通達と通知
法的な指揮監督権がない相手方への示達は慣例的に「通知」と呼ぶ(文部省『公文書の書式と文例』(1959年11月発行)では、「法令その他の権限に基づいて発する文書」が通達で、「通達以外のもので、一定の事実、処分、意思を伝達する文書」が通知としている。)。2000年の地方分権化一括法により、国の機関委任事務に関する地方への指揮監督権がなくなり、国から地方公共団体への示達文書は通知となった。しかし日本において、通達は指揮監督というよりもパターナリズム的な主従関係により発せられ、法的命令権限の有無にかかわらず受翰者は発翰者の意を忖度して自主的に服従するのが当然であり、実務的な拘束力に差異がないため、本項においては通達と通知を区別しない。
名古屋と言うところは回りの自治体と比べても、何にしろ仕事が遅いのが私の一般的な認識です。今回のコロナワクチン接種の準備でも周辺自治体に比べて素敵なくらいテンポが遅いです。大都市圏の大規模地方自治体なのに仕事は田舎者。おまけに上級省庁との齟齬も多く、アノ市長の御指導のもと行われた未だにあいちトリエンナーレ関連の署名行為に関する揉め事で愛知県とは犬猿の仲・・・まあ、そんな事は脇に置いておいて、話を進めましょう。
江口先生の文章は続きます。
1・子宮頸がんとHPVワクチンの有効性について
日本における子宮頸がんの罹患者は1.1万人/年、そして2,800人/年がお亡くなりになります。また、30歳までにがん治療のために妊娠ができなくなる方が1,200人/年。5大ガンが次第に死亡率を下げる中、子宮頸がんの死亡率はその逆の向きに。発症のピークが20-30代であるため、幼い子供を残してお母さんが亡くなるという悲劇が日本中で「毎日」繰り返されています。
(実は私も短い研修医生活の頃に妊娠した赤ちゃんを産む為に己の命を捨てて出産したお母さんが居りました。私が研修医として働き出した頃には既に脳に癌が転移して意識は混濁しておりましたが、先生が書かれた上の記述が自分の実体験からしても全くそうだろうと推測されますし、小児科医として日々妊娠、出産とその後のケアに深く関与されて居られる江口先生だからこそ記せる文章だと思います。)
子宮頸がんの95%以上は性的接触によるヒトパピローマウイルスHPVの感染が原因で起こります。200種以上あるというHPVの中でもHPV16・HPV18は特に悪性度の高いHPVと言われていて、この2種類の感染を予防するサーヴァリックス(2価ワクチン)ともう少し他のHPV(HPV16,18+6,11)も予防すべく作られている(4価ワクチン)のガーダシルがありますが、これらはHPV16/18による子宮頸部の前がん病変をほぼ100%予防するということが既にわかっています。多くの国では既に9価!のワクチンの公的接種が、更にはオーストラリアでは2013年から男子生徒にも!接種が開始されています。予測では2020年頃までには6人/10万人が罹患する希少ガンに、そして2028年頃には4人/10万人という排除レベルに、更に2066年頃までには1人未満/10万人という撲滅レベルにまで行くという予想がなされています。
私自身もバージニアに居た頃は中咽頭癌、口腔癌等とHPVのリサーチもしておりましたので、HPVに関しては普通の医師以上に研究者として向き合ってきましたので、そういった統計も論文や論説のイントロを読んだり書いたりするときに本当に日々眺めていましたが、世界の現実は日本という国をはるか後方に置き去りにして進んだ予防公衆衛生を進めていることになります。江口先生のお話は更に続きます。
2・HPVワクチンの安全性について
WHOの子宮頸がんワクチンの安全性に関する専門委員会は世界中の最新データを継続的に解析し、その安全性を繰り返し提示してきておりますが、2019年7月に改めて「」と発表。2015年に我が国で行われた名古屋スタディーでも改めて副反応とされた症状とHPVワクチンの因果関係を支持するものはなかったという結論を得ています。
上の部分も以前から繰り返し言われていることなのですが、日本では「ワクチンで起きたと主張する副反応(けいれんや痛み、学習不振や不登校)」が出たという女の子達とその母親達による訴訟の事ばかりがマスゴミには報じられ、多くの女の子を持つ子供達の両親を震え上がらせて以来、あろうことか科学を無視した公的機関(根本的な責任は政府と厚労省)がそれに同調して、ワクチン接種を「積極的には推奨しない」等といういつもの玉虫色の文言で関与を否定してしまいました。(要するにお前ら勝手に自分の責任でやれ!わしゃ知らん!ということですよ。)
このお話、私の書くブログでも珍しく大事な文章だと思いますが、ちょっと長くなりがちなので、江口先生の記述の残りの部分も明日以降も分割して書いていこうと思います。
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