日本人なら誰でも知っているある大手飲料系の会社で営業をしている御主人が「テレワークで一日中家にいて苛ついて居ます」という看護師さんの話を伺っていろいろと考えさせられました。
アメリカで研究者として生きていた頃はいわゆるテレワークというのはごく普通で、秘書に一本電話を入れて「今日は家で論文の仕上げをやる」と言えば済むことでした。車を運転することもなく、ゆっくりと食事とコーヒーなどをテーブルに運んで朝からPCのモニタに出した論文などをみながら必死で仕上げていくことも良くありました。
特に予算獲得のために研究計画書をNIHに向けて仕上げているとき等は、既に自分の手もとにあるデータを整えていきながら眼がシバシバするまで「あーでも無い、こうでも無い」という感じで文章とフィギュアを弄くり回す一日でした。実際は気分転換の為に逆に自分のラボに行ったりもしていましたが。
所変わってここ日本。私の今の職業ではテレワークという言葉はちょっと使えない世界ですが、私の友人たちで他業種に就いている人間などでも大手の商社などで働いている友人はテレワーク状態と言っていましたが、一体何をどうしていることやら・・・。
では看護師さんはなぜ自分の御主人の「テレワーク」と言うのに文句を言っていたかというと、家で何もしないんだそうです。w
要するに営業職の御主人は今までそんな事をしたこともないし、会社からも何をして良いのか指示もないから家で特に何かをすることもなくボーッとしているとのことでした。その話を聞いて思ったのは「さもありなん」という一言。
一般に日本人がこういった仕事の形態に慣れているわけもなく、生まれてはじめて経験するという人が殆どじゃないのかと思うんですね。そこで、もう少し会社からの指示その他に関して奥さんである看護師さんに伺ってみると、案の定「会社も何をもって仕事として良いのか決めかねているんだそうです」というお話。w
結局、多くの会社で”ただの休み”になってるみたいです。大手だからこそ、それでも許されるのでしょうが、ビバレッジ産業ですから、製造現場や下請けの配送などの物理作業をする人達はそういった親方の仕事には関係なく働き続けなければならないというのは自明。今回のコロナ禍は産業内の階層構造もしっかりと目の前に晒すことになってしまってます。
今回、結局のところは奥さんが看護師として「病院で休日もリスク込みで毎日仕事しているのに旦那は・・・というのが単純に頭に来ている」というのが話のオチみたいでした。私からみると、それでも稼いでくれる御主人をもって幸せだと思うんですが?視点を変えてみては如何でしょうか。
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