毎度毎度、こういう患者さんが登場してきます。
役所からの依頼で検査入院となった患者さん、開口一番「先生!私は病院に行ったことが無いんですよ~!」と本当にドヤ顔で言ってくる人が居るのです。しかも一度や二度などというものではありません。
このタイプの人達には凡そ二種類あって、一つ目は病院に世話になったことが無い事をひたすら自慢したい人。どっちかと云うと体の丈夫さのアピールが主目的。そして二つ目は病院というものが嫌いで、検査など受けるのは真っ平御免!という感じの人々。
しかし、結論から言うとこのどちらのタイプも病院で検査を受けて種々のスクリーニングを行うとその反動が体の中にバッチリ出てきている人が「非常に」多いのが残念な事実。そしてその検査結果をご本人に告げると反応はまさに二分されます。
こう云った「病院に行ったことが無い」系の人々というのは実際には役所依頼で病院にやってきた時点で家族から縁を切られていたり、一人暮らし歴云十年という感じが普通。子供はいるけどもう何十年も会ってないというパターンが多いのです。
その間に酒浸りになっていたり、本当に低栄養の出鱈目な食生活を送っていたり。
結局そういった日常の何十年分もの積み重ねがびっくりするような病変を体に形成させたりしているのです。そういう人物を見ていると、実質的な独身男性状態というのは病気というものにとっては疾病の孵卵器の様なものなのでしょう。
嗜好品に偏った食事、多い酒量、桁違いの喫煙量。そして何よりもそれらを指摘してくれる配偶者やパートナーの不在。対話の相手も無くて頭に対する刺激が入って来ない状況の連続。体も頭もそれが健康を維持する条件とはとてもとても思えません。
願わくは検査入院で見つかった病気が治療可能なものである事。見ていると、元気が自慢だった人が多い分、精神的な凹みが出やすい事も多い感じです。
検査入院の後は元気になってまた働きに出たり、適切な施設に出て行ったりしてくれると私達としても来て頂いた甲斐があるというものですが、100%はそうならない所が少し悲しいです。
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