2021年11月11日木曜日

頼むから止めてくれ・・・

今日も一人、過去に喫煙者であった方が塗炭の苦しみを味わいました。

転入院されて来られた方で、話していて楽しい知的な方ですが、日に日に弱ってくるのが見え続けたこの2週間でした。もうかなり前にオペと放射線照射療法をされて一旦は良くなっておられた方です。

子供さんも居られず御高齢のお姉さん方がお二人居られるのですが、その方々をお呼びして最後のお別れをしていただきました。今だけなのですが、コロナ禍の一瞬の緩んだ合間の今だけ、病院の方針として「2度めのワクチン接種が済んで2週間以上経過した方々のみ」最後のお別れに限って短時間、一回2名までという制限付きで会っていただいています。

病状の説明をした後、お二人のお姉さんは御自分の車椅子の上で深々とお辞儀をされました。私自身がこの時点で出来ることと言えば、お薬を使って御本人の呼吸苦を取り除くことのみです。幾つかの段階的な手順が取れるのですが、お姉さん方が弟さんの姿を見てポツリと言われたのは「タバコなんか吸わんけりゃこんな事にならんかったのにな・・・」と言う一言。

肺気腫、頭頸部癌、肺気腫、COPD。どれをとっても私がなりたくない病気のトップ10に入ってくるものばかり。何れも強烈にタバコとの関連があるものばかりです。

恐ろしいのは、投薬で緩和しなければこうやって身の置き所も無いほどの苦しみにのたうつ患者さんを目の前で自分自身で日常のケアをしながら「まだ」喫煙という習慣から抜け出せないヘルパーや看護師がいるという事実です。これには毎度驚愕。

タバコというのはCOとニコチンで脳を麻痺させてるようなもの。喫煙という行為を通して長い長い時間をかけて多種多様の病気の種を自分自身の体のみならず周りの人間にも撒き散らしていきます。

日本に帰国して6年。一体何人の喫煙関連疾患の方々を見送ったことか。本当に本当にタバコが憎いです。タバコの帝国であったバージニアから帰って来た私ですが、その本元は今既にタバコとは関係のない土地になろうとしている皮肉。

もういい加減にJTは日本の人々に死をばらまくのを止めてくれと言いたい私です。


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