2024年7月15日月曜日

産業医の仕事として多い事

この時期は各企業や事業所、病院などで働く皆さんの健康診断とストレスチェックが終了し、それに対応する時期になっています。

健康診断の結果は、得られた各人のいろんなデータを医師が見つめながら問題とすべきレベルの異常値をテーブルの一覧表に弾き出して、もう一度総合的に数値を見つめ直して従業員の人達にそのnoticeを出して、気をつけて生活改善から始めましょうとか、医師の診断加療を要すとかいろんな事を伝える訳です。

もう一つのストレスチェックの方はそもそもが検査を受けるか否かも含めて従業員の自由。更にはそのチェックを受けた上で「ストレスレベルが高い」と判定された後も、その後に産業医と面談をするか否かさえ本人達の自由。

しかし、通常毎年数名の方々がコンサルを求めてきます。実際のところ産業医はコンサルの相手になるのではなくて、コンサルをするべき精神科医を見つけるべきか、作業環境・与えられた仕事の変更や仕事量を調整してストレスを軽減するべきか否かの必要性を組織の最上位の職位にsuggestするようなものなのです。

ですから、本来は相談の相手になる様なポジション自身にはないのですが、健康相談を兼ねてそういう困り事の相談を受ける事も頻繁にあります。そういう時は可能な範囲でその人達がどのような状況でどのようなストレスを受けているのかを質や量・頻度等を慎重に聞き取りながら実際に歩を進めていきます。

しかし、言うは易く行うは難し。状況を改善しようとしても、ストレスを受けている人が真面目な人で、他の人の仕事も受けてしまって残業を自ら増やしてしまうとか、上司が仕事をしている間は家に帰れない…等という事が多いのです。そして周りもこういう仕事をする人、出来る人に依存してしまう構造というのが存在するのはどこの国でも同じ事。

しかし、問題はこういった頑張りの報償が多くの場合無い事。金銭も微々たるもので、殆どポジションが上がる訳でも無し。そもそも、本質的にそんな残業があってはいけないのです。

そういうストレスを受ける人が居なくとも、システムが回るようにシステムを作り上げなければ日本の産業はやがて衰退するという事を判っていない昭和のバカが多すぎます。ますます人口が減る日本。AIの使用も含めて上の人間は効率化にもっと知恵と金を使わねば日本は持ちません。

日本の仕事の効率性が低いのはトップがそう言う事に責任を持って取り組まない事に尽きると思います。

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