2020年12月13日日曜日

転倒、転倒、転倒

高齢者の多い病棟に勤めていると高齢者ならではのインシデントに遭遇します。

そしてその中で最もよく起こるのが誤嚥と転倒でしょうか。通常は脳血管障害がベースになってそのような障害を起こしますが、老化によるインシデントとしては早い人は70代でその様な障害が発生し始めます。

生物の老化というのは本当に個体差が大きく、人間はその中でも最も個体差が大きな生物の一つじゃないのかななどと1人で想像したりしますが、それはきっと生物としての日常生活における食・睡眠・運動などのパターンが他の動物などとは桁違いにバリエーションに富んでいるからではないかと思います。もちろん遺伝子上のバックグラウンドの差も巨大な要素の一つではあるのでしょうが。

そのせいでしょうか、60代で既に生物学的には80歳くらいに見える人もいるし実際にADLも80代に人もいれば90代なのに見かけが70そこそこにしか見えない人まで様々です。しかし、肉体年齢が衰えている人を中心に誤嚥や転倒のインシデントは頻発。時にそのインシデントは命を奪いかねない危険なイベントとなるのです。

一度などは70代で歩行機能の落ちていたお爺さんが廊下で「地蔵倒れ」の感じで後ろ向きに昏倒し、直ちに近隣の医科大学で開頭手術が施されましたが術中に死亡されるというようなことが起きました。

そういう極端な例は稀だとしても、椅子から立ち上がった拍子に、トイレから立ち上がった拍子に、ベッドから動こうとした拍子に転倒したり尻餅をついたことで驚くほど容易に大腿骨頸部骨折や寛骨、そして恥骨骨折などの単純・複合骨折を起こしてしまうのです。

入院時に骨密度の測定を行いその数値がある一定の数値以下の方を骨粗鬆症として最初にアラートを発しておきます。その上でベッド上、若しくはリハビリ室でのリハビリを通した骨量の維持を行って、カルシウムの取り込みを促す薬の使用と共に筋量も増やそうとするのですが、本人の認知能力や意欲の問題などが様々に絡み合いそのリハはなかなか進まないことも多いのです。

個人的に強く思うんですけど、肝になるのは中年以降のコンスタントな運動による筋力と骨量維持ではないかなと。そういう意味ではある程度自分に鞭を打つことで「無理せず」頑張るのはこれから自分自身には益々大事になるかと考えるのした。

とは言え俺は根が怠け者だからな~。コケて怪我する爺さんの一群に属さなくて済みますように・・・。w


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