2020年12月29日火曜日

世間は休みでも病院は休まない

コロナ禍の留まるところを知らない年末が続いています。

我々の病院でも今年一年で職員さんが2名陽性、そして職員さんの家族が2名コロナ陽性者と判定されています。すべての職種を合わせると500名前後となるこの大きな組織が、これだけコロナが流行っている状況でそれだけで済んだという事自体に幸運を感じざるを得ません。

毎日毎日多くの職員さん達がその家族との間で普通に接触し、かつ開放病棟の患者さん達は朝の9時を待ちきれないかのように毎日外に出ては買い物から帰ってきます。まあ、基本的に近所のコンビニにみんなで行って帰ってくるだけですのでまだリスクは少なめなのでしょうが、それでもその行動自体がリスクファクターには変わりません・・・。

前回、第一波の発生時に愛知県に警戒警報が発令した時にはビシッと感染がコントロールされました。ところが更に桁違いに巨大な第三波が来ているにもかかわらず、名古屋市も愛知県も前回のような明確な「非常事態宣言」を出してくれませんので、病院を行政の指示という明確な形でロックダウンできないままです。しかし、こればかりは仕方ありません。我々自身が行政を遥かに上回る注意を自主的にするしか無いのです。

まあ、病院は未だに危篤状態の患者さんとその家族さんの面会以外は許しておりませんし、中にいる全員がほぼずっと緊張感を持って過ごすとともに、外出、その他諸々の点で何らかの不便を強いられています。

しかも、万一コロナ患者が院内で確認された場合に、いわゆる「ボランティア」としてコロナ患者の対応に当たる看護師さん達10名も既に決定されています。一体その10名が誰なのかは現時点で私達医師にも知らされていませんが、厳しい状況であることに変わりはありません。

以前にもここに書きましたが、そもそも精神科の患者さん達というのはこのような状況では治療のチャンスという意味で差別を受けやすい存在。治療中に暴れたり指示に従わなかったら・・・等という「万一」の事態を理由に転院を渋られることが多いのです。「責任を取れる方を一緒に付き添わせてください」等と言われても実際には家族が居なかったり関係断絶という形で捨てられている方々も多いのです。

ワクチンの成否はまだ判りませんが、やがて多くの方々に免疫が成立するような安全なワクチンが配られることを心の底から願うと同時にクラスター発生などが起きないことを願う令和2年末の私でした。


0 件のコメント: