2020年10月6日火曜日

金持ちにも程がある

高齢者になって、どこでどういう老後を送るかというのは思った以上にバラエティに富んでいます。

勿論、家で死ぬまでをなんとか過ごせるというのが最高の幸せには違い有りません。しかし、皆が皆、なかなかそういう幸せな最後が送れるわけでも有りません。実際は最後の最後に病院以外の場所として「外の施設」に最後の数年間~十年前後を頼ることになることが多いのが現実です。(本当に最後の最後は病院に移る方も多いのですが。)

病気の有無、認知症の程度、家族の有り無し、持ち家の有無、そしてデッカイのは経済力です。みんな意外と忘れているのは高齢者になってくると賃貸の新規契約どころか契約更新をされないことがあるという恐ろしい話。特に安いところに移ろうとすると高齢者にとって「えっ!」ということになりかねません。

また、認知症のみならず行動異常などがあると例え施設などであっても受け付けてもらえないことがあります。(施設っていうのは意外といろいろと細かい基準があって、年取って金を払えば入れると言いうものではなくて、注射をしなければ栄養が取れない人とか、認知が酷いと入れないとか、食事を摂れない人はお断りとか、食堂まで自力で移動できない人は駄目とか、外からは伺いしれないいろいろな制限がついていることも多いのです。要注意!)

私がバイトで在宅に入っていろいろな施設を見る事が出来るようになって、図らずも名古屋市のいろんな場所の老人向け施設事情を見ることになったわけですが、中でも驚くことが多かったのは「サ高住」と言われるサービス付き高齢者向け住宅のバリエーションの多様さと、その中の特に特上レベルの居住サービスの豪華さです。

しかし、それには当然のようにお金がかかります。月に10万~15万何ていうのはまだまだ普通で、中には月に30万とか45万とか・・・私が知っている最高レベルのものは名古屋において月70から90万!というもの。

月に90万とか・・・爺さん婆さんにそんな金額をつぎ込めるとか凄いですね。上には上がいるもんですが、その中身はどういうものかと言うと3LDKとか4LDKとか言う豪華さ。中を見たことがありますが、まさにマンションそのもの。きれいなフロアには大理石がはられた壁があったり、食事はホテルのメニューもかくや?というようなレベルの豪華なものが多いんですが、本当にこれってジジババが幸せなの?っていうのが本音です。そこにお年寄りを送り込んでいる家族はベストと考えているフシがあるのですが・・・。

実は中には「ここから出たい、ここは地獄」なんてこっそり私に話しかけてくる人も居るんです。施設の人には話しませんが、実は施設の人自身もそれを判っている人がいて、お年寄りに直接そういう内容の話を話しかけられて本当は「可愛そうです」と私に話しかけてくる施設員の人もおります。

世の中、金だけで解決できないものも沢山あるみたいです。


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