陰謀論にハマる人、ごく身近にいていつも嗤っています。
実は医局にその方面では有名人の某精神科医の先生が居られます。先生御自身は精神科診療の方面ではきちんとした方で「その方面に関しては」十分に信頼できる診断と治療をされておられるのですが、突出して特異(得意?)的なのは陰謀論に対する親和性の高さ。
もうそれはそれは驚くほど。そもそもコロナのことはあらゆるタイプの陰謀の巣窟であって、9/11も実は無かった方に与してますし、地球温暖化なんて云うのはそれを喧伝することで何らかの利益を得る人間達が組み立てた嘘らしいです。w
更に興味深いのはグーグルに対する不信感。もうその疑い方は堂に入ったもので、彼にとってグーグルというのは、ほぼ全地球監視網の支配者という感じの位置付けです!そのサービスはなんとしても避けようとしますし、Google Street Viewに対しては自分の家のViewが完全に出ない様にマスキングを依頼して靄がかかった状態にしています。私からするとそっちのほうがよっぽどキテレツで目立つでしょうとは思うのですが・・・。
今回のコロナ禍で良くわかったのは、科学的なdata drivenによる議論ができない人達というのがこの世には一定数居るということですね。大きな特徴は目の前にある数値が「そもそも嘘であって」という大前提であること。我々のようなwet labで這いずり回ってデータを掻き集めてきた人間からすれば、報告されてきたデータや論文の中には特別な条件下でしか成り立たないものや全くのデタラメもバッチリ混ざっていてその中から真実は何かを見つけることが我々の仕事の一つだと思っていますので、嘘データというのはプレゼンテーションをしてきた段階でその背景にある実験手技や使ったマテリアル、その実験を行った理論的背景などの説明を聞いているうちに殆ど必ず「?」「あれあれ」「おい、ちょっと待った~!」というような可怪しさが表出してきてそこをみんなから散々叩かれまくるわけです。
しかも、皆、世界中で重要な結論やデータというのは即追試されますので、嘘論文というのは徹底的に丸裸にされて論文撤回とまで行くわけで、引用もされずこの世の中から消えていきますし、後に世界を変えるような切っ掛けを作ることになった重要なデータと仮説が発表されたような論文はインパクトファクターが小さくとも、論文が短いものであっても世界は何千回とその論文を引用し続けて最後には教科書に載る重要文献となって行くわけです。
こうしてあっという間に消えたのがあのSTAP細胞なのですが、世界には世紀の捏造論文というのが幾つもありまして、小保方さんは「STAP細胞はありま~す」で、日本代表みたいな感じになっちゃってますね。
陰謀論にハマる人の特徴はどんなものがあるのかという事に関しては無数に語られていますが、こんな感じの説明が最も解かりやすいでしょうし、読んでいても比較的納得しやすいでしょうかね。
不当に扱われたと感じる経験を持つ人、精神病質など色々書いてありますが読んでいて純粋に面白いです。そういう視点を持ってその人達のキャラや人生の来し方等を見直してみるのも人間観察という意味では楽しみが増えるかと思います。^^
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