テレビの宣伝で法律事務所の宣伝がありました。
名古屋のローカルなのかどうかそもそも法律事務所の名前を覚えていないので、法律事務所の方には申し訳ないのですが、私向けには少なくとも効果がなかったことになります。なにせ名前覚えていないから。w
ところがその事務所の宣伝に医師を意識した各法律問題別の専門家を配して勉強させ、研修させそれぞれの問題にあたらせているというような宣伝内容をほのぼのアニメ風に解説しているものでした。この説明は確かにまっとうしごくなものですし、得意分野に特化した法律家が夫々の分野で攻撃や防御を担当するのは今の時代当然ですしね。
法律事務所だからと言って何でもかんでも案件に喰い付けば~という状態では勝率を上げることも出来ないでしょうし、そんな法律事務所じゃ時間が経てば客も寄り付かなくなるでしょう。(法律事務所って自分の受け持ち案件の分野別の勝率とかを開示してるんですかね?法的にそういう事をしたら駄目とかあるんでしょうか?知りませんが。)これはそもそも医者だからと言って何でも出来る等という事は「決してありえない」のとおんなじですよね。江戸時代の医者ならいざ知らずですが。
しかし、良くあることに関しては薄い知識であっても知っておけば日常臨床には大変有用だということはいくらでもあるわけです。患者さんが転入してきた時に他科の先生が処方されている薬の内容を見てその治療の組み立て方を当方のアタマの中で再構成する時などには、書かれている有名どころの薬を「ある程度は」知っていたほうが(すぐに調べが付く薬の辞典はフリーで医師用にスマホ・ソフトとしていくらでもありますが、それでも)スイスイと記憶の倉庫から呼びだしてアタマの中で理解できればやはり時間が短縮するし手早いわけです。
ところが、こういった時にもよく理解できないのはやはり(自分ではほぼ初発処方としては絶対に使わない抗癌剤は別として)眼科の薬です。幸い当院にはバイトの眼科の先生が大学病院から週に2回来てくださるので多くの患者さんに検査後は色々な処方が出されているのですが、それでも長い期間みていると点眼薬というのにも時勢によってイチオシというのがあるようで(無論、その先生方の好みにもよるのでしょうが)ある程度「この眼疾にはコレ」が今は流行っているのだなということや、処方のパターンが見えてきます。
そういった知識がどこで生かされるかと言うとバイトで行っている在宅診療。患者さんたちの中には本当に足がなくて外に出られない人がいるのですが、その人達にも50過ぎている人達を中心として他に糖尿病や眼の見え方に問題のある人などには(伏してお願いしてでも)最低半年に一回から1年に一度くらいは眼科に行って目の検診を受けてもらっているのですが、その眼科通院以降に使用する薬としての点眼薬の処方継続などの時に自分が継続を仰せつかっている時の勉強として「眼科という自分にはよくわからない世界」の処方の勉強は役に立つわけです。
オマケに最近は眼科の先生でも多くの方がネット上で薬の作用の解説や使用実感などを開陳してくださっているので、知識の肉付けには素晴らしく良い時代が来たんだなって強烈に思いますね。
ざっとではあっても、隣は何をする人ぞ?っていうのが理解できていると色々便利だなというのはどの世界でもあると思いますが、医者の世界も細分化が進んでいるとはいえ、そういった知識は無駄ではないなと感じる日常臨床です。今日は偶々思い出した眼科の話をしましたが、精神科薬なんかもその世界。睡眠障害、せん妄、認知機能障害などの対応などは一般科の先生にとっても決して他科任せでは済まされない事態も起きますのでそういう他科に関する知識が役立つ場面は同様です。
とはいえ、最終的には必ず専門医に確認を取りながらというのが我々の日常ではありますが。
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