているのではないかと思うんです。


2020年5月30日土曜日

俺のくじ運の無さときたら・・・

バカかと思われるかも知れませんが(馬鹿である自覚は最近とみに深くなって入るのですが・・・)、あえてこんな事を最近頑張ったということを一つ。

実はサントリーで二月ほど前だったかな?キャンペーンをしているのに気づきました。
最初は当直のときに買ってきたサントリーの飲料「なっちゃん」のボトルにドラえもんの顔の描かれたオレンジ色のステッカーが貼ってあったのに気づいた事が全ての始まりでした。

何気にサントリーのHPで調べてみると、そのキャンペーンでドラえもんの皿が当たるというようなことが書いてありました。我が家の息子の好きなものと言えば、上から順にANAの飛行機、トーマス、ドラえもん、ミッフィー、アムトラックという感じですので、このファンシーな絵柄の描かれた皿をゲットしない手はありません。
いかにも子供が喜びそう!
幸いにしてスティッカーの貼ってあることに気づいたのはキャンペーンのかなり早い段階でしたので、特に飲みたくもないサントリーの飲み物を買ってはコツコツと、文字通りコツコツとスティッカーのマークを切り抜いて集めていきました。

54歳のおっさんが我が家の自閉症の息子の為にコツコツとシールを集めるわけですが、収集途中で病院のリネンのおばさんにその事を話すと「まかしとき!」と言って数日後には30枚ほどのスティッカーを持ってきてくれたのです。これ、多分間違いなくおばちゃんの手出し。おばちゃんは病院全体のゴミの収集の責任者でもあるので、時々恐ろし数のパンに貼ってあるキャンペーンステッカーを集めたりすることもあるのですが、それにしてもこれは無いと言うほどの速度。(これは後で箱買いの暑中見舞い飲料を送り返すことに決定しております!)

なんにせよ、このおじさんの息子向けのスティッカー集めのことを知った看護師さん達がわざとこのキャンペーンに該当するスティッカーの有る伊右衛門や麦茶を飲んでくれたりしたのが何よりも嬉しくて泣けました。

結局、私だけではせいぜい箱買いした伊右衛門も含めて40枚くらいしか集められなかったのですが、皆のアツい協力のおかげで、なんと4枚セットの皿を二種類とも集められる数が揃いました。最終日までに92枚まで集まったのですが、最後の四枚は何とも足らず二件の店を廻ってまだこのキャンペーンスティッカーの貼ってある伊右衛門を探し出して96枚に揃えて夜の名東区中央郵便局から送り出しました。
今回の要点は「絶対もらえる」というキャッチフレーズ!実は20年以上前、サントリーのCCレモンでCCレモン型の缶詰の形をしたラジオが「当たる」キャンペーンというのがあったのですが、体型が変わるほどCCレモンを飲んでハガキを送ったのに全くカスリもせず、当時通っていた歯医者の歯科助手のお姉さんに何気なくその話をしたところ「あれ?私一枚送って当たりましたけど?」と言われて、この手の懸賞における己の実力、くじ運の無さに涙したものでした。

それ以来の懸賞チャレンジ。「絶対もらえる」というキャッチフレーズを信じて、サントリーに96枚のスティッカーを送付したのでした。
果たして来るのか!?いや来いよ!来んかったらサントリーはウイスキーも含めてもう一生飲まんぞ!w

今回のキャンペーンで図らずも気づいたこと。「伊右衛門はうまい!」ということでした。サントリーの作戦勝ちだと思いますが、しっかりそれに乗っかってみたというお話でした。


2020年5月29日金曜日

長女の未来もコロナ禍に巻き込まれる

今、DCに身を寄せている長女も次のステップを考える時期が来ているようです。

次女と違って、というか年齢なりなのだと思うのですが、今ではすっかり大人としての信頼できる自律的行動が取れる様になっている長女。私も厚い信頼を寄せています。心のなかで長女の行為に関して思うのは「あいつが出来ると考えるのなら間違いないだろうし、出来ないというのなら出来ないのだろう」という位の固い信頼です。

その長女がLINEとは違う更に暗号化の進んだSNSシステムで時々連絡を入れてくるのですが、これから先の一年前後の己の身の処し方をどうするのか伝えて来ました。
結論から言うと、友達のいるリッチモンドに移動して月600ドルのシェア・ハウスで生活して大学院を卒業しようというものみたいです。実際、今のような仕事と授業形態であれば、ネット環境下に居ることのみが条件であって、南極にいようと日本にいようと何でも同じように出来るわけですから賃料の安い所に住むのは正解なわけです。

おまけにNYで行われるはずだったインターンシップもサスペンデッド・・・。全くもって娘にして見れば踏んだり蹴ったりというのはこのことでしょうね。しかし、状況は他の人々にとっても全く同じ。文句を言っていても仕方ありません。生活費を安くあげるというのはいくつになっても人生の重要な課題です。w

さて、長女のボーイフレンドのお婆さんもコロナで亡くなられたとの事。更に、既に治癒しているとは言うものの、彼の叔母さんとその娘さんもコロナに罹患したという事でした。私の周囲では、幸いにして少なくとも私自身が顔を知っている人間はどなたもコロナには罹患しておりません。

そう言った事を知ると、如何にコロナ・ウイルスというものが米国においては身近なものなのかということを間接的に感じざるを得ません。

まだ確定的な病理学的検査の論文を読んでいないので何とも言えないのですが、コロナ・ウイルスが血管病変を惹起する可能性があるとの報告があり、コロナ感染自体から回復してもそれによって受けたダメージで健康を回復したと思った後に血管性病変で表立った疾患を得る可能性というのが有るようです。

まだまだわからないことだらけのこの疾患ですが、アメリカにいる娘達がコロナにダメージを受ける事なく過ごしてさえくれればそれで先ずは満足です。


2020年5月28日木曜日

アメリカのヒトラー

トランプは病人。

心の病をもった権力者です。(それにすり寄る為に金のゴルフクラブを持って世界に先駆けいそいそとアメリカくんだりまで行ってその病人にすり寄っていったどっかの国のボンクラ宰相もいましたが。アレは実に情けなかった・・・。)

第一次世界大戦後のドイツにヒトラーが登場したとき、その対極にいた人達が目にしていたのはまさに今のトランプが行っているメディアコントロールの手法そのものなんだろうと感じます。

良識ある人達の言葉はかき消され、その権力者に敵対するものは「国家の敵」と言うレッテルを貼られ、暴力的な傾向を持ったシステムの中の一群のマシンとして動く人間達に付け狙われるという世界。今では黒人であることで過剰な装備を持った自警団のようなマインドを持つクソ警官に、捜査も受けず逮捕されその場で抑えつけられ殺される。

当時のドイツでは黒人という部分がユダヤ人やロマだったのですが、今アメリカではそれが黒人やマイノリティになっているだけ。国家の最高指導者が愚かな輩を煽る時に使った道具は当時はラジオ、今それがツイッターに代わっただけです。

どんな平和な時代にも、失業者や愚かな田舎者を煽り、その愚か者共の共通項を良く知った上で、その連中が描く共通のヘイトの対象が何かを良く知った上で敵を作っては自分の都合の悪い事を全てその仮想敵の所為にする・・・。

まこと時代は変わっても、人の愚かさと愚者の王の有り様は何も何も本当に全く変わらない。そのコピーの精度の高さに驚くばかりです。
まともな人間なら、誰が見てもこのアメリカの最高指導者は闇を抱えた狂人なんですけれど、それによりによって大統領というお墨付きを当ててしまうことによって本当にいろいろな面でアメリカの様相が暗くなっています。

憲法も変えられるし、どんな州知事命令もリバート出来ると考えている、なんにも知らない勉強しない自我の肥大した瘋癲老人。客観的に見て哀れではあるのですが、残念なことに権力は有る。その狂人が核の発射ボタンをアクティベートさせることが出来る権限を持っていることの恐ろしさは本当にブラックジョークの中でも最大級の恐ろしさです。


2020年5月27日水曜日

老いたり病を得た後の人生の終わり方を考えておくべき

今現在、自分の患者さんになる人達はやはり自分の両親と同じ様な年齢の人達が多いです。

認知能力の低下の度合いも体力などの低下の度合いも人それぞれ。まさに1000人いれば1000人の異なった老後が有るわけです。ヒトを裸にしたときには最初に書いたように知力と体力の差がまずは考慮の対象なわけですが、実際にここにはその人の財力と家族との関係性という要素が深く大きく噛み込んできます。金があるから幸せな最後ではないというのも沢山見てきました。なんとなくそこそこっていうのが一番良いみたいです。金無くて葬式あげたい人物が葬式を出来ないのも寂しいし、人生の最後に誰もいないのもちょっと寂し目でしょうか。

しかし、やはり齢80を超えてくると本当に一年一年がその人の外見と中身をともに大きく変えていくのが手に取るように判ります。そんな年齢の人達が病院に入院しては退院していく毎日ですから50代の人なんかが入院してくると「若いな」なんて言う事になるんです。

若い人達の入院の場合は多くが交通事故後とか脳血管疾患によるリハや寝たきり状態、癌の末期の看取りや次のオペまでの待機などに利用される事が多いですね。

私の老親は寅年生まれ。今年二人共誕生日を迎えて82歳になりますが、己の死に様は二人共既に決めていて、結論はシンプル。要するに「何もしない」というものです。もし事故とかに遭っても生命維持装置は装着厳禁。胃瘻やNGチューブなども不要。多分高カロリー輸液も拒否なんでしょうな。それでも、私は点滴一、二本だけは毎日してあげようかなと思っています。急速に水を完全に切る、もしくは栄養ゼロの水だけの最後というのは本人にとってかなりの「痛み」(自殺した人によると本当に痛いらしいのです。)を伴うらしいので・・・。

その逆も実は同じで、万一私に将来に回復の見込みがないような状態になったり疾患を得たときにはやはりスイッチを切らなければならないような装置は装着してはいけないと言ってあります。いわゆる相互互恵の形式とっでも言うべきでしょうか。
おまけに私自身は戒名不要、葬式不要。速攻で骨を焼いてもらって、そこらあたりにコッソリわからんように撒き散らしてもらって、木の栄養にでもなって再び花と散るのがイイですね。焼き固めてもらって娘たちのサイコロキーホルダーとなるのもありですが。w

老いも病も死の形も皆それぞれ。一人として同じ死などこの世にありません。老いと死を子供達に見せて死んでいくのも子供達への立派な教育。

死ぬからには「お父さん・・・w」と涙の中にやっぱダメオヤジらしさを滲ませた最後を見せて笑いを取りたいものです。


2020年5月26日火曜日

やっぱり学歴詐称している都知事なのか?それとも本物?

小池さん、昔から酷いアラビア語だとアラビア語のネイティブから指摘を受けておりました。

それでもカイロ大学主席卒業なんだとか。酷いアラビア語を読み書きする主席・・・。カイロ大ってイメージ上も実質も中東圏の一流大学ですぞ???

さて、学歴詐称と言えば立派な立派な公職選挙法違反。判明した時点で即失格ですし警察沙汰です。なんてったって「詐欺」ですからね~。自称することで何でも好きなポジションを狙い放題。時間とお金と多大な労力を費やして皆が必死で上ろうとする階段をニセの紙切れ一枚、または一筆その事を履歴書に書くだけでワープするわけですから。

以前、役所である仕事を得るために学歴をわざと高卒にしなければならなかった男性が強制的にクビになった例があり、その事自体は以前このブログにも書きましたが、下向きにダウングレードさせた学歴でさえ学歴詐称としてクビが飛ぶわけです。況や世間に無数に転がる「上向き」の学歴詐称は普通に更に悪質な犯罪ではないでしょうか。

今回、文春砲がピタリと狙いを定めたのはご存知「小池都知事」。果たして今回の記事は本物かそれとも謝罪に追い込まれる類のものなのか。

この人以前からメチャクチャ胡散臭い学歴だとしてあちこちから叩かれていたのですが、結局はっきりしたものは何も示せないまま他のクズ候補との戦いの中で知名度だけで勝ち上がりました。結局、明示的に何も示せないままのインチキではないかと言われ続け、悪魔の証明的に証明できない事を証明せよみたいな感じになったまま時間だけが経ち、築地市場の件でも何も言ったことを実行できないまま、地下鉄の混雑解消のとんでもアイデアも無論ガン無視されたまま何も実現できず。

コロナ対策におけるボンクラ宰相との比較論に於いてのみ「誰でも出来る普通のこと」をテレビの前で言っただけであたかも有能であるかのようなマスゴミの祭り上げにあっていますけれど、私にしてみれば鼻白むおもいです。何が起きようと学歴詐称が判明した時点で全てアウト。

アラビア語圏での大学卒ということで、日本人には馴染みのない世界であることからなかなか調査が及ばないのを良いことにまさにやりたい放題ですが、知っている人は知っているんではないでしょうかね。白黒はもうついて実際に白と言われているようですが、諜報機関というのは驚くべきレベルの捜査能力を持っているでしょうから、申し訳ないけれども学歴詐称でいろいろな機関のトップにそういうヒトが就かれるとブラック・メイル(脅迫)の対象になるわけで、それをネタにトップを強請ることで政府機関や会社等が巨大な不利益をばら撒くことも普通にあると考えっれますので、これだけは避けたい。

今回の文春砲はかなり微細を穿っている報告みたいで、そのソースが当時の日本人学友っていうのがイイですね。実に楽しみ。しかし、こればかりは怪しい点も。もともと無能有名な方々が連綿とツラを並べる近年の都知事選ですが、このタイミングで更にこういうネタがばらまかれるのはきっといろいろな大人の黒い事情が有るんでしょうな。

実際の話、この点を逆にプレジデントオンラインは文春を反対に叩いており、小池さんの卒業に関してはカイロ大学が「本当」とお墨付きを与えているとのこと。結局ソースとなった石井さんという人物の情報が恣意的に使われているとのことでやっぱり選挙前の「いつものイメージ落とし」という結論みたいです。

しかし小池さんには悪いんですけど、学歴がどうかという前にカイロ大学主席卒業とかいう触れ込みでこの程度の実務能力というのなら、エジプトに申し訳ない。

白なら白と全てを綺麗に粉砕する文書を堂々と額の中に入れて都知事室に飾っとけって話。チラ見せするようなもんじゃないでしょ。しかしプレジデントによるとこの疑惑の卒業証書にいろいろつけられたアヤも実はそれほどう熱川市鋳物ではないとのことなんだそうな。正直何が何だかようわからんところです。俺は自分の大学の卒業証書と医師免許はどこにでも出せます、とは言ってもアメリカ人の医者のようにディプロマを壁に飾るのは個人的には趣味じゃないからあんま小池さんのことを言えませんが、騒がれたら見せりゃ良い。ディプロマ・ミル製のクズ証書じゃあるまいし。

医者の場合、自称した学歴が詐称だったら患者さんはどうなりますかね?死んでも死にきれませんよね。時々逮捕案件が流れる偽医者のはなしもありますが、都民の問題は正しく選ばれた正しい知事が正しい治療法で解決するべきではないでしょうか。学歴云々を言われる前に結果は出しましょうって話に帰着するところがメトロ東京のガバナーに対する毎度のオチになってます。(鈴木、青島、その他有象無象の皆さんも結局能吏が粛々と敷くレールの上を走るだけで、変わってたのは暴言キングの石原さんくらいか?それも最後は結局裸の王様みたいになってましたが。)





2020年5月25日月曜日

仕事の量の多さにも程が有る

同僚の先生がお辞めになって未だ直ぐですが、忙しい事この上なし。

転職にあたって少しづつ少しづつ患者さんを私の方に引き継ぎながら今日を迎えてはいたのですが、外来と更に別の病棟の内科系の実技を任せられてからは、もう一日中電話が鳴り続けて仕事に切れ間がないような状況。

それでも私の主義的には仕事はキッチリと5時には仕上げて終わらせるようにと最大限にエンジンを回し続けるのですが、そこは病院の仕事。突発的にスケジュールになかったような事が当然のように次から次へと入ってきます。ですから、その仕事の入り具合に合わせてギアを変えていかないことには5時から分単位で長針が走り去っていくことになります。

それでも看護師さん達にとっては「自分達は先生が来るのを待っていた」という事になるので、究極のレベルで優先順位をつけてローリングするように各病棟を廻っていかなければ仕事は進みません。

ですから、逆に言うと物凄く効率的に仕事をすることが求められるわけで「自分の限界だめし」みたいになっています。アメリカから帰ってきて病院で再び仕事をし始めてからも基本的に昼休みというものは取らない人間だったので、途中に休みが入らないのは別に何とも無いのですが、密度が高くなっているのはかなりキツイですね。

今まではどんなに遅くとも5時10分程度には終わらせていた仕事が5時半過ぎてしまったりなんて言うことが増えてきているので、更に効率を考えた仕事をとは思っているんですが、これには看護師さん達の協力も不可欠。一日の早い段階で本日の仕事の概要を出してもらって、頭の中で本日の踏むべきステップをササッと組み立てるという事を更に早めるしかありませんね。

逆に言えば余計な仕事を削って・・・となるのですが、今の医者の仕事というのは本当に「ペーパーワーク」が多くて大変です。アメリカのように医者にスクライバー(医学部を目指す学生や医学部の学生で医師の仕事を身近に学ぼうとして医者と一緒に仕事をしながら種々の書類仕事などを片付けてくれるアシスタント)が付くような人が居れば最高なのですが。

効率化を求めすぎて、本来私が大好きな患者さん達との触れ合いの時間が減ってしまうことのないように可能なプランを熟考していくことにしていきますか・・・。

多くの人達に頼られるのも充実感という意味ではいいけれど、院長に言ってもう少し医者を増やしてもらいたいところです。実際には医師の応募もちょくちょくあるんですが、この人選というのが本当に難しくて「人選び」というのはそう簡単ではありません。医者というのは実際のところ癖が強かったり、癖を通り越して「おかしい」というような人も多くて、変なこだわりやプライドを押し付けてくる人も少なくなくて、現場で多くのことにぶち当たりながら仕事をする野戦病院向きの人はそう多くもなさそうなんです。

特に今のような「単能的専門家」が増えている時代では「私、これはバッチシなんですけれどこれは見たこともやったこと無いんです。」という様な人もかなり居て、そこは本当に難しい。時間をかけて良い人を探すしかありませんね。はー。


2020年5月24日日曜日

賭博検事長!

既に枯れた話題となってきましたが、東京高等検察庁のオジサンが驚くようなネタで辞任しちゃいましたよね。

個人的には残念。w

これほど世間に弄ばれて、外野に弄り回されて男としての面目と信頼を「全て」失って、外を歩けば後ろ指を指される存在としなる代わりに7000万とも言われるその代価としては小さすぎる退職金を抱えて退職することとなりました。

正直なところこの訓告処分、前例を作るという意味では物凄い悪例を作ってしまったわけでして、スマートな洞察と行動で有名になっている千葉市長の熊谷さんがツイッターで呟いていたことが全てだと思います。

要するに「賭博の敷居」というものが設定されてしまって、たとえテンピンで常習的に麻雀していても訓告以上の処分は受けないというお墨付きを行政の全てのトップたる総理が与えたような形の解決になっていることですよね。これで、自治体の長が賭博で職員を譴責しようとしても反訴される時にへんてこりんな言質を与えてしまった可能性が高まってしまってます。

この微妙なバランスを要求される時期にガサ入れ機関の長たる人間ががさを入れられる前に退職金ゲット状態で緊急脱出とか誰が見ても全くもってみっともねえです。
脇が甘いというのを絵に描いたらこんな感じになるというのをまさに地で行った黒川さん。これだけで終わればまだいいのでしょうが、麻雀やってたというメンツがまた大笑い。そもそも、検察の立ち位置とは本来対岸に座っているはずの新聞記者(朝日、産経等)が前々から仲良しメンツとして始終麻雀牌を摘んでいたっていうんですから、何をかいわんや。
これじゃあ、厳しく流すべき報道に報道する側が手加減を加える可能性を「誰も」否定できないですよね。

記者クラブとか消えろ!というか無くせ。ほんとに。

昭和の昔からかけ麻雀は普通にありましたが、時代が変わってポリティカル・コレクトネスが要求されるようになっている事を理解できていない人はこれからも文春や新潮に撃墜され続けることでしょう。もうこうなってくると、ボンクラ宰相の命運なんて言うのは誰も言及すらしないレベルにまで墜ちちゃって、進退伺も突き返されたオドオド顔の森まさこさんとともに消えていくことが決まってしまいました。手短すぎてこちら側は消化不足。w

まさに「昭和は遠くなりにけり」・・・です。


2020年5月23日土曜日

「南極料理人」はイイ!

アマゾン・プライムの南極料理人を観ました。

実はTV版の南極料理人も既に一ヶ月ほど前に観ていたので、アマゾンに映画版というのが有ることを知って観てみました。結論から言うとどちらも私には「素晴らしい!」作品だと思えました。

この作品、海上保安庁に所属した西村淳さん(作品中でも料理人として登場する海保の元主計士)の本が元ネタになっているようです。そもそも主計士ってなんだ?と思って海上保安庁のHPで調べてみると主計士のコースの説明では「船舶運航システム課程の中で主として、巡視船艇等において経理や調理を担当する海上保安官を養成するコースです。総務、経理補給、船舶衛生、調理技術等を中心に、海上保安業務に必要な各種法律、語学などを学ぶことで幅広い知識・技能を修得し、武道などにより体力も練成します。将来は、巡視船の主計士や主計長になることも出来ます。卒業後、必要な乗船履歴を満たせば、船舶料理士の免状を取得できます。」となっています。だから調理担当で行ったんですね!

南極の、しかも昭和基地やみずほ基地などの我々が時に目にする基地から更に1000km内陸側に有る3800mの高地にあるドームふじ基地でのお話。夏の間だけ短期間ここに移動しての観測等が行われると書いてあるのですが、ある年の年平均気温-54℃、最低気温に至っては-80℃程になるという人間にとっては通常まさに即死クラスの場所。裸で外に居たら分単位で逝きそうです。

全く知らなかったのですが、ここと昭和基地以外にも「みずほ基地」と「あすか基地」というのが今はあるんですね。みずほ基地はなんだか聞いたような覚えがあるんですが、あすか基地は全く知りませんでした。(現在はともに有人基地としては使用されていないようです。)それにしても、南極には21世紀の今、驚くほどの数の各国の基地が有るんですね~。
この「南極」という未知の世界のことをネット上で調べ始めると次から次に際限のない子引き孫引き状態になってしまいあっという間に二時間ほど経ってしまったのですが、とりあえずもとの話へ強引に戻ることにします。w

何が面白かったかは観ていただいてから、もしくは原作を読んでいただいてからということで詳しくは書きませんが、アクの強いおっさん達の極地観測基地という特殊な条件下での一種異様なテンションやストーリー展開が「もし、俺自身がここに行ったらどう振る舞う?」というただ一点において脳内で極端に増幅され、物凄くたのしめました。

特に、自分の場合はもっと若ければ医務官として行ける可能性があった訳で、こんな異常な環境下で濃い仲間と一年間、俗世の由無し事全てを忘れて過ごすのも「絶対にアリやな~」と一人ニヤニヤです。
とは言え、昔アメリカのGordon Research Conferenceで行われたミーティングの会場となったユタのsnow bird(2300m前後)で、腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全症(当時は気づいていなかった)を患った状態で呼吸苦と鼻出血で死にかけた私にしてみれば、3800mの極寒かつ空気の薄い極地で一ヶ月過ごすなんて言うのはそもそも無理の三乗なんですけどもね・・・でも今は機能不全ないのでイイかも!いや今度は年齢がダメだな。w

人の行かないところでオッサン同士がワイワイガヤガヤ、夫々のスペシャルティを持ち寄って研究しつつ過ごすなんていうのは少年時代のキャンプの延長みたいで何だか良いですな~。給料なんか1円も要らんから基地で仕事してみたいですわ。


2020年5月22日金曜日

東京オリンピックの開催はまずムリでしょう

甲子園の夏の大会も、春に続いて開催中止が決定されました。

これに関して考えを巡らすのはやはりこの時に向けて頑張ってきた多くの球児たちの無念。私自身は野球はからっきしダメで、観客としてせいぜいアメリカに居た頃イチローや松井、カル・リプケンなどをボルチモア球場に観に行ったくらい。

それでも、野球である一定レベル以上のスキルを持った人達が運動音痴の私からみると異常なレベルの運動能力の持ち主だとしか考えられないのも個人的には事実。プロどころか、甲子園に来るような球児たちの多くは草野球レベルでは4番でピッチャーみたいなのが中学に来てさらにポジションを固めてそこでもやっぱり4番でピッチャーみたいなのが結構な割合で強豪校と言われるところに行って、大量にいる野球部員の中でレギュラーポジションをとってそこで更に勝ち残った連中や予選でスカウトの目にとまったような連中が大学、社会人、プロで競り合って・・・となってより少数精鋭の一軍選手となるわけですから、テレビで見ているようなプロ野球選手達のプレーなんて言うのは「何気ないプレー」でも、素人達にすればとんでもないハイレベルな訳です。

しかし、そこに至る途上の大切な大切なステップである三年生での甲子園大会に出場できない学生達は本当に可哀想です。10代のスポーツ選手に限らず、精神的な成長においても10代の人間の1年1年の成長と変化というのは物凄いものですから、17歳までのA君と18歳のA君では何らかの競技においてまるで別人のように変わった!なんていうのは普通にあることでしょうから、そこを見せられないのは選手サイドのみならず、球界にとっても大きな損失ですよね。

もしかして、ここに宝物が埋もれていたのかも知れないと思うと?でも、プロのスカウトにしてみればもう既に逸材には県大会までで目をつけていて、その肩を浪費したり怪我をしない分だけそっくりそのままプロに来て欲しいとか言うのが有るのかも知れませんね。

さて、日本ではこうやって沢山の日本の有名無名のスポーツや文化のイベントが中止の憂き目にあっているわけですが、やはり話変わってというかその延長線上に有る「あの」イベント。世界のスポーツの祭典オリンピックはどうかと言うとこれも一年後ではまずムリだと思ってます。

そもそも今回のコロナ禍が世界をぐるりと巡って何回「波」が来るのか予想もつかないのが現状。更には今回の治療薬がどれほどの展開を見せるのかも全く目処がつかない時点で来年の夏には開催できると考えるほうがおかしいと私は思います。

たとえ素晴らしいワクチンが出来たとしても、それが安全に打てるものだと確認できるまでにやはり最短で一年はかかるでしょうから、世界の超一流企業と大学の最高の頭脳と機器が今必死に作ったとしてもチャレンジ的な投与でしかまずは使用できないでしょうし、それを数億本レベルで準備できるかという問題もあります。

また、日本に来る外国人客のそれぞれの国家のウイルスに対する戦略が異なる以上、持ち込まれるリスクも全く異なるはず。先進国で近未来に標準となるであろう戦略が普遍的に世界でも使われていると推認するのは全く愚かな話でしょうから。

事実、ブラジルのような中進国でさえも、大統領がアレで、いま国家レベルで起きていることはこれまたご存知の悲惨な拡散。こんな国もあるわけですから、地球のほうぼうからあらゆる人々がゴッソリやって来る事を考慮しないといけない訳です。

さて、この状況で果たして誰が責任をその口に出して「安心してください」と言い切れるのでしょうか。四年先にまるまる延長してコロナの収束や対策が万全になってからというのなら話は未だわかるのですが、今の段階では何とも・・・。

オリンピックの名の下に拙速な選択が為されて人が大量に死ぬ様なことがないように願いたいものです。無論、それまでに「素晴らしい何らかの対処法」が準備されていれば話は別なのですが、果たして・・・。


2020年5月21日木曜日

コロナの検査キットを自分で試した

二月ほど前にすでに注文していたのに全く届かなかったコロナ・ウイルスの検査キット。

やっと相次いで二種類届きました!って遅いよ・・・。orz

もう愛知では少なくとも一回目の(そして願わくは一回限りの)流行が取り敢えず終わってしまった後です。
副院長の部屋に届いたのは二種類のセット。一つはクラボウのIgG/IgMキット。もう一つはTaKaRaのコロナ・ウイルス用PCR検出キットです。
取り敢えず、今日は副院長御自身と私の全血を看護師さんに採血してもらって、サンプルを遠沈し上清をキットのサンプル穴に投入することでイムノアッセイを行います。判定はあっという間。

幸か不幸か副院長も私もネガティブ。勿論正確さは100とは全くいきませんが、少なくとも高い抗体価は持っていなさそう、もしくはコロナに対して体が反応しなかったのか?wということなんでしょうね。

コントロールのラインの上に真っ赤に出てきたネガティブを意味する検出線を前にして、副院長と二人で「うーん」と唸ってしまいました。というのも、ちょっと邪(よこしま)な話ですが、どちらかがもし陽性に出てきたらその血液をPCR用のポジコンに使おう!と考えていたからです。

TakaraのPCRキットにはプラスミドもしくは核酸レベルでのポジコンが含まれておらず、これが次のステップに進む為の壁になるわけです。実験というのはポジコン、ネガコンがしっかり設定されていないものは全くもって意味はありません。実際に実験を己の手でしている人にはこの事は大変良く判っている皮膚感覚以上のものなんですけれども、この点は痛いんです。

というわけで、ポジコンのベースとなるプラスミドもTaKaRaから注文追加しました。

まあ、今後抗体キットの方は使うこと無くそのままに放置されて使用期限を迎えるようであれば、逆に病院としては幸せなんですけどね。


2020年5月20日水曜日

91年の人生

今日、昼過ぎに91歳のおばあさんが亡くなられました。

高度の気管支拡張症や心不全、陳旧性の結核等諸々の呼吸器疾患を持っている上に、左脚は終戦時に大陸から逃れてくる途上で怪我をし悪化、それを中国人軍医に切断されて一命をとりとめつつ中国大陸に何年も残って看護師として働いていたとのこと。終戦後、最終便から二番目の帰国船に乗って昭和32年になって日本に戻ってこられたとのことでした。

お婆さんの口癖は「戦争なんて絶対するもんじゃないよ!」でした。経験した者のみが言えるシンプルで重い言葉でした。

おばあさんは元気な頃、私の手を握りしめながら「当時は中国語も普通に喋れたんだけどやっぱり使わなくなったら忘れちゃうわね!」と言ってお話をしてくれました。
「先生、いつもありがとう。先生、本当に先生が私の仏様。」と言っては毎回本当に仏様を拝むように手を合わせてこられたので、「お母さん、俺はヤブ医者だしそもそも未だ死んどらんよ!w」と言っては二人きりで病室で笑ったものです。

外来に来られてはお元気な姿を見せてくれつつも、何度も繰り返す心不全と呼吸不全を治療してはその都度入院と退院という感じでいつもは施設に戻っていかれましたが、今回はそれも叶いませんでした。
ナースから院内電話でコールがあり「大量の喀血をされました」との報告。何度も何度も少量の喀血をされては止血剤が効果を示していたのですが、繰り返し波のように襲ってくる心不全、呼吸不全の上に今回のインシデントが重なり最終的に命の灯火が消えてしまいました。

結核も再発すること無く、心不全もかなり上手くコントロールできていたこともあり、何とか施設に返してあげたいと心の底から願っていたのですが・・・。

身よりもない方あであったため、NPO法人の方が来られて御遺体を一緒にお見送りくださったのですが、その方から「いつも電話してきてはいつも親切にしてもらって幸せですよ、私は。」と言って下さっていましたよ、との話をこの方から伺って涙。

このお婆さんと入院中に病室で個人的に大変親しくなり、梅が咲いては梅の花を、桜が咲いては桜の枝を花と一緒に持ってきてくださっていた或る心優しい看護師さんがいらっしゃったのを思い出して、移動していった病棟に電話して亡くなられた事を伝えたところ電話口の向こうで無言になってしまいました。

出棺のときには私自身が別れ難く、葬儀社の方にお願いして車に入れる直前にお顔を覆っている布をそっと取らせていただき、綺麗に化粧されたそのお顔に向かってお礼の言葉とお別れの挨拶をさせていただきました。

その時、その看護師さんが涙で真っ赤になった眼を隠しながら見送りの看護師さん達の奥に隠れるように立っていたのに気づいたので、私が前に来るように促しお婆さんの顔を一緒に見ていただいたのですが、もう次から次に涙が溢れて声を出さずに嗚咽するばかり。心優しいこの看護師さんは車に入っていった御遺体にも横からお話をされていました。

例え血は繋がっていなくても、出会いの期間は短い間でも、心が繋がる出会いがあることを再び確認した私でした。

人生で非常に大きな苦難を背負われてもそれを全く表に出すこともなく、いつも淡々と飄々とした風情で前向きに生きてこられた「目立たずとも偉大な人生」に深く礼をしてお婆さんの来し方を胸に刻ませていただきました。

2020年5月19日火曜日

同僚の先生の転職

もう半年前からタイマーは動いていたのですが、ついにその日が後数日に迫りました。

私の病院で働く内科の同僚医師の転職です。

医者という仕事は医師免許があって需要と経験があれば比較的容易に日本全国どこへでも引っ越していく事ができる仕事なんですが、それでも希望する仕事内容やオファーされる収入や福利などでいろいろと考えさせられる事も多く、そう簡単に「ハイそれでは!」と決定できるものでもありません。

多くの職業の中では比較的高齢まで出来てそれなりの収入が保証されている仕事なのでしょうが、実際のところ年齢の上昇に従って仕事もキツイものは選べなくなってきますし、後輩たちの成長に伴って押し出されるように第一線からは退いていくものです。まあ、そういった点は他の仕事でもほぼ同様でしょうが。

さて、今回の転勤。いろいろ理由はあるのですが、簡単にその結果はどうなるかというと私自身への仕事の負担はますます増えるというものでして、正直「・・・orz」という感じ。
この先生は大変な人格者でして、私のようないい加減かつ育ちの悪い人間とは別の世界に住む先生でして、一言で先生を表すと「誠実」という言葉がもっともカッチリと当てはまる様な方です。

何をされるにも誠実一本槍。

それ故に逆に先生御自身が日常診療において疲れるようなことも多々ありまして、手を抜かない故の精神的、肉体的な疲れが澱のように溜まってきていた事もあるかと思われます。
御自身が生まれ育った田舎の近くにある老健への御転職だとのことですが、多くの看護師さん達に惜しまれての出立となります。

今週末を待たずして去られる事になるわけですが、先生が次の仕事場が心や体に疲れを溜めるようなところでない事を名古屋から祈念しつつ先生の後ろ姿を見送る事となります。

コロナ禍の為に、みんなが開きたかった送別会も開くことが出来ず、先生が関与された多くの病棟の看護師さんや事務の方々が残念がっておりました。そういう意味では私にとってのコロナ・ウイルスというのは先生との惜別の機会を大きく損なったと言う意味での憎むべき相手となりました。

また、一段落ついたら先生との再会を約束しておりますので、その日の到来を愉しみにしながらしばしのお別れです。


2020年5月18日月曜日

医療裁判と病院と医師

通常、病院の規模が大きくなればなるほどなんらかの医療訴訟を抱えるリスクが高まります。

単純に患者さんの数が増えると予想の斜め上を行くような事件が起きたり、新人の看護師さんや医師がやらかしてしまったりという事がリスクの積み重ねとして起きてきます。

大学病院などで医療事故や医療訴訟を担当している人物たちに話を聞くと、聞いているこちら側が疲れてしまうような案件が本当に沢山有ることに驚かされてばかり、実際に大学では医療訴訟関係の講座のなり手は誰も居ないという感じだそうで、他の教授達が三顧の礼をもって人物を据え付けてその任に当たらせるなどというパターンが有るらしいのですが、その人物の話を伺ったところでは「週明けがゲンナリ」することが多いんだそうです。理由はその前の週までに溜まっていた案件を翌週の月曜日に各医局がまとめて持ってくるかららしいのですが。

しかも、その医療訴訟やその萌芽になりそうな医療ミスに対しては各医局で対応の温度差が激しく、「これは直ちに対応しなければ!」という様な案件でもまるで他人事のように我関せずで、医療事故の委員会にことの一部始終を寄越して終わりにしようとする所もあるとのこと。こういったところにはこの人物も相当頭に来ることが多いという当然の話しをしてくれましたがこれが毎週毎週有るというのですからなんとも割に合わない仕事です。

私が同じ立場だったら眠れないな・・・。確実に不眠症になりそう。白髪やシワが増えてしまうこと確実だろうし、たとえその役職を下りた後でもいろんな形でフラッシュバックが出てきそうです。自分が全く関与していない種々の診断や施術上のミス、もしくはミスとは言えないのに絡んでこられた訴訟に関して怒り心頭の家族に取り敢えず面会や謝罪を行う機会も多いことでしょう。

立っていたらあらぬ方向から弾丸が飛んできて、その弾丸を処理し損ねたら無関係な自分が死ぬという世界。私ならそんなの絶対イヤです。年収1億でも絶対やりたくない仕事です。

私の勤める病院も巨大ですので訴訟のリスクは至る所に潜んでいます。私自身は精神科ではないので「えええ?」と言うような意味不明のリスクと遭遇することは余り無いのですが、病棟内で起こる患者さん同士のイザコザや喧嘩での怪我などでも「管理責任」の名の下に医師と病院の責任にされるのが昨今の風潮。

もう本当に患者さん達の横にいつも立って24時間看ておかないといけないんでしょうか?といような理不尽な訴訟を病院に起こす家族も居て、病院長が「先生の参考までに」等と言って見せてくださる他の先生が抱えている訴訟の案件などを読むことが数回あったのですが、これのどこが訴えられる要因を含んでいるのか最後まで理解できない訴状も幾つかありました。

逸失利益X千万、これに弁護費用X万と一日の利息0.0X%を付加してX迄に支払うこと・・・等というのが何だか定型句だと最近では理解しているのですが、医師会などでもこういった訴訟の妥当性を検討し、受けて立つべきかどうかなどの助言を毎回してくれるんだそうですが、その多くが訴訟を起こした方には悪いけれど、これは起こした方は裁判費用もネガティブでしょうというような案件。

疾患に対する怒りの矛先を向けるのは解らないではないのですが「医師は何でも救って対応できる神様ではない」という単純な事実を多くの例で忘れているのではないかと思えるのです。その結果、多くの案件が時間とお金だけを費やして双方にとって只々消耗戦となるようなケースを沢山見ています。

勿論、明らかなミスも有るわけですからその様なときは患者さん側も理路整然と訴訟を起こして来るのは全く理に適っているとは思うんですけどね。こういう感じで訴訟が増えると本当に医師の心の疲労度は上がりやがては医師の行う仕事が高度医療からなるべくかけ離れたバック・パス(責任回避と他へのリスク回し)ばかりになるような気もしないではないです。
そうならないことを祈っては居ますがアメリカの大病院の前に弁護士事務所が軒を連ねているのは今や当然の風景ですからね。それが日本でも馴染みの風景にならないとは誰も言えないところが辛いです。


2020年5月17日日曜日

保健所は医師達には「ほぼ全く」同情されていない様子

医師だけが入れるフォーラムというのがネット上に幾つも有ることは以前チラッと書いたのですが、今回そこである投稿がありました。

最初の投稿は或る開業医の診察室での話。
ある疾患を持った女性がその先生の所にやってきたのですが、この女性、実は保健所に勤めて居られる女性。今回のコロナ禍への対応で電話対応での悪口雑言で心身ともに疲れ果てたという状態での心療内科へのコンサルのようなものでした。

しかし、この投稿に対する反応はというと「ところがところ」がでした。
この女性に対する他の医師達の書き込みの「苛烈」なこと!もう本当に笑ってしまうレベルのキツイ書き込みで、9:1以上の比率で今までに保健所のやってきた愚かな公共政策と行革で数を減らされ仕事もまともにできなくなっている保健所の存在意義自体をボコボコに批判する内容でした。

曰く、女医のシェルター・医学を知らない公衆衛生学教室出身の保健所長・市民には鉄面皮、医師には居丈高・前例踏襲で何も考えない木っ端役人の巣窟・科学的根拠によらず己の権力保持に最大限の力を注ぐパワハラ軍団・Face to Faceの医療を無視してきたツケがいま出ただけ・面倒なことは今まで全部、医師と病院に丸投げしてきて面倒なクレームも全部保健所長に押し付けた結果、医師で保健所長になり手が無くなってしまい、一部の保健所では行政職で試験を通過した人間を保健所長にするしかなくなったり・・・等々。

もう本当に誰も殆ど保健所の肩を持つことがないような書き方で、通常貯めている医師の不満の弾丸が有るとしたら、全弾を使い切り銃身が熱くなるほど撃ち方止めず!と言う感じ。撃ち方止めという人間が誰も居ないフォーラムを久しぶりに見ました。w

結論として「たまには働け!」という感じでこの女性に対する同情論は保健所への常々の恨み辛みの集積で消し飛んでしまっておりました。ほぼルサンチマン。女性は関係なし。保健所への総攻撃。

私の病院は通常お世話になっている保健所とはとりあえず良好な関係を保っていると思っているんですけれどね。この医師内では比較的有名なフォーラムを見た保健所長である医師も間違いなく沢山いたと考えますが、一体どう思われた事でしょう。

IT全盛の時代、保健所も「少しは」変わらないと、昭和のガラクタを売るオンボロ骨董品店になってきているのではないかと私自身もちょっと思ったりしました。


2020年5月16日土曜日

IRSのアホ相手に四苦八苦

毎度毎度の税金問題。

アメリカから日本に移り住んで6年ですが、未だにIRSが我が家の足を引っ張ります。

次女の大学入学にあたって税金申告の用紙提出を免除できるためにnontax profilerとしての用紙を提出しておくことというのがあるのですが、それをするためには電子的な講座をセットアップしておく必要があります。

IRSがのサイトに言ってそれをやろうとしても、前回の税務申告で使った時にIRSが日本の我が家に送ったハガキに使っている住所が破滅的にメチャクチャで、そのアドレスを入力しても講座のセットアップが前に進まなにのです。要するにあっちがデータベースに入れている情報とこちらの情報が違うということ。

まったくもってIRSがダメ組織と感じることは毎度のことなんですが、優れているのはしつこさだけで、その他に関しては全くのデタラメレベルです。w
もう20年近くIRSとの税務処理に関わってきているので、どれほどダメかは骨身に染みてはいるつもりなんですが、実際にこうやって処理を始めるといろいろとダメすぎて・・・改めてため息です。

いま、こういうことに関してはシャキシャキと出来る長女を使ってIRSにその訂正を入れているところですが、果たしてどこまで上手くいきますやら。

長女もカッカしそうな予感がします。orz


2020年5月15日金曜日

次女の悩み

アート・スクールへの入校に関して次女が未だ悩んでいます。

結局、彼女を悩ませているのはコスト・パフォーマンスとアート・スクールに行くことによって得られるその先の展開です。

親としては大変驚いたのですが、自分の作品を売ってお金にならないか等という激甘な考えも持っているようで、textingで会話しながら思わず微笑んでしまいました。自分のファミリーの次女とは言え、どこまでもどこまでも謎のレベルで自信過剰な楽天家です。

次女としてはCREATORとして生きていきたいけれど、それが難しい人生であることは周りのアート関連の仕事をしている人達を見ていて判るとは言いました。しかし、アートの世界で多くをなすことは出来ないかも知れないし、それで生きていくことが難しいとは判っていても、アートの仕事にチャレンジさえをしないで今の時期を逃してしまうと、残りの一生をずっとずっと後悔して生きていくことになると思うとの発言。

この人生の休み時間のこの時期に彼女がカリフォルニアでやっていたのは美術作品はどうやって市場で売るのかという研究だったという話でした。生きていくためにもっと自分のアート作品を沢山描いて市場で売る!ということを考えていたと聞いて、テキストを打ちながらスマホに向かって思わず笑ってしまいました。

その意気や良し!多分最初の一枚の絵を売ることが出来なくて、そしてもし売ることが出来てもものすごく大変で、そのような自分の市場価値を知ることも大切なステップなのではないかと・・・。いわゆる鼻をへし折られる経験というやつでしょうか。

もう一つ彼女が考えているのはart professorになることなんだそうですが、アートの世界で実績もない人が一体全体どうやって教授職に付くのか?美術史などの研究者としての教授職っていうのもきっとあるんでしょうが?

実はこういったことに関して私自身が全くこの世界を知らないことを、少し前のこのブログで「アートを選択する人間が大学に進学する意味とは」というタイトルでこういった事に関する疑問を投げかけた、というより呟いたところ、アートの世界生きて居られる有る方から、私にとってはある意味全く未知のアートの世界の中を覗くことになる真摯なメールをいただきました。

が、それは私の書くブログの左のコラムに有る投稿欄には掲載せずにおいて欲しいというリクエストでしたので、敢えて載せておりませんでしたが、そのコンテンツは公開せずに私一人の為だけに持っておくのは犯罪的だと思えましたので、メールをくださった方にお話をして個人名が特定できないような形にしつつ、内容を改変せず掲載していければと考えております。

同じ様な悩みを持つ方は多いと思います。日米でのアートの世界の差はあるのでしょうが、特に日本の芸術系大学を目指そうという方には大変参考になるものと思われますので、しばしお待ちを。もう少しこの方と連絡を取り合ってみたいと思います。

2020年5月14日木曜日

さて、黒川氏は恥を知る男か否か・・・

昔々、造船疑獄というのがありまして、最後は犬養毅の子孫であった犬養某という名前の法相によって指揮権発動がなされ、今日のボンクラ宰相の大叔父である佐藤栄作が逮捕を免れた大事件がありました。この犬養法務大臣、この一発で当然のように政治生命を絶たれます。まあ身から出た錆、まさにザマーミロですが、当然すぎると言えば当然すぎる帰結です。

時は過ぎて令和。弁護士とは言え本当に無能を絵に描いたような恥かき法相となってしまった森法務大臣。見ているこっちが痛々しくなるくらい防御力ゼロです。
なんというか、こんな滑舌も悪い言語操作能力も低い人間がよくも誰かの「弁護」を引き受けられるもんだと思うんですけど、その弁護士を目指した理由は良しとしても、能力は「無」のレベルだと思いますが、異論の有る方、居られますかね?

この人本当にいつでも原稿棒読みの現ボンクラ宰相とおんなじで「自分の言葉」で「自分の考え」を「筋道立てて」話すことが出来ない。これでは人を惹き付けることは出来ない。絶対に。悪い奴かどうかなどというのは全く関係なく、人を惹き付ける能力のない人間は政治家には向かないと思います。金集めがしたいなら政治じゃなくて商売しなはれ。まあ、商才が無いからこそこの道を選んだんでしょうが。w

森まさこさん、次があるのかどうか知りませんが論功行賞で比例上位に入れてもらえるのかな?まともな神経の持ち主ならとてもこのいつも「目が泳いじゃっている無能さん」に我々の税金預けて政治は任せられないと思いますが・・・。

まあ、この人への軽蔑表現はここまでとして、今回ついに検察OBを含む有志から出された「東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書」というのが出ました。検察官の良心というものが生きているのならきっと出るだろうなと思っていましたから、私は逆に安心しました。これこそが日本にまだ良識というものが残っていた直接の証でしょう。

内容はまさに歴史に残るレベルの一連の文言で、現職の愚か者共に対する検察諸先輩方のハッキリとした諫言です。長いからコピペはしませんし、永遠にデジタルレコードに残る文章となるでしょうから必要もないでしょうから、ここには敢えて貼り付けませんのでリンク先を読まれてください。

さて、黒川さん自身、そもそもここまでの段階でなーんにも発言なし。現職の検察の人間ですから何も言わないのかとも思いますが、悪いけれどまあ既にこの段階で男としての評価はダダ下がり。検察官としても他の気骨有る検察官達からは内心蔑まれているのではないでしょうか。

黒川さん、あなたの給料はこんな清廉な大先輩の命を賭した抗議の延長線上に上がっているんですよ?倫理観というものがまだ残ってるのであれば恥を知りましょうよ・・・。


2020年5月13日水曜日

アメリカの大学バブル崩壊?

アメリカの大学バブル崩壊のFinancial Timesの記事がJB Pressの紹介記事として載っていました。読んでみて私なりに要旨をまとめると・・・
  • 米国教育委員会(ACE)は、高等教育機関の収入が来年度に230億ドル減少すると考えている。
  • 4月下旬に実施された調査では、大学総長(学長)の57%が人員のレイオフを計画していると答えた。 
  • 半数が一部の講義要目を統廃合すると話し、64%は長期的な財務の継続性が最も差し迫った問題だと答えている。
  • 現在のアメリカの大学生及びその卒業生が抱えている教育債務の残高はなんと2兆ドル!
  • 急騰する授業料、価値のない学位、大学、政府双方が行ったリスクの高い投資は、経済成長と社会的流動性に対する猛烈な向かい風になった。
  • ニューヨーク連銀は2年前、学資ローン債務と高等教育の機能不全を、米国経済全体にとっての問題としてやり玉に挙げた。
  • 残念ながら、米国の高等教育システムは、医療、住宅、労働市場などと同じように二分化されている。(一流大学の華やかなブランド学位を持った人は非常にうまくやっていける。質が高く、学費が安い地域短期大学や州立大学に通う多くの人もうまくやっていける、とこの筆者は考えている。)
  • シンクタンクのデモスが実施したある調査では、4年生大学の学位を持つ夫婦2人の学資ローン債務は平均5万3000ドルで、生涯にわたる財産の喪失が20万8000ドルにのぼる。
  • 1930年代の大恐慌の際に多くの大学が破綻したように、一部の学校、特に二番手の私立大学は破綻するだろう。今日の大学セクターのミニバブルを考えると淘汰は適切だ。
記された債務の多さには改めて驚かされますが、以前もいろいろこれらのことに関しては書いてきましたが、結局のところ実際に学生達が異様に高騰した教育費を払わなければならなくなってきた最大の理由は大学の中にいる管理職部門の人材への費用の増大が最大の理由とされています。

今回のコロナによる学生の「教育現場」からの離脱とリモート授業。多くの学生達が大学に払うための学資を稼げなくなり、自主退学を余儀なくされる可能性があるとすると、大学の収入は確かに激減するはず。そういった中で、教職者のみならず管理職部門の人材のスリム化も確実に起こるはず。

更に間違いないと思われるのは、小中規模の訳の有名でない特徴のない大学はかなりの速度と規模で潰れていくと思われるということでしょうか。コロナ禍が一周で収まるとはとても思えない中で資金繰りに悩みかつ銀行からの融資などが引き出せないところは多分今回のウイルスの襲撃で、人が倒れるのみならず大学も倒れていくのでしょう。

正直なところ、アメリカの大学卒業生の序列化というのは日本とは比較にならないレベルで厳格で、超が付く学歴格差社会だというのが私があの国に住んで感じた印象。卒業した大学の名前とそこに残した成績は一生その人についてまわるのです。

果たしてFTの筆者の予想はどこまで当たるのか。私もその規模まではわかりませんが、相当数が薙ぎ払われるだろうというのが私も考えるイベントです。金がかかりすぎると教育の機会均等は確実に損なわれます。そしてそれは格差の拡大再生産へ繋がるという現在アメリカに起きている悲劇へある程度の打撃を与えると思われます。(思いたいです!)

今の学費の半分くらいの年二万ドルくらいが上限で良いと私は思います。それでも私の感覚的にはまだまだ高いのですが・・・。


2020年5月12日火曜日

子孫に申し訳ない

今迄に無いほどの日本の劣化というべきでしょう。

黒川検事長の定年に絡んだ議論はもうあらゆる意味において論理破綻していると思います。
権力の暴走を止めるシステムというのはお互いが強く牽制しあって初めて成立し合うもの。一番簡単な例は、いわゆる三竦み(すくみ)状態を成立させることで成り立つわけです。人間の歴史は人の中に神など居ない事を証明する歴史でした。名君と言われる人物も良く調べれば・・・という事はいつもある話で、それこそが人間。

選挙で人を選ぶというのは国民が税を払って運営する国家運営のチャンスを与えるけれども、それで有頂天になるような愚か者には同じように選挙で泥水を飲んで去って頂く夜言うのが常道。ところが、このシステムには瑕疵が有ることも明らか。その選ばれた人間が、国家を運営する政権を去らなければならなくなる前に捨て身の攻撃で滅茶苦茶をしようと思えばやれないことはないのです。

そしてその危機の瞬間こそがまさに今ではないでしょうか。
もう次が無いという状況が明白になっているボンクラ宰相と、これまた輪をかけて政権の傀儡となっている森まさこ法相。(実はNYU lawも出ているということで、娘も通うNYUの面汚しです。)こういった破れかぶれの連中が最後っ屁のように何かをやらかしてくる事に我々は気をつけなければなりません。

そもそも、内閣総理大臣が画策する「もう一方の対抗勢力のサミットであるべき男」の黒川という人間は出る幕は無いとは言え、お前自身が声を上げてでも、法案が成立した瞬間に「辞令を受けずして職を辞する」という最後の意思表明の1発をかましてボンクラ宰相と傀儡法相の面に泥をかけるべきでしょう。

もし、受けたら・・・黒川検事長という人間がそもそも法に関わるべき人間ではなかったということの直接証明でしょう。

この程度の人間である私も既に50代という日本の中では「社会を維持する」という意味では中核周辺の世代。こんな法案が罷り間違っても通って日本の権力の独立性に明確な傷をつけた状態で次世代に日本を繋ぐことはまことに申し訳ないと思うのです。こういったなし崩しの連鎖が必ずダムを決壊させることになる嚆矢となることを強く恐れます。

無能な政権の中に巣食う邪悪で愚かな意志に対する強い反対は我々「大人の責任」だと思います。


2020年5月11日月曜日

文句垂れてなんにもやらない奴よりも遥かに男前!

前ZOZO会長の前澤友作。

日本人のなかでは珍しいレベルの富豪で、3000億円ほどの資産を持っていると言われています。剛力彩芽とくっついたり離れたりがよく噂になるだけでなく、バスキア、クーンズ、ピカソ等のアートのコレクターとしても非常に有名。更には度々元気のない日本で唯一盛大に金をばらまく数寄者と言っても良いでしょう。

今回、コロナでダメージを受けた日本のシングル・ペアレントに対して1万人に各々10万円の現金を配るという勢いのある話。総額にすると単純計算で10億。前澤にしてみればいわゆる端金のレベルですが、普通の人にしてみれば生涯獲得賃金以上の総額。

前澤一人親応援基金<ここから入れます。

私は以前から日本には税制のために巨万の富を作れる人が少ない、特に一族として持つことは更に少ない。大金を作っても会社の金だったりするというような何ともシミッタレた輩の多い中で初めて見るような個人でのphilanthropistだと私は思っています。

学術を研ぎ澄ました上で発見・発明や工作を行い世の中に資するのも社会貢献。文学や絵画彫刻、デザインなどのアートで人々の心を慰め救うのも立派な貢献。そして超がつくような金持ちとなってその金を存分に使って思う通りに人助けプロジェクトを組み上げるのもまた立派な社会貢献。

前澤と言う男性は最後のタイプですね。ビル・ゲイツはソフトウェアで世界を構成した後、無尽蔵な資金で前澤友作の10倍レベルを遥かに超える世界規模の活動をしていますが、日本からももっとこういう人間が出てきてほしいものです。繰り返しますが税制のために難しい話ですが・・・。

さて、今回の友作どんのプロジェクトに批判を加える連中がいるという話。彼自身のtwitterでは「どこかのテレビのニュース番組で、今回のひとり親応援基金を、売名行為だとか、話題作りだとか、報じてたみたいですけど見た人います?」と言及しているんですが、その報道がもし本当なら卑しい話です。視線が卑しい。人は自分の発想のレベルを超えることは出来ないと言いますが、まさにその良い例。

さて、そんなのは横においといて前澤の基金創設の想いの記述から抜きだしましょう。
助けたいとか、救いたいとか、
そういうボランティア的なことではなくて、

シングルママもシングルパパも、
きっといろいろあった人たちなのに、
なんか逞しくてたまに弱くて人間らしくて、
素敵だなーっていつも思ってるのです。

ひとり親の子は可哀想だなんていうのもきっと違くて、
いろいろあった人の背中の方が、何にもない人のそれより大きくて、
そんな背中を見て育ってきたからなのか、
ひとり親に育てられてきた身近な友達を思い返してみても、
みんな優しくて人の気持ちが分かるいい奴らで。


だから、僕はこの基金をとても前向きな基金にしたいのです。
いろいろあった人たちが、堂々とそのカッコいい背中を子供たちに見せ続けられますように。


「前澤ひとり親応援基金」はじめます。
コロナで大変ですが、いっしょに前向いていきましょう!
これからよろしくお願いします。

2020年5月10日(母の日)
前澤 友作
友作の思いやヨシ!

人の行為を貶める前に先ずは文句を言うお前らもせめて10万程度の金を出せ!ちゅう事ですよ。せめて。そもそも、売名なんて要らんレベルで既に悪名だろうがなんだろうが名は知れ渡っているわけで、そんなセコくちっせえ発想は恥ずべきレベルだと思うんですが。
男女差別だとか言われそうですけど、やっぱ男としては金銭であろうと人を支えるというのは「甲斐性そのもの」だと俺は思うんです。支えてナンボ。

この若さで1万件ものシングル・ペアレントの家庭に早くどでかいお年玉を配る男にガタガタ抜かすような奴はきっとぶら下がっているものもちっせえんでしょうな。おっと、またまた育ちが出てしまいましたが。

この基金でスゲーなーと思うのは、その配るスピード。締切は15日で、なんと配布開始は5月18日から!個人でこれが出来てボンクラ政府は未だにマスク配りも5%も終わっていないとか。もうね、税金返せよって感じです。前澤基金に全額回すから。

アート作品をかき集めて日本にそれを展示する美術館を作る計画も持っているとか。行くならどこまでもどこまでも突き抜けていろいろとやらかして欲しいもんです。良いことのほうが多い限り、わしら下々は少々の奇行・愚行があったとしても全部目を瞑るよ!w
既に歴史の歴史に名を残す人間になってきてるなこの男。最初はただ金を集めてるだけのしょうもない奴と思ってましたが、金が集まってきた後の使い方が男前。

もっとデカイことやって日本に前澤あり!と言われて欲しい。死して虎は皮を残すといいます。令和日本の虎になってくれ。

という訳で、最後にシングルマザーの苦労の一端を理解しましょうか。


2020年5月10日日曜日

あらゆる権力は腐敗の傾向をもつ。絶対的権力は絶対的に腐敗する。

上の言葉はジョン・アクトンの残した有名なフレーズの一節。大学で政治学をとった方なら誰でも眼にしている言葉かと思います。

基本的に日本人は羊。私はお上の指示に粛々と従って前例を踏襲することで日常の安全と安心を保とうとする人々が21世紀の今でも大多数だと思ってます。そして日本人は平均が好きで、集団の中で目立たないことが美徳で、平均値から外れた人は時に白い目で見られ・・・と言う印象で間違ってないんではないでしょうか。

アメリカに長らく住んでいて思ったのは、例え日本人でもアメリカに生まれ、住んで、アメリカで育つと「自分の意見を躊躇なく述べる」そしてそうすることが正しいことであるという事を体に染み込ませる教育を施されるためでしょうか、実際に戦闘的なレベルで発言をする人を見ることが実に普通だと思います。何かの研究会でも上下のポジションに関係なく「良く考えても解らないこと」は積極的に質問を行ってそれを恥としない人に育つということでしょう。

そういう場にいるともともとそういう事に抵抗感の少ない私などは嬉しくてたまらず、皆の質疑応答を嬉々として聞き入ったり、そこから新たに生まれる疑問を発表者にぶつけたりというようなことを日常的に行っておりました。結局はその延長線上に「自ら能動的に考える人間」「おかしいと思えることにおかしいと声を上げる人間」を育てることになる訳です。無論、声を上げるからと言ってそのあげている声が客観的に見て正しいか否かということは多くのデモを見ていても疑問が残ることは多々あるわけですが、その反対勢力(カウンター・パート)がいるという事こそが血を流して得た民主主義の土壌に生活する人々の基本でしょう。

日本には表立って今までは殆どそういう討論の伝統というものがなかった。開国と鎖国の継続の二派の間で血で血を洗う戦はあったものの、それが自由への扉を開いたかと言うと単に大日本帝国という国を作ったことになるわけで、富国強兵という大義のためには致し方なかったのでしょうが、自分から発言を行い自分の考えを実行しようとする人間は徹底的に政府から追い回されたり、村からは弾き出されたりなんていう事になったわけで、やはり個人の表現の自由を獲得するために国民が血で血を洗うような戦いはしていませんよね。

やはり意見は上意下達が多く、会合でも偉い方の発言を頭を垂れて粛々と聴き、それに対する質問など下々の者は可能な限り致す事無かれというのは多くの学会でも今でも普通。残念ながら。
私自身はそんな会合はそもそも出席する価値自体が無いので出ること自体を避けていますが。

明治が始まって150年が経過した今、ネット上で漸くそういう「思ったことを表現する場所」出現してきて、表に出てこなかった人々が自分の意見を手軽に述べる社会が出現してきたわけですが、まだまだそんな人達がメインストリームであるとは到底言い難い。

人によっては日本人は意見を表明しないことを以て、社会の規範を守る人々が遺伝的に集団として集まっているんだとか、徳川の時代の長きにわたる治世で人々の思考回路がそういうふうに手懐けられたのだというような事を言う方もおられるようですが、私は真実はそのどこかにある中間地点にあるのだろうとも感じたりするんです。しかし、日本人って「暴れだすと」意外と過激な集団じゃないかという思いもあって、いわゆるタガが外れた時にそういう者が前面に出てくるような印象。まあ、この手の事には科学的統計学的根拠が示せないのでなんとも結論は出ないのですが。

さて、前ぶりがまたまた長すぎる展開となりましたが、今度のコロナで判ったことは日本の政治が太平洋戦争終了後も全く前進していないどころか絶望的に退行しているという悲しい現実でしょう。
官僚は質が落ち、このネットの時代に情報の隠匿はますます低品質ながら悪質化し、政府の中をバカが跋扈。吉田茂や白洲次郎がこの凡愚宰相が今の日本で最長不倒距離を塗り替えた大宰相なんですよと紹介されたら文字通り己の子孫たちの劣化ぶりに卒倒するのではないでしょうか。(例えは悪いのですが、今の日本は戦争しても全くボコボコに負けるでしょう。それは自衛隊の弱さ故ではなくシビリアンコントロールの絶望的なまでのダメさ故!)

どこに向かっていいか解らない愚鈍な船長が運行する巨大なタンカーはデッキに陣取る忖度第一の人間達によってサポートを受けまさに「裸の王様」状態。タンカーはまさに漂流しています。無論、王様は自分が裸とはいまでもこれからも多分御存知ない。w

今回、検察官、検事総長の定年延長の事が小さなことのように政権内で扱われていますが、彼らの言う些細な件の前進をみて、正直もうこれでこの政権を信じることは永遠に無くなりました。己の保身のために法を曲げるような宰相を崇め奉る政党が腐敗していなければ他に何が有るんだということ。広島のバカ夫婦に1.5億渡して選挙に勝たせた件もそう。これほどまでに白日のもとに晒されている悪行三昧の悪人達のあんた自身の任命責任はどこに有るのだと100万回でも問いたい。

私自身、何度も書きましたが、自民の反対勢力の劇的な質の低さゆえに今まで「仕方ないけれど、この政党でいくしかない」として行動していましたが、ここに来てアクトン卿の言葉を思い出す時が来たようです。時間が腐敗の度合いを増長させ、その強い腐臭が我々国民の鼻を曲げ始めていることに気づかない鈍感なボンクラ共。

そもそも、以前より私は「日本という国」ではその進路を任せられるのは保守中道だろうなと考え、たとえクソ野郎でも自民党が大きく間違えない限り概ねこのクソ政党の所属者に投票をしてきましたが、次の投票行動では絶対に自民党関係者に投票することを避けたいと思います。ただし旧民主党以外の人間!w


2020年5月9日土曜日

オヤジの携帯壊れる

洗濯機で一度電話を壊してしまった田舎のオヤジ。

今度は特に悪いこともしていないのに、画面の7割方が紫になってしまって中の電話番号どころか発信一切ができなくなってしまったとのこと。オヤジにとっていちばん大切なLINEが出来なくなってほとほと困っていると携帯ショップから電話がありました。

オヤジの携帯を含め日本の携帯は四台とも全て私の名義かつ私による支払いになっているため、補償で交換するにしても私が何でも手続きしないとダメなのだそうで、購入時にオヤジが自分でdアカウントなどの設定を自分の携帯から前もってしていないとこれまた操作は何も出来ないとのこと。無論そんな事説明もされていなし、オヤジがらくらくホンからそんな事している(出来る)はずもありません。そもそも80過ぎの人間にそれはなかなか酷な話です。w

家のFAXも使わなくなっていたため、固定電話は既にありません。ですからオヤジの電話で今できることと言えば電話の受信のみ。孫とのLINEを必須の条件とするオヤジにしてみれば急いで電話の交換をしたいという話です。

7000円程度の金額で新品に交換可能との説明だったのですが、ここで驚くべき残念な事実が発覚。ドコモが提供するらくらくホンが、システムのアップデートを期にLINEが使えなくなってしまったという「なにそれ?」的な話になっているとの事なんです。

携帯ショップの店員の話を聞いて「じゃあダメですね」という事になり、LINEが使用可能な新機種をゲットすることになりました。調べたら21000円前後でGalaxyA20が手に入ると言われたので、それにしようかなとも思っているのですが、この際、滅多なことでは携帯も使わなくなっているオヤジに格安でYモバイルみたいなのを使わせるというのもありかなと考えています。

昔使っていたSBのiPhone6sならそのまんま中古持ってますから何とかなるのではないかと・・・。今どき遠距離通話で課金するなんて言うのも平成以前に戻るようなもんですからあり得ません。オヤジにはもう少しだけ待ってもらうこととしましょう。


2020年5月8日金曜日

みんな工夫して必死に生き残ろうとしてる

今日は藤が丘で髪を切ってきました。

昨日仕事を終えて5時半過ぎに急いでいってみたところ、なんとなく店の前が薄暗い・・・。嫌な予感を懐きつつ店の前に来るとシャッターが下ろされていて、そのシャッターには張り紙がありました。曰く「コロナ対応のため時短営業としております。11時から5時までの営業となっております」、そして、その隣には「店内の待合では入店を三名様までと制限をしております」と書いてありました。いつもはこぢんまりとした店内に9名ほど座れるようになっているのですが、三密を避けるための基本的な方策としてきちんとしたアクションがとられているようです。

という訳で今日髪を切ったわけですが、いつも私の髪を切ってくださる方に開口一番「ニュースで美容院の女性が髪を切っている時にマスクを付けたままでしたけど、今日はどうしましょう?」と尋ねました。答えはシンプルで「外してください。w」でした。

その後、今まで何も話したことがなかったこの方といろいろな話をして興味深い話を幾つか伺いました。お父さんも理髪店をされている方で、その跡取りとして理容業を自然に職業として選択されたとのことでしたが、その延長線上の話として名古屋の理容業界の歴史や組合の話、スタイリングの流れなどを自然と伺うことが出来ました。

一番おもしろかったのは鋏の話。彼らにとっては鋏というのは料理人にとっての包丁、外科医にとってのメスや鉗子のようなもの。いわゆる飯の種そのものです。その鋏には国内で手に入るものが200社くらいのバリエーションとしてあるらしいんですが、その中で人気があるのは上位の30社くらいでその中の10社くらいは特によく使われる会社のものなんだそうです。

高いものは一本30万くらいのものもあるんだそうですが、平均してみんな一本10万くらいのものを使っているという話。それを研ぐのは2ヶ月に一回くらいで、一回一時間もかからないところもあれば、2日ほど猶予を貰うところもあるんだそうです。

彼らにとっては「理容師あるある」らしいのですが、先輩が持っている30万レベルの鋏を間違って落としたりするとそれこそ殺されそうなくらい激怒されるという様な話があるんだそうです。w鋏というのは落とすと、あのギザギザの部分の刃がかけたりすることがあるそうで、まあ飯の種に傷つけられたらその不注意に怒るのも無理ないですよね。

髪を切り終わって藤が丘の店々を眺めながら家に戻る途中、いろいろな食料品店での必死の生き残り戦略をしっかりと確認することが出来ました。

ほぼ全ての店で、店の軒先にテイクアウトの張り紙を出し、かつ実際にテイクアウトの種々の食べ物を弁当化して店やってます!というのをアピールしていました。やっぱこうしないと飯食えませんもんね。当然だと思いました。その脇の公園でUber Eatsのお兄さんがボックスを脇において一休みしているのを見て、心のなかで「頑張れ兄ちゃん!」と語りかけました。

間抜けな政府の援助なんか当てにせず、強かにみんな生き残って、藤が丘駅周辺の良い雰囲気を保ち続けて欲しいなと思いました。


2020年5月7日木曜日

消えたタレント・消える病院

テレビを視ることといえば通常たまに点ける当直室の小さなテレビか家のリビングで嫁さんがいつもオンにしているテレビを横で見るだけ。

一人で暮らす生活の中でテレビ番組を視聴するという慣習が全く無いことは、家族がアメリカから帰ってくるまでの数年の間がそれが間違いないことを再確認してくれました。そういった中でもたまたま視ることのある番組はいくつかあって「この人が今よくテレビに出ている芸人」というのは比較的明確だと思うのですが、今度のコロナ騒動で番組の構成自体が人を密集させることで、新規に成立しなくなってしまったものが沢山あることに気が付きました。

いつの間にか画面から居なくなってしまう、というかテレビ芸人として顔を見なくなると言う自体がこうやってやって来ることもあるんだと言うことを示してくれたわけです。よく巷間言われるような、銀行が家のローンとかを貸す時、物凄く稼いでいる芸人でさえもなかなかその貸付認可が下りないというのは、その人気商売故の不安定さだけでなく、こういった突発的な事態にも弱いということなんでしょうね。

今のような時期が続くことで、収入の術が各方面で同時に干上がってしまうなんて言うことが起きている芸人さん達は本当におまんまの食い上げになるんでしょうが、既にとうの昔に行動の場をYoutube等に移している人達もちらほらいるようで、自分で能動的に規定できる何らかの収入源を持っている人とそうでない人の差は緊急時につくのは当然のこと。

そういった意味では、病院の経営も厚生労働省という部署が決める保険料のちょっとした上げ下げのさじ加減で病院が汲々となるわけですから、そもそもお金を儲けるために医師を目指すなんて言う人はスタート地点から間違っているわけです。w
自費診療という方法で金を稼ぐ美容整形など以外では「自分の目論見で収入を規定する方法論」がない多くの病院は、実は厚労省や政府が「病院をこれくらい閉じよう」と考えればいくらでもそうすることが出来ます。

実はそういう事は今でもずんずん進んでいて、昔と比べて遥かに弱い日本医師会の力と相俟って病院の体力は弱まっていることは確実で、生き残るところと消えていくところが結構内部からはよく理解できます。

居なくなっても無くなっても、特に問題ない芸人、病院というのも寂しいもんですが・・・。世の中、そういうものなのだから致し方ありません。「あの人は今」というのはありますが「あの病院は今」というのは無いですしね。地域の患者さんが困ろうが困るまいが、ただひっそりと消え去るのみです。このコロナ禍のあと消える人と病院って目立つんでしょうか?


2020年5月6日水曜日

アートを選択する人間が大学に進学する意味とは

次女のアート系スクールへの進学で長女が疑問を呈してきました。

彼女の本質的な疑問はアートを行う人間に「大学」という場での教育は必要なのかというものでした。正直な所、私はそういった事に関する回答や現状を全く知りません。
例えば、アートのある分野XXXにおいて成功するには東京芸大のXX科を出なければまず成功しない、とかそういうモノなのかということも無論知りません。

特別な例ではありますが、モーツアルトのような所謂「天才レベル」の人間も、音楽家であった親父さん無しでは少なくとも早期教育も含めて完成しなかったでしょうし、ピカソだって画家であった親父さんをしてまだまだ子供であったピカソに対して「もうこの子に私が教えてあげられることは何もない」と言わしめるほどの天才であったとしても、そのきっかけを作ったのはやはりその親父さんだったことは間違いありません。しかも、彼の場合アカデミズムの学校に入学したもののその無意味さに気づいて辞めちゃってるんですが、それは飛び抜けていたからだけではないと思うんですね。

実際、その後は美術館などで模写などをしてしばらく過ごしているしわけですが、彼の場合は少なくともそこで学ぶべき技術は教える側を上回っていたからこそいる必要がなかっただろうし、哲学的な意味での美術の存在を考察した上でその上を行くのにもう習うべきものは何もなかったのではないかと考えるのです。
15歳のピカソの絵!怪物です・・・
ですから、娘の場合は何らかの「技術」を習得するという過程がまだまだ必要なので、アートを将来の仕事に定めようとするのであれば、評論や教育家としての方向は別として、製作者としてはまだまだこれから技術を付け続けねばならないのではとも思うし、周囲の別のスキルや価値観を持つ芸術家の卵たちと触れ合うことで触発されて開花するなにかもあるのではと思うのですが・・・何も言うことは出来ません。

私が大金持ちなら学費をサクサク払っていくことに何の問題もないのですが、今認定されているメリットベースの奨学金の約2万ドルが無ければ総額は4万ドル、しかも、コロナの影響で本来もっとも大切と考えられるヒト・ヒトの接触による出会いと教育が大切なアートの世界で、それが希薄になる可能性の高い状態での入学にその金額を費やす価値があるのか・・・という疑問が消えないのです。

実際、次女自身もこのままの状態で密な教育が行われないのなら、大学の入学をdefer(辞退)しようかな、友考えているようで、実際テキストでもそれを可能性として送ってきています。一体彼女は未来においてアートを通じて何がしたいのか、表現者として生きたいのかそれとも他にビジネスや教育の道でアートを専攻したいのか。よくわからないところです。

現代の複雑で巨大なアートの世界。私達の見えないところにあるネットワークのことを知らないままでいろいろなことを選択するのは結構悩むものです。

とは言え、こんな事に親が口を挟むのもな・・・いや、金を出すのは俺だな・・・と行ったり来たりです。orz
誰かなんかそういったところを知っている人が居たら教えてもらいたいくらいですが、東京芸大の卒業生のかなりの人は消息知れず何ていう話も本で読んだことがあるので、やっぱりこの世界は難しいものなのでしょうね。


2020年5月5日火曜日

テレワークって何してるんだ?

日本人なら誰でも知っているある大手飲料系の会社で営業をしている御主人が「テレワークで一日中家にいて苛ついて居ます」という看護師さんの話を伺っていろいろと考えさせられました。

アメリカで研究者として生きていた頃はいわゆるテレワークというのはごく普通で、秘書に一本電話を入れて「今日は家で論文の仕上げをやる」と言えば済むことでした。車を運転することもなく、ゆっくりと食事とコーヒーなどをテーブルに運んで朝からPCのモニタに出した論文などをみながら必死で仕上げていくことも良くありました。

特に予算獲得のために研究計画書をNIHに向けて仕上げているとき等は、既に自分の手もとにあるデータを整えていきながら眼がシバシバするまで「あーでも無い、こうでも無い」という感じで文章とフィギュアを弄くり回す一日でした。実際は気分転換の為に逆に自分のラボに行ったりもしていましたが。

所変わってここ日本。私の今の職業ではテレワークという言葉はちょっと使えない世界ですが、私の友人たちで他業種に就いている人間などでも大手の商社などで働いている友人はテレワーク状態と言っていましたが、一体何をどうしていることやら・・・。

では看護師さんはなぜ自分の御主人の「テレワーク」と言うのに文句を言っていたかというと、家で何もしないんだそうです。w
要するに営業職の御主人は今までそんな事をしたこともないし、会社からも何をして良いのか指示もないから家で特に何かをすることもなくボーッとしているとのことでした。その話を聞いて思ったのは「さもありなん」という一言。

一般に日本人がこういった仕事の形態に慣れているわけもなく、生まれてはじめて経験するという人が殆どじゃないのかと思うんですね。そこで、もう少し会社からの指示その他に関して奥さんである看護師さんに伺ってみると、案の定「会社も何をもって仕事として良いのか決めかねているんだそうです」というお話。w

結局、多くの会社で”ただの休み”になってるみたいです。大手だからこそ、それでも許されるのでしょうが、ビバレッジ産業ですから、製造現場や下請けの配送などの物理作業をする人達はそういった親方の仕事には関係なく働き続けなければならないというのは自明。今回のコロナ禍は産業内の階層構造もしっかりと目の前に晒すことになってしまってます。

今回、結局のところは奥さんが看護師として「病院で休日もリスク込みで毎日仕事しているのに旦那は・・・というのが単純に頭に来ている」というのが話のオチみたいでした。私からみると、それでも稼いでくれる御主人をもって幸せだと思うんですが?視点を変えてみては如何でしょうか。


2020年5月4日月曜日

中国・ヨーロッパの実験始まる

今回のコロナ・ウイルス伝播の発信国である中国が実験を開始しました。

少なくとも日本の10倍の人口を持っている国でほんの3ヶ月前から1ヶ月以上にわたって感染対応のなかで医療関係者を中心として地獄を見たわけですが、今は新規患者が居ないという名目のもとで人の動きを再開させるという「実験」を始めました。

そもそも感染者数の減少や死亡者のカウントそのものが「政治的に集計される」といわれ、全く信頼できないと言われている国ですので、その「真の数字」がどうなっているのかきっと内部で把握した上でのアクションなのか、それとも政治的功績を再確認するための暴挙なのか・・・。

何れにしても、今わかっている範囲でのコロナの感染と発症の経緯を逆算すると、もし再度爆発が発生することになるとすれば、これから2週間前後で病院に熱発、咳、その他の症状を訴える人々が押しかける事になりますので、我々は彼らの国家レベルでの実験をジーッと冷静に観察していくしかありません。

実際の所、日本でも日常レベルでの活動をどうやって、どのように再開していけばどういった事が起きるのかということを彼らの国民を使っての実験を通して知ることになる訳ですが、非常に参考になると思います。無論、正直にデータを出してくれればと言う前提付きですが、ここがもっともクリティカルな点ですね。少なくとも科学者のレベルでは正直であって欲しいと思うのです。

中国の他にもその制限解除の範囲は幾分制限されてはいるようですがヨーロッパ諸国でも少しずつ日常生活、特に経済活動を中心に人々が次第に家から出始める許可が出ているようですので、今現在ソフトな行動制限等をかけている日本の今後の確実な指針になってくれる事でしょう。

少なくとも本日の時点で5月一杯の緊急事態宣言の延長が宣言されたわけですが、それをどこでどうやって緩めていくのか、その頃までには中国とヨーロッパで始まったいわば「おずおず」という状態の開放がどうワークするのか、息を呑んでジッと見守るしかありません。

それまでに日本としてはきちんと患者数をダウンさせておくことこそが最重要課題となっているのは確かなことと思われます。

それにしても、日本政府は地方自治体に休業補償の責任を押し付けて何をやってるんでしょうかね。もう愚痴しか出てきませんが、今回の延長を受けていよいよ仕事を畳んでいくしかない人々の悲痛な声を聞くと「実際にお金を出すのは8月頃」とか言っているボンクラ宰相の脳味噌の中を一度じっくり観察してみたいなと思うのでした。(中身が入っていればですが)

潰れた後の弔慰金のつもりでしょうか?


2020年5月3日日曜日

ひでえ女もいるもんだ・・・

この親にしてこの子ありというのはまさにこの女の事なんだなと言う話。

東京で仕事をしている山梨のコロナ陽性女性がバスでおのれが陽性であるという検査結果の通知を受けた後に、家族と口裏を合わせて既に高速バスに乗って東京へ戻っていたという事なんですが、まるで犯罪っていうか犯罪そのものですね。w

そもそも「帰省は控えましょう」という第一ステップからみんなが我慢しているルールを破っているんですが、その前段階はさらに酷い。朝日のウェブ・ニュースでは「女性は帰省前から味覚・嗅覚に異常があったため、今月1日に県内でPCR検査を受け、2日に陽性が判明した。県は2日の発表で、女性には1日の検査後に実家で待機するよう求めていたが、結果が出る前の1日夜に新宿行き高速バスで帰宅したと説明していた。」と書いてありますが、その後の県への知人からの連絡で実際は知った後にバスに乗って家族も口裏を合わせていたという碌でも無い家族。

おまけにこのバカ、沢山の友人とBBQしたりゴルフ行ったりという凄いアクションもとっているというから行動はリミットレス、脳味噌の中身はアルティメットです。これ、バレたら会社は馘首になるだろうし、既に伝染してしまったことが判明している友人からは傷害罪で訴えられるんじゃないんでしょうか。

恐らくですが、地元では実名や住所が晒し上げられてるんじゃないかな・・・。こういう時代ですから、その手の検索はアッと言う間にSNS上にあげられていく可能性がありますから、、、って実際に今しがたネットで検索入れたら真実か否かは別としてソレと言われてる女性がガッチリFBとかtwitterとか含めて丸裸にされています。

誤爆を含めこれはしないほうが良いと思うんですが、もし間違って晒し上げたらそれはそれで法的責任を追求されますし。話しても通じないアホには人生の中で可能な限り接触しないということは非常に大切なことです。

このバカタレ、言い訳として犬が心配だったとのことですが、そもそもお前は家に犬を置きっぱなしにしとったんか?それだけでもお前のやってる事は十分動物虐待なんだけど。


2020年5月2日土曜日

コロナのせいで次女の大学入学にも影響が出てます

長女の大学の授業がオンラインオンリーになってしまい、ガックリしていた事は少しだけ以前ここに書きました。

実際に、オンライン授業になったことで娘達学生は揃って大学側に授業料の減免などを求めたらしいのですが、oncampusで生活している学生のみに居住費の減免のようなことが一部認められたとかで、二重に怒っておりました。まあ、仕方ないです。

ところが影響はこれだけではなくて、次女のこの次の入学先として検討しているPrattやSAICなででも出てきているのです。

実際問題として、数学や文学は未だ他の実学に比べればオンラインでも比較的マシな授業はできますが、工学などの実習、医学や歯学などの実技研修と患者との接触が必要な学部、そして娘が行こうとしているアートなどのヒト・ヒトで密接に実技を習得教授しあう学部などはとてもそんなオンラインだけで済まされない部分も多いのです。

知識の習得には座学と実習の部分がありますが、これらの学部では本当に実習の部分が巨大なウェイトを占めますので、日本の学部と同様にどうすれば良いかに関してこれらのアメリカの学部もいろいろと頭を悩ませているようです。

娘の方に届いた既に受け入れOKと言われている大学からは今後もし州政府レベルで命令が出るようであれば、大学の新入生受け入れを少なくとも数週間単位、場合によっては春の受け入れにすることも十分考えられるし、更に長引くようであればまるまる一年延期することも考えているという文書が来ていました。その上で、merit baseの奨学金の給付の権利も時期に合わせて延長するし、入学の権利も合格者には柔軟に保持させ続けさせるとの事。

これ、全く今の日本の9月入学問題などと一緒なんですが、アメリカの場合はこういった感じでより現実的で、既に来春もしくはそれ以降までのコロナウイルスによる大学の開校事態の延期もあるという考えをストレートに出してきています。仕方ないことですが、科学的にはよっぽどこちらのほうが理性的ですから「そうか~、あり得るわな~・・・」とため息をつくしかありません。

バカな日本政府が「9月に新学期をずらすことも含めて検討したい」等と長閑な発言をしていますが、アメリカでは既にその次の半年後の新学期さえありうるとした上で、何の問題もなく「4月入学もあり!」と言ってるんです。行政上の制度変更や各種社会の制度が4月入学を・・・等と言って何も決めないバカ共と違って、目の前の現実に柔軟に対応することを忘れない現場の人達がいる国は、大統領がどれほど愚かでも確実に日常は戻ってくるでしょう。

「難しい」として否定から入る日本と「やってみるか」と対応するアメリカ。精神論だけで済ませない強みを持つ国は強いです。

2020年5月1日金曜日

経済への大打撃はどこまで

中国初の全く嬉しくないプレゼントが世界中を疲弊させていますが、日本の経済もローカルエリアを中心に枯れ始めているとしか思えません。

中小そして零細企業、企業とはとても呼べない家庭レベル、個人レベルの経営を行う小売り、食堂、喫茶店などを含め、まさに明日のメシ代に事欠くような人達が日本中に無数に居ることでしょう。運営資金が借りられず店を畳むところも猛烈な数に上るんではないでしょうか。

東京商工リサーチの発表数をよく見ておくようにと、昔家庭教師で教えていた女の子である大手証券会社に勤めている子から二ヶ月ほど前に言われていたんですが、その時「リーマンどころじゃない数字が出てくると思う」と言われていました。その数字が出揃ってくるのがそろそろ、そしてこれから数ヶ月はその数値に恐ろしいブーストがかかってくるじゃないかと考えてます。

国会での審議を視ていても、この政府には全く期待できないことは明白。必要な時に必要な金銭的な援助は全く届かず、これらの「本来廃業する必要はなかった優良店」も次々に潰れていく可能性がかなり強いなと思いました。国会がグダグダになっている間に中国からのウイルス流入を止めることが出来なかった責任などは何処かに飛んでいってしまっていますが、いろいろと責任論などは当然後回しにしてでも、本当に補償や援助の話、企業再生法のより進んだ運用などをサッサとしていかんとアカンでしょう。

毎度の如くこういった時に登場するのは民間企業と自助努力。本当にスピード感が全く無い政府を尻目に、給食用やホテル向けに作っていて、今回の事件で全く売れなくなってしまった野菜その他の食材をネット経由で売る農家や企業がどんどん出始めているという話。
結局、自分を助けてくれるのは自分とその周囲しか無いということに気づいた人達はさっさと次のアクションをおこし、逆に余って途方に暮れていた食材を完売したりしているという話。
いつも税金を吸い取っていく行政がいざという時には全く役に立たないというのは毎度のことですから驚きもしませんが、私企業の皆さんはネットという、昔はなかった武器を使って何としてでも生き延びてほしいと思います。それでも、ホテルとか旅館とかの「お客さんが来る」ことで利益を得る企業の存続は難しいか・・・。保養地で多くの廃業した旅館業者が軒を連ねるという景色は今後の日本全体のためにも良くないことだと思います。

それでもパチンコ屋は要りませんが。