2021年11月16日火曜日

患者「様」など居ない

バイト先の病院では患者さん達を訪問診療、施設診療、外来など多岐にわたるシステムで診察カバーしています。

数千人の人達を一つの病院でカバーしている訳ですが、中にはどうしようもなく「困り者」であるような人もある一定の割合で必ず混じってきます。幸いにして私が受け持っている患者さんやその御家族にはそういった方々は今迄いなかったのですが、他の先生が受け持っていた患者さん達の中には飛び抜けて困りものである患者が居て、その先生の退職に伴い私がその患者さんを引き受けることになりました。

この患者さん「ある病気」で我々のシステムに入ってこられたのですが、診断のついている体の病気よりも診断のついていない「心の病気」の方が実際のところより深刻です。

書き始めるときりが無いので一々は書きませんし、特定の問題もありますので詳細は書けませんが、自分は「病院の顧客」と言う感じのなにかトンデモナイ勘違いをしているような患者さんです。この患者さんの引き渡しをする前に担当されていた先生は若いのに実に優秀で、冷静沈着かつ人格高潔な素晴らしい臨床医なのですが、その先生をしてほとほと困らせるような人物。

この先生の言葉尻を捕らえてはハッキリとした「理不尽な」クレームを次々と突きつけてくる上にあちこちの施設でドクター・ショッピングを繰り返している事が現在までに明白になっています。結局の所、幾つもの病院での薬の処方のオーバーラップの為に投薬総数が30種類以上になっていることが最近判明し我々の病院としては患者としてサポートしきれないという判断に傾いています。

私も引き継ぎ後に一度だけ話をしたことがありますが、一回の診察だけでもとてもココには書けないような問題行動が次から次へと出てきて同席した看護師さんと帰りの道すがら「ヤバいね」という話になりました。

患者を様付けで呼び始めた一部の病院の一部の勘違い医者の所為で自分のことを勘違いする患者が跡を絶ちません。大きな病院では普通に警察呼んでますけどね。こちらとしては恐らく診療お断りの手続きをして困るのは患者さんの方だということを理解して頂くことになるのではないのかな?と推測してます。

そうするだけの数々の「やらかし」の記録が溜まりすぎました。当方に瑕疵がない以上、それも宜なるかなです。病気というのは患者さんと医師が手を携えて治すもの。一方通行の関係などどこにもないのです。普通の社会のルールは医師と患者の間でもごく普通に存在するものであって、お互いの説明責任と信頼関係が成立しないようなところで医療行為はなされ得ないのです。

念の為再び書きますが、病院にとって患者「様」などどこにも居りません。店にとってのお客様が選ばれる側であって、ルールを無視してまでその理不尽を受け容れるような時代が終わったのと同じです。お客様は神様ですというのは三波春夫の歌の中だけの仮想空間なのです。


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