国立病院の救急外来で研修医をしていた頃にある女性が救急車で運ばれてきました。救急外来の扉が開くとストレッチャーに乗せられたその女性は体をピーンと伸ばしたまま目をしっかりと瞑っていました。
その後から何か険しい顔をしたお母さんとお父さんらしい人が続いては行ってきたんですが、その後に来た救急隊の方が私のすぐ脇にササッとやって来て私に耳打ち。何事?と思っていると「分裂病です」と、今の時代では使わなくなった統合失調の旧病名を私に言ってきました。更に「両親ともです」との話。
私は「!」と思ったのですが、今度はストレッチャーの上で目を瞑っていた女性がガバッと跳ね起きてきたので、私が「大丈夫ですか?」と尋ねたところ「今まで死んでいました!」とハキハキと答えました。その傍に来た親父さんも眉を顰めながら「はい、確かにこの子は死んどったですよ」と大真面目で私に語り掛けてきました。
それ以来、救急外来では統合失調の患者さんに何度も出会いましたが、今勤めている病院に入院している患者さんの家族にも統合失調を強く疑う若い女性が居て、その方がキーパーソンなのですが、お金は払わない上にとんでもないリクエストを重ねてきます。更には「もし万一亡くなったら、私がよく知っている院長先生の居るXX病院に送って素性して貰って下さい」という謎のリクエスト。
そのXX病院は名古屋で一、二を争う巨大病院の事。勿論、この女性と面識などある筈もなく、カルテをずっと遡ってみると、数年前に救急搬送された時にその病院でその親父さんである患者さんが暴れて措置入院になっていたというだけの事。orz
もう脳内ではいろいろと妄想が暴走しているようなんですが、私たちの方では何も出来ません。弁護士にはそこで問題が起きないようにどういう予防線を張っておけばいいのかを確認をとっているところです。
医療行為以外で疲れるのは本当に勘弁してほしいです。は~~溜息。
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