2022年8月9日火曜日

イッセイ・ミヤケ逝去

また気骨のある先駆者が一人亡くなりました。(8/5)

日本人は世界に冠たる素晴らしいデザイナーを沢山産んでいます。例えば山本寛斎、例えば高田賢三、例えばコシノ三姉妹等々。私のようなファッション・センスとは無縁の人間でさえも2020年に相次いで亡くなられた寛斎と賢三の逝去は大きな喪失だと感じました。

そして今度は三宅一生さんです。母親と同じ84歳で誕生月も1ヶ月しか違いませんので、どういった時代を行きてきたのか容易に想像できます。比較的最近になって広島原爆の被爆者でありかつ御母堂も原爆症で亡くされていることを表に出されています。

デザインの力を信じ、デザインが人のために存在するものでなければならないという信念を持って仕事をしていた人だと私は信じています。三宅さんには文化勲章などが贈られていますが、こんな創造性と努力の塊のような人の功績に文化勲章のような「小さな枠」をはめてしまうのは逆にその創造性の大きさと広さを矮小化するような気がしてしまうのですが。

私はその作品の裏側に哲学があるものが好きです。そしてこの人の作り出してきたものには大きくてソリッドな哲学がしっかり裏打ちとして存在すると強く感じるのです。

亡くなったと報告された後、彼に関する記事を沢山読み、かつその作品群をネットの画像検索で改めて俯瞰すると数ページretrieveしただけで、一言「おっそろしいな~」と呟いてしまうのでした。何が恐ろしいと言ってそのデザインの多様性。3次元のありとあらゆる方向にウニの棘のように突き出すような、異なる方向性を持った圧倒的な種類・数のデザイン群にその才能とかけられた莫大な「努力」の時間を感じるのです。

世界に影響を与えてきたこういった日本人男性デザイナーが立て続けに亡くなりましたが、彼らほどの大成功を収めたデザイナーが次は何時登場してくるのか?やっぱり私のような平均以下のセンスのオジサンはそういった事を寡聞にして知りません。きっと間違いなく居るのだと信じたいものです。

デザインの力。間違いなく日本人の中にはあると思ているのですが、どうして日本の近代の街並みはこんなに醜悪なんでしょうね。まあ、私が独白しようと何も変わりはしないのですが…。

三宅一生さんの偉大な功績に敬意を表する名古屋住まいのオッサンでした。(そう言えばジョブズのアイコンたる黒のタートルネックはイッセイミヤケでしたよね!)


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