2023年8月7日月曜日

息子の誕生日だったのに、結局ほぼ一睡もできず

夜に入っても前施設で行われていた虐待疑いのある患者さんの「虐待死」の可能性を考えるとほぼ一睡もできませんでした。眠れなかったもう一つの理由は簡単で、既に通夜と葬儀の時間が迫っているという話を聞いていたからでした。もし、体が荼毘に付されてしまったら・・・という緊迫した状況ですので、明日朝一番でインシデントを処理していく必要があったわけです。

夕方にある医師からその一件を知らされた後、気になって気になって仕方なくて本来は長男の誕生日であった夜の焼肉屋でのお祝い会と帰宅後のケーキカットなどでハッピー気分だったはずなのに…酒が入っている状況で車を運転する事は出来ませんので、嫁さん経由で近所にあるタクシーを呼んでもらい病院へ直行。

夜間の病棟に入って知り合いの看護師さんに当時の状況聞くとともにカルテにストックしてある入院時の体の痣の写真を何度もジッと見入ってしまいました。やはりこの痣の付き方で検視官を入れないという状況はあってはならないと改めて感じました。

結局、再びタクシーを呼んでほぼ眠れないまま一晩を悶々と過ごしてあの手この手を考えました。この患者さんの担当の先生が、このような虐待死の可能性のある案件に関してどう取り扱えばいいかわからないと言うので「保健所」にそういう事を伺ったとのこと。私個人としてはそれ質問のベクトルの向きが間違っているんじゃないかと強く思ったんですけが、一応はその返事待ちということでした。(内心そんな時間は無いとは思いましたけどね。)恐らくは上級官庁に話を通すことで云々などという手続きを保健所はとっていたのでしょうが、そんなヌルいことやってたら現実が追いつく訳もなく死体は消えていきます。

朝、患者さんの担当であった先生に個人的に電話し状況が緊迫していることを改めて伝達。するとすぐに病院に来てくださって話が始まり院長経由でサッと案件の相談が司法に委ねられることになりました。

ココまで来て私はまず私としては(手続きの正当性の担保に関しては)一安心でしたが、今後の展開は全く読めません。事件になるか否か。司法解剖が入るか否かにも大きく依ってきますし。

今回私が絶対にこの件に関して妥協しなかった理由は唯一つ。言葉を発することの出来ない、言葉や身体的暴力に抗うことの出来ない障害者や高齢者に対する虐待のインシデントが後を絶たない世の中で、そのような事を行う人間が医療や福祉関連施設に存在する隙間を一ミリも与えてはいけないという障害者を持つ親としての絶対の信念です。

今回のような件は将来の自分の子供、将来の自分自身が施設の人間から被る可能性のある虐待となる可能性がいくらでもある訳で、そのリスクを感じることの出来ない人間は申し訳ないですけど「ボンクラ」「ポンコツ」です。

事の成り行きはどうなっていくのかは判りませんが、今回のインシデントを奇貨として今後同様なインシデントが発生した時の病院としての標準マニュアルを見直すべきだと決意した次第です。


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