2025年4月15日火曜日

どんどん減っていく外科医

医者の世界の外側に居る人達には全く見えてこないモノがあると思います。

まあ、どの業界でもアルアルという内輪ものの情報ですが、当然の様に医療業界にもそういう内輪の話はあります。数ある団扇ものの話の中で最近よく話題になっているのは直美といって、初期研修のみを終え、保険医療の世界を経ずに「美容外科の世界」へ直接飛び込んでいく大量のヤバイい人達の事。

まあ、お金さえあれば他の事なんてどうでも良いのよ~と言う連中の相手など私的にはどうでも良くて、タワマンにでも住んで高い車にでも乗って、自分と同じような残念な子供に金をかけて、何とかもう一周後にミニ直美を育てて我が一家は安泰みたいなペラペラな生活が理想という様な脳味噌の中身の薄い方々はそちらの方でしっかり頑張ってください!というエールを送らせて頂きたい。

私の周辺にも金の力でなんとかかんとか医師になって「その人なりに頑張っておられる」私立大学の方々が居られますが、そもそも日常臨床においてその業界の学術的未来を牽引していくような人物は基本的に国公立大と一流の私大由来の人に多いというのが周囲の現実というか、そもそも研究志向の普通の私大の卒業生がどれほど居られるのか。なんとうか、住む世界が違うというのは医師同士では暗黙の了解では無いでしょうか。(少なくとも私の住んで居たリサーチの世界はそうでした)

勿論、私立大の先生にも臨床医として地域医療に頑張っておられる先生方も居られますが、基本は親の病院を継いだりという方々が本筋だったり、親が中小企業の社長さんとかいう感じで、その娘さんや息子さんたる医師には金の心配は要らんので大学のポストという箔付けの為に、必要以上にたくさん存在している私大の准教授、講師のポジションなどに薄給で使われているなんて言う話もゴマンとあります。私立の先生御自身からそんな話を直接聞くだけなので、それがどこまで本当なのかは知りませんが…。

そもそも、親が医者だから子供も医者にするという発想は私的には謎の思考回路なんですが、資産管理や医院継承というのはなかなかに大変なんでしょうな。知らんけど。w

さて、こういう様々な道筋を通っていろんな道を選んでいろんな科に進んで行く医師の卵が沢山毎年出てくる訳ですが、恐らくいま業界の中の人達が大変心配しているのが外科系の先生の激減。特に若い人達で中堅どころの先生方が研修も終え、これから一流にならんとする所で外科の世界から抜けていっているというのです。

実際これは外科の先生方の間では大きな問題として認識されているとのことで、問題意識を持つ先生方が知恵を絞って日本の種々の外科学のレベルの向上(というか維持)を考えておられるのだそうですが、辞めていく人達を止めるのは本当に難しいとの事。

こういうお話を外科系の先生から伺うと、心配になるのはこれからの日本の外科系の姿。緊急手術をこなせる先生が減り、食道癌のオペのような高度な手術を可能とする施設が激減するのではないかという未来予想。

今迄当たり前だと思っていた多くの病院における種々の高度な手術を期待していると、近未来にはオペを待つ人達の行列が出来る可能性というのも出て来るのではないかと危惧しています。さて、どうなることやら。

0 件のコメント: