2022年10月23日日曜日

院内で発生する警察沙汰

入院患者数の多い精神科がメインの病院では時に「事件」が発生します。

この時に使う事件という言葉は、本当に患者が起こしてしまう身体的障害・傷害が発生したりしてしまったようなレベルの事件です。相手を威嚇して精神的な傷を与えるようなレベルのインシデント等というのは精神科病棟を日常的に歩き回っている私達医療従事者にとっては特に「なんてこと無い」日常なのですが、時に度を越した言葉での威嚇を行った患者さんが医師や看護師に窘められたりしています。

しかし、大きな問題となるのは警察に報告をしなければならないような、相手若しくは自分の身体に傷がつくような、若しくは傷がつかなくても明らかに暴力を振るったような場合です。

後者の場合、患者さん同士だけではなく、対象が看護師だったり医師だったりする事もあるのですが、怒声を効かせて昔取った杵柄風にその筋の人間だった事を表に出してしまう患者さんも。普段は叱責で終了なのですが、それがあまりに攻撃的であった場合には個室に移動させられたりしているようです。

精神疾患の悪化で様々な幻聴・幻視に悩まされその延長線上として自分や他人を身体的に傷つけてしまうこともあり、その様な時には警察に報告をしなければならない事も起きてしまいます。ただし、駆けつけてきて事情聴取をする方面担当の警察官のほうも大変で、慣れていない人にとっては意味不明のことをずっと興奮して喋り続けるような患者さんを相手に事情聴取を早々に切り上げて、医師・看護サイドに「何があったのかを時系列に説明してください」とか「普段のこの患者さんの様子を教えてください」とか「今現在の治療内容を教えてください」とか言う感じで具体的内容に聴取内容を切り替えてくることが殆んどです。

どんなに眼を配っていても突発的に発生してしまうこの様なインシデント。年に1回から2回程度、暴力沙汰で警察が介入するようなことが発生してしまいます。なかなか完全には止められません。

病院の内でも外でも、社会のサイズが異なるだけで起きるインシデントはそう変わらないようです。

0 件のコメント: