病院において私がよく観察しているのは新たに看護師から主任、そしてその後に昇格して師長さんになった人達の仕事ぶりです。日本に戻って12年目になりましたが、看護師に求められる能力と看護師長に求められる能力とはかなりベクトルが違うなと何度も何度も見せつけられる日々です。
戦場においては兵士としては勇猛果敢でも師団長としては統率力に欠ける軍人とでも言えば良いのでしょうか。そして、それがプロ・スポーツであれば選手としてはそこそこの活躍しか残せなかったけれども名将として活躍する人も一杯居る訳です。サッカー、野球、バスケなどそれはそれは枚挙に暇がなくて、その逆も当然で選手としては超一流でも監督としては残念レベルの人もこれまた掃いて捨てるほど居る訳で難しいものです。
看護師としては気が利いてチョコチョコと良く動いてくれて本当に助かる!という御仁でも、人を束ねて何かをさせる、指示を出すということに関しては全く訓練を受けてない人は沢山います。しかも、訓練を受けてもやっぱり伸びが少なくて「向いてないな~」という人はやっぱりかなり居て、こういうリーダーシップというのはある程度天性のものなんだろうなと思います。
私なんかは人の上に立ってあれこれ指示出すのは苦手な人間、というか大嫌いな人で精々のところ少人数のグループと仕事をこなすほうが好き、かつ得意です。最初から自信満々かつ意外と上手な指示を出せる人というのは居るもので、なんだかある程度は生まれつきそういうことに向いているキャラというのはあるのだと確信しています。
そもそも、師長さんになると必要なことは看護師だった頃とはガラリと変わって、職員の管理業務や書類仕事、データの整理や患者さんの家族背景に関する情報の整理や連絡などですから、PCも普通に使えなければ仕事にならないし、物事を理路整然と説明する能力はもっと必要。更には対人スキルとして最も重要なコミュニケーションが取れないとなるとこれは致命的な欠陥となってしまいます。
眼の前にある書類の山を右から左にさっさと片付けながら、業務を中断するように次々と飛び込んでくる電話対応をこなし、開かれる会議を意味あるものにする発言をしつつ、データ整理をする。更には病棟の患者さんや看護師さん達のクレームや悩みにものってあげる事ができなければ務まらないわけで、看護師としてバリバリに現場業務をしていた頃とは相当に異なるベクトルの能力が求められるわけです。
ですから、こういう訓練を師長になるために短期間受けたとしても、能力が追いつかない人は当然いるわけなんですが、ではそのポジションについて時間をかければそれが大きく改善されるかというと、どうも私が見た限りではあんまり変わりません。残念ですが。
ある一定以上のインプットがあると、パニック状態になってしまう人というのはやっぱり向きませんね。忙しい忙しいと言っていても手が動かせない人は向いていません。忙しいのは「当たり前」という前提でこの手の師長業務が出来ない人には看護師さんは向いていても、看護師長という「別の仕事」には向いてないと私は考えます。
何なんでしょうかね、指示を受けるのに向いている人と指示を出す方に向いている人。明らかに存在する適性というものはやっぱりどの分野にもあるんですね。
もちろん、看護師の時もパッとしないで師長に抜擢されてやっぱりダメダメという方も居られるわけで、こういう人は何で選ばれたんだろうと抜擢した人間の側の能力?それともなにか個人的な繋がりでもあったのかとを強く疑ってしまうんですが…。まあ、それは言いますまい。w
0 件のコメント:
コメントを投稿