2022年8月8日月曜日

親父からの説得依頼

LINEのコールがいきなりありました。

画面を見ると親父様からのようです。基本、親父からのコールにはなんとなく緊急事態のようなものを感じさせられてしまうので余り好きではありません。そんな親父からの「普通」の連絡は多くの場合は手紙。葉書ではなく、何かが入れてある手紙です。そしてその殆どは両親の健康診断の数値一覧。orz

要するにそれらを医師である私に向けて送り、健康診断の結果をわかり易く講釈してくれという訳です。まあ、いつもジッとデータを見て親父の前立腺の様子を想像し、電解質や腎機能の状態から下腿の浮腫み具合を推定する事に!とは言うものの、実際の診察には全く及ばないわけですが…。

とりあえず受信のボタンを押して声を聞いてみると、トーンがそれほど焦った感じではなくてまずは小さく一安心。ところが、中身を話し出すと心房細動の血栓がビールで惹起された脱水時に頭に飛んで以来、初期認知症からその先へ進み始めている母ちゃんの話になってきました。

どんな話よ?と良く聞いてみると、自分の実家の母ちゃんアルアルのお話で「どんなに説得しても冷房を入れんで困っとる」との話。その上で「お前からも言ってやってくれ~」と言う泣きが入ったのでした。親父によると何とこの夏に入ってまだ冷房を入れていないという恐ろしい話。もう全く意味が解りません。ホラーかと思いました。(在宅で良く経験しますので驚きはありませんが、まさか我が家がそれになっていたとは!)

昔からクーラーを「勿体ない」と言っては使用を忌避していた母親。汗をダラダラ垂らしながら「暑くない」と言い切るクソババアとの対立に高校生の頃は激しく心を磨り減らしていましたが、今ではそんな事など全く気にならずそういう選択をするのは母親自身の寿命と親父と二人で割り切っています。ところが、私として困るのは同居する親父のほうの健康。母ちゃんは自分の我儘で逝くのかも知れませんが、それにつき合わされる親父は堪ったもんではありません。

という訳で母親に電話口に出てもらって一言。「母ちゃん、昭和の頃と違って今の暑さは人を殺すんよ。それに65歳頃を境に多くの人は体感温度と実環境の温度差の関係性が壊れてくるからこの時期は絶対のレベルでクーラー使わないかん!」と言いました。すると母親一言「はいはーい」と笑って返事。こういう返事は全く人の話を聞いていない時の返事です。これは全く効果ない。息子の私には一秒で判ります。

そこで親父に作戦伝授。「スイッチを入れてそのままリモコン隠せ!」というものです。親父は一言「わかった!」とのお返事。

さてどうなりますやら・・・。


0 件のコメント: