2023年8月24日木曜日

南海トラフ地震が来たときの病院の態勢は?

医療関係者のネットで先日も南海トラフ地震が発生した時の各地のシミュレーションが発表されていました。

高知・徳島などの悲惨な予測などに比べると愛知は「未だまし」なレベルの発表がなされていましたが、それでも多くの病院は現在の病床数全数に匹敵するレベルの罹災患者が様々な容体のレベルで緊急入院する可能性があると想定されています。

高知・徳島に至っては下手を打つような事があれば餓死者が出かねないような状況も想定されているとのことで、まさに国難レベルの災害が襲来する事になります。病院によっては電源が遮断され、自家発電の電源が切れることで亡くなってしまう可能性のあるような疾患を持った方も沢山居るわけで、その時には想像を絶する状況が発生しないとも限りません。

私の勤める病院では取り敢えず普通に長期の自家発電も出来ますし、中部電力からは停電の復旧も恐らくは最優先で戻してもらえる可能性が高いエリアなのですが、それでも精神疾患を持った人達にとっては環境のあまりにも急な変化はその日常に確実に大きな悪影響を与えます。

そして最も私が危惧するのは日常の薬の確保。日常的に問屋からやって来る錠剤その他の薬や点滴は本当にちょこちょこちょこちょこと毎日あれこれ補充される訳ですが、南海トラフのような超広域の激震が日本の太平洋岸を後半に襲ってきたら様々な薬を作る多くの工場もかなりの被害を受けて生産能力がストップもしくは激減するのではないかという懸念があります。

恐らく海外からも必死の応援・支援が国際的に展開されて日本にも入ってくるのは当然だとは思うのですが、医薬品の中でも点滴類は消耗も多い割には嵩張るために多くが病院の中にストックされている訳ではありません。もし、数日補充されなければ確実にそのストックは底を突く筈で、その時に高齢の患者さんや体力の落ちている患者さんはどうなるのか、これも正直想像を超えた厳しい事態の到来を想定せざるを得ません。

地震が「直ぐには来ない」という甘い前提の中で日常を送っている残念で間抜けな管理者も私の病院にはおりますので、このレベルの人物はそういった「緊急事態」にはお上が何とかしてくれる等と見積もっているのかも知れませんが、実際はそのヌルい想定が深い後悔を病院にもたらす気がしてなりません。この手の連中は恥をかいてもそれを恥と受け取る能力が欠如していますから困ったものです。

明日にでも発生するかも知れない南海トラフ地震。自分の命を含め、一体どんな状況で遭遇することになるのかそしてその時には自分や自分の家族達の運命はどうなるのか。原発などの災害が再び発生することはないのか等、いろいろな事を考えると家族レベルでさえもやるべき事はたくさんあるなと思います。

家には簡易トイレや食料品、水、ライトなどの備蓄は比較的大量にありますがそれらの備えも一週間を超える状況になると「かなり厳しい」という状況になるように思えます。恐らく中京エリアの工場群も含め、海岸部の産業も壊滅的な打撃を受けることでしょうから我が家や病院どころか日本自体が試されることになるなりますが…。

自分が生きている内に来るのかな。


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