2020年10月7日水曜日

新型コロナの時代のインフルエンザ

そろそろ患者さんやその家族の方々から「インフルエンザのワクチン接種って何時して貰えるんですか」という質問をもらうことが多い時期となってきました。

実はインフルエンザというのは特に冬に感染者数が多く発表されて「有」症状の方々が毎年11月頃から爆発的に増加して3月を過ぎると急速に萎むというパターンを繰り返しているのは毎度のことです。ところが下のグラフを見てもわかる通り、例えば勢いのあった2018年の次の年の昨年2019年などは本当に激減というレベルです。

これが実際のところ皆がマスク着用を励行したせいでしょうか。実際のところはわかりませんが、新型感染症の噂が拡がり始めたのは少なくとも11月なんてことはなかったと思いますので、12月以降の凹みの状況からが実際のコロナウイルスに対するマウス着用の効果だともっています。実際に私が最初にコロナウイルスに関して記述をした最初のブログが1/26の記述ですから、この頃には十分日本国内でも中国からのウイルス電波のニュースが広がっていたことが判りますし、実際に私自身もマスクをして移動したりし始めていました。

だとすると、今年のインフルエンザは昨年以上により激しく落ち込みを見せてくれるんじゃないかという個人的な予想をしています。もしかしたら今後もこの時期にはポスト・コロナという感じでより多くの人がマスク着用を励行し始めて、上のグラフにあるような高いピークの高さが今後はかなり恒久的に半分くらいになったり・・・なんていうことが起きてくるのかもしれません。

さて、インフルエンザ・ワクチンですが、上のピークを見てわかるように基本的には10月の末から11月の頭にかけて打っておけば十分だという事がお解りいただけるかと思います。早すぎても流行末期の頃に免疫抗体価が下がってしまって発症してしまったなどとならないためにはそれ位が丁度良いでしょう。

それにしても、今年は医療者側は大変厄介です。例年なら鑑別の対象としてかなり容易に絞り込めたインフルエンザが、今年はコロナと同時にやってくる可能性を「必ず」考察しないといけないので、チェックの手間が2倍になります。

幸いにして、熱発者に対するスクリーニングにおいてコロナ・ウイルスのスクリーニングが保険として認可される施設へと病院が転換されましたのでお金の方の問題はないのですが、リスクを待ち受ける緊張度という意味ではやはり医療従事者にとってはこういう新型感染症対策というのは嫌なものです。

さてもうすぐ11月。例年と比較してどういう患者動向の変化を見せるのか?こういう言い方をすると起こられそうですが、私は疫学的な見地から大変興味津々です。コロナ感染者もインフルエンザ感染者も劇的に下がる事を期待したいと思います。


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