見る影もない 年がそれほど違わない看護師さんが病院に勤めていました。
最近あんまり見かけないなと思って気にはなっていたのですが、敢えて周りの看護師さん達に尋ねる事も無く過ごしていました。病棟自体も違うし、もしかして病院を辞めたんだろうか?位に思う事もあったのですが、やはり尋ねることなくそのまま過ごしていたのです。しかし、今日たまたま廊下ですれ違ったある師長から「先生御存じですか?」と逆に話しかけられました。
何気に立ち止まって話を伺うとその消えた存在が気になっていた看護師さんの話。
しかし、残念ながらその口から出てきた話は私を愕然とさせる事ばかり。50を過ぎて一念発起し自分で看護学校に通い、准看護師から正看護師になったこの人。昔は医療とは何の関係ない全く別の仕事をしていたそうで、話をしていても頭脳明晰で気持ち良くいろいろな話が通じる人だったのですが、今回聞いた話は本当に言葉を失うようなものでした。
何がどうだという事は具体的にここには書きませんが、人は病を得てあっと言う間に変わってしまうのだという事が嫌でも解るような話。
体の大きかったその看護師さん。病室に会いに行った師長さんの話では声を掛けられるまではその人がその人である事に気づかない程に躰が小さくなってしまっていたそうで、いわゆる「見る影もない」程に痩せて小さくなっていたという話。
非常に珍しい病に罹っていて、愛知にはそれを診る特定の病院が無い程のレアな疾患なのだとのことでしたが、本当にどうにかならないものかと医者である自分自身が悩んでしまうのでした。
人は歳と共に何がしかの病を得る事は普通。しかし、治療法の無い病というのは得たくないものです。
どうにかならんもんでしょうか。
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