2023年8月23日水曜日

弱者に集(たか)る蛆虫共に天誅を

世の中には本当に碌でも無い輩がウジャウジャ居るのだと改めて理解しました。

内科の外来である患者さんを見続けているのですが、何故かこの数ヶ月間継続的に、しかも急激に体重が減り続けていました。内科疾患の検索において、体重の増減というのは極めて極めて重要な情報でありとあらゆる疾患の前段情報になっている事が異様に多いのです。

種々の血液検査値を事細かく見ていくことは大変重要なのは論を俟ちませんが、体重、血圧、体温等のもっとも簡単に測定、数値化できる情報の重要性はどんなに口を酸っぱく説明してもしすぎることはありません。これに痛みや聴診、触診などを組み合わせると更に有益な情報が得られます。この上に生化学的情報や心電図、エコー、種々の画像情報などを組み合わせていくと更にその診断の正確さはグンといや増す訳です。

さて、話が逸れましたが今回見つけたのはその患者さんの異様な体重減少。もともと55キロ超あった人がこの数ヶ月で40キロを切るほどにまで激ヤセ。いろいろと生化学的なデータを見ても特にこれと言った異常のない状況。しかし、この激ヤセはまずどう考えても異様。

そこで本人に何度も何度も問診をしたのですが、食欲がないと言うことを最初は言っていました。それでもどうしてそうなるのかという事を長い問診で何度も繰り返している内にボソッとですが、実は食べられないというのはお金が無くて食べていないのだという事を話し始めてくれたのでした。

更にこの話の周辺に「重大な問題」が潜んでいる可能性を感じたので、仕事のできるソーシャルワーカーを呼び出して、診察とは別の形で種々のお話を聴取開始したところとんでもないことが判明しました。

それは電話のテキストメッセージを経由して生保の受給者達から金を集める詐欺集団が毎月毎月生保のお金の振込日に金をこの人から毟り取っていたのでした。曰く「毎月数万円の投資を継続すれば2億から3億の金が最終的に貰える」というもの。

最終というのが100年後か500年後か知りませんが、この手の話を信じるレベルの知性しか持たない人というのは世の中にゴマンと居て、本当に赤子の手をヒネるように騙されるのです。だからこそ、騙されないようにする為の防御策というものが何重にも必要なのですが、役所の福祉課というのはそのエリアによってレベルに天と地ほどの差があり、更にはその担当者によっても天地の開きがあるのが残念な事実。

この人の場合は後者でした。恐るべき事にこの人の福祉課の担当者は私の病院でも有名な「口だけ男」だったのです。上司よりも歳だけ喰っていて、全く手足も頭も働かないけど口ではやるやるという無能の典型。orz

役所と担当者の名前を他の人に被害が拡がらないように出したいくらいですが、「今は」止めておきます。

何と、この担当者はこの患者さんがこういう振り込め詐欺に遭っているのを知っていながらアクションを全くとっていなかったという男。患者さんが栄養失調で死んでしまうようなことがあったら文字通り間接的な殺人者です。

連絡先を断つために本人を説得。それが典型的な詐欺であることを十分に理解して貰い、本日緊急入院となりましたが、ここからが本当の我々の闘いの始まりです。


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