2024年8月12日月曜日

マイコプラズマ肺炎の流行

マイコプラズマ肺炎という感染症があります。

昔、私が学部の学生の頃に習った一般的な常識としては周期性のある感染の波があって一般的には四年に一度の周期で小児から中学生程度までの子に拡大しがちだというものでした。

ところが、今ではその周期性に関する部分に関してはかなり失われていると言われ、ピリオド無しで流行るような状況が珍しく無くなってしまいました。通常は感染後二週間程度で熱発、頭痛、倦怠感を含む気管支炎様の症状。そして三週くらいから乾性咳嗽と言って実にしつこい咳が患者さんを悩ませることになります。

中耳炎や嘔吐などを併発する場合もあるのですが、検査をしてみると通常の細菌感染と違って白血球の上昇は目立た無いものの、炎症性の反応を示すCRPは上がっていて胸の写真を撮ると肺炎像は両側に見えるというもの。

今のところ愛知は全国で四位の感染率を誇る状態。全く嬉しいものではありません。

実際に病棟で感性咳嗽で悩んだりしているような患者さんは今の所は見当たらないのですが、免疫力の落ちている高齢患者さんに対しては重大な結果をもたらさないとも限りませんので、要注意です。

まあ、マクロライド系とかキノロン・TC系等も普通は良く効きますので、対応自体は出来るのですが、「必ずしも」通常は健康な方が抗生剤を使わなくても治りますし、もう一方の問題はマクロライド系の抗菌薬に耐性のあるマイコプラズマが増えている事。こういう耐性菌の問題はいろんな細菌性感染症で発生している事実ですが。

看護師さんで咳が続いているような方が居たら、持ち込み注意を兼ねてマイコプラズマの検査をしないといけないかもしれませんね…。

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