2021年11月29日月曜日

オミクロン株

いよいよギリシャ文字も15番目が表舞台で注目され始めました。
 
今までの変異よりもかなりミューテーションの数が目立つということで注目されている点もありますが、ネットではこの変異の「数」に注目して大騒ぎ。ヤバいだの世紀末だのと言う言葉を使って「信じやすい」方々をパニックの方向へと導こうとしています。殆どパイロ・マニアの世界です。火をつけることを楽しむ輩の群れ。
 
医療関係者のフォーラムでさえ、頭の悪そうな一部の連中が騒ぎ立てていますがこういったフォーラムでも極端な連中がいつも居て、医者でなくとも「医療関係者」であれば書き込めることから、なんとかフォーラムを変な方向に引っ張ろうとする下品な連中が登場するときもあります。更には医師免許番号と実際の働く職場への電話確認までしてくるかなり確度の高い医師だけのフォーラムもありますが、そういうところではどちらかと言うと感情とソース・証拠の無い話で話題を盛り上げようとする連中は冷たく叩かれがち。当然ですが。
 
どの変異株が登場したときであろうとも我々に必要なのは先ずは冷静な解析です。正しく準備して対応することが必須であることは何時の感染症伝播時でも変わりはないでしょう。変異の数が多いと言ったところで、今までに登場した変異株も実際のところは報道されていない部位の変異まで合わせれば物凄い数の変異が既に無数に導入されている事は既知の話。変異が入ったからと言っても、それが弱毒化変異だったり己を死に導く変異だったりするようなことは当然起きているわけで、n個の変異が入ったからと言ってそれがモンスターだ等と騒ぎ立てるのが如何に馬鹿げたことかというのは、遺伝子の変異やそれによるアミノ酸再構成がどういう形で最終形態に影響を受けるかというのを予測する側から見れば、やたらに恐怖を煽り騒ぎ立てる連中は「本当にお前らときたら・・・」となります。
 
 現時点では未だ全く何も解かっていないに等しいオミクロン株(B.11.529)はナミビアの外交官が日本国内での検出例第一号になったようですが、おそらくは南アフリカ発と考えられるこのVOC(Variant of Concern)は南アフリカの医師の報告では強く現れる疲労感が数日続いた後、吐き気や頭痛が数日続いて終了というパターンが、診察をした「大学生」のような若い人々では診られたと言っていましたが、それも観察対象の数がまだまだ少なすぎて標準的な観察と言って良ものとは思えません。そしてまた、感染力が高いというのは病原性が強いということとは独立した事象であることも再度思い出しておくべきでしょう。
 
今後、入院者数や重症化のパーセンテージ、死亡数そして現在までに使用されたワクチンに対する「回避」の状況などが判明してくることと思います。そもそもそういった事が全然明確でない段階で、ワクチン投与率がまだまだ低い(ごく最近やっと40%に乗ったばかり!)南アフリカでの話を日本にやってきたらどうかなどという乱暴な話はもう少し冷静になって考えるべき。
 
憂慮すべき新規変異株の流入は「人的交流の制限」という形で絞りつつ、もう少し冷静に全体の状況を見つめていくべきだと思います。そのうえでギアを上げるべきか否かを素早く行えばよろしいのではないかと思うんですけどね。そういう意味では今回、政府がこのコロナの観戦状況の好転に鑑みて一日の外国人入国人員を3000から5000に増やそうとしていたのを逆に原則ゼロに素早く絞ったのはなかなかだと思いました。
 
さて、これから一ヶ月。日本はどんなコロナ新年を迎えますやら。


0 件のコメント: