- 米国教育委員会(ACE)は、高等教育機関の収入が来年度に230億ドル減少すると考えている。
- 4月下旬に実施された調査では、大学総長(学長)の57%が人員のレイオフを計画していると答えた。
- 半数が一部の講義要目を統廃合すると話し、64%は長期的な財務の継続性が最も差し迫った問題だと答えている。
- 現在のアメリカの大学生及びその卒業生が抱えている教育債務の残高はなんと2兆ドル!
- 急騰する授業料、価値のない学位、大学、政府双方が行ったリスクの高い投資は、経済成長と社会的流動性に対する猛烈な向かい風になった。
- ニューヨーク連銀は2年前、学資ローン債務と高等教育の機能不全を、米国経済全体にとっての問題としてやり玉に挙げた。
- 残念ながら、米国の高等教育システムは、医療、住宅、労働市場などと同じように二分化されている。(一流大学の華やかなブランド学位を持った人は非常にうまくやっていける。質が高く、学費が安い地域短期大学や州立大学に通う多くの人もうまくやっていける、とこの筆者は考えている。)
- シンクタンクのデモスが実施したある調査では、4年生大学の学位を持つ夫婦2人の学資ローン債務は平均5万3000ドルで、生涯にわたる財産の喪失が20万8000ドルにのぼる。
- 1930年代の大恐慌の際に多くの大学が破綻したように、一部の学校、特に二番手の私立大学は破綻するだろう。今日の大学セクターのミニバブルを考えると淘汰は適切だ。
記された債務の多さには改めて驚かされますが、以前もいろいろこれらのことに関しては書いてきましたが、結局のところ実際に学生達が異様に高騰した教育費を払わなければならなくなってきた最大の理由は大学の中にいる管理職部門の人材への費用の増大が最大の理由とされています。
今回のコロナによる学生の「教育現場」からの離脱とリモート授業。多くの学生達が大学に払うための学資を稼げなくなり、自主退学を余儀なくされる可能性があるとすると、大学の収入は確かに激減するはず。そういった中で、教職者のみならず管理職部門の人材のスリム化も確実に起こるはず。
更に間違いないと思われるのは、小中規模の訳の有名でない特徴のない大学はかなりの速度と規模で潰れていくと思われるということでしょうか。コロナ禍が一周で収まるとはとても思えない中で資金繰りに悩みかつ銀行からの融資などが引き出せないところは多分今回のウイルスの襲撃で、人が倒れるのみならず大学も倒れていくのでしょう。
正直なところ、アメリカの大学卒業生の序列化というのは日本とは比較にならないレベルで厳格で、超が付く学歴格差社会だというのが私があの国に住んで感じた印象。卒業した大学の名前とそこに残した成績は一生その人についてまわるのです。
果たしてFTの筆者の予想はどこまで当たるのか。私もその規模まではわかりませんが、相当数が薙ぎ払われるだろうというのが私も考えるイベントです。金がかかりすぎると教育の機会均等は確実に損なわれます。そしてそれは格差の拡大再生産へ繋がるという現在アメリカに起きている悲劇へある程度の打撃を与えると思われます。(思いたいです!)
今の学費の半分くらいの年二万ドルくらいが上限で良いと私は思います。それでも私の感覚的にはまだまだ高いのですが・・・。
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