2023年12月4日月曜日

異食症

いろいろなものを食べる・食べてしまう人達が居ます。

実は私の息子も何か食べ物とは言えないようなモノを極稀に口にしてしまう事があります。勿論、私の知らない所で他にも何か食べたことがあったりする可能性は大なのですが、以前ここでもちょこっと書いたように写真立ての後ろのメタルの棒を飲んでいて驚かされたことがあります。

自分の勤める病院では精神科の人達のなかにやはりこのような症状を疾患の一つとして持っている人が居るのですが、誤嚥とは違って積極的にそれらを食べてしまうのです。髪の毛などは実際はそういうものの一つなのでしょうが、そういうのは女の子の成長過程でもみられたりしますので、量が極端だったり余りにも過激なものでなければ正常と異常の境目は意外とあいまいなのかもしれません。それに、貧血の人がたくさんの氷を食べるのはよくある症状そのものですので。

今回、実は今までで「異食症の人の食べたもの」としては一番ギョッとしたものがでてきました。実はある患者さんが黒色便を出しはじめていたのが看護師さんからある先生に報告されました。

その先生と放射線科の読影室で擦れ違った際にその患者さんの腹部単純写真が映されたものを見せられて驚きました。そこに映っていたのは長さが15センチくらいはあろうかというやや変てこりんな形をしたものが小腸の中に入り込んでいるものでした。

何と表現して良いか曰く言い難い形状。真っ直ぐ目の枯れ枝にグルグルグルグルと幅広い帯を均等に巻き付けたような形と言いましょうか…。

疑問に思ったのはこれだけの長さと形状のものが良くも小腸の中へ入っていき、しかも通過障害無しでここまで来たなという事。普通はこれだけの巨大なものが小腸の中を動き切るなというものですが、私は消化器外科医ではないのでこのようなものの「限界長」というのを知りません。

さて、その異物は腸の中を次々と移動していって最後には排便と一緒に出てくるところまでやってきたのでした。特に腹部症状もなにも無く保存的に様子を見た結果だったらしいのですが、出てきたものを見て今までの事に納得。

実は全ては直径2センチ、厚さ5ミリ程度の程度の丸い磁石が30個ほど積み重なっていたのでした!鉄分が溶出して排便を黒く見せ、積み重なった磁石はその相対的な位置を小腸の壁の緩やかな曲がりに沿って変形し、肛門まで辿り着いたと云う訳でした。

まさに人体の神秘ですよね!

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