2021年9月3日金曜日

一難去ってまた一難

「勘弁してくれ!」とコロナウイルスに言いたい毎日です。

今度は私が病棟長を勤めるある病棟に新型コロナ対応病棟としてのセットアップを行わなければならない事態が発生しました。どこの病院であっても、院内に勤める医師、看護師、技師、薬剤師、事務員等大量の職種が混在する状況で、最近はその誰もがコロナ感染のリスクに晒されていますが、今回やはりワクチンを打っていなかった(打てていなかった)ヘルパーさんの一人から新型コロナが検出されました。

どういう状況だったかと言うと話はシンプルで、ヘルパーさんには弟さんが居られて前日に既にコロナ陽性と判定されていたとのこと。実はこのヘルパーさんその日はその事実を知らずに勤務していて勤務中に妙に体が疲れるのと喉が痛いとは感じていたのだそうです。この弟さんとは同居はしていないのですが、実は接点が。

このヘルパーさんと同居しているお母さんは同居はしていないけれども、自分の息子であるこのヘルパーさんの弟さんを毎朝自分の車で職場に送ってあげていたとのこと。恐らくは息子さんが職場や友人経由等の経路で感染していたのでしょう。

昨日の時点で保健所から連絡があり、濃厚接触者として指定を受けたこのお母さんは心配になってヘルパーである娘さんと一緒に勤めている当院に設置されている新型コロナの感染検査棟に朝方やって来て保健所の指示に従って検査を受けたという訳。幸いにして少なくとも今朝の時点ではお母さんは陰性だったので二週間は経過観察するという状況でこれから一週間後に再度PCRで検査と言うことで落ち着きました。(勿論、今のPCR陰性であることは非感染ということを何も担保しません!)

こういう事は致し方ありません。ところが問題はここから。何と、今朝PCR検査を受けたお母さんと同居している「前日から体調が悪い」と言う娘さんが私の病棟に今朝もやって来てたった今、仕事を開始するために朝礼に参加しているというのです・・・。

私は、お母さんが病院に検査に来た時点で既に「この娘さんのPCR検査をやりましょう。」というオファーを出すつもりだったのですが、逆に何と!その娘さんが病院に来て仕事を始めようとしているという驚愕の事実をお母さんの口から聞いた瞬間に(お母さんには素振りも見せませんでしたが)衝撃で顎が床に付きそうになりました。

その瞬間に院内PHSの短縮ボタンをヒットし、自分の病棟の師長を呼び出し直ちにその娘さんであるヘルパーさんを室外に出して検査室へ誘導するように要請して抗原検査を行ったところサンプルを滴下して数秒で陽性のバンドを検出。悪い予感がどっかり当たってしまいました。orz

すぐにルーチンワークとしての検査を全看護師に実施。有熱者である患者さんも全てに実施させて頂き全員がその時点では陰性であることを確認しましたが、これから2週間は私自身は生きた心地もしません。

体調に異変がある時に何故来る?体調に異変がある時に何故言わない?(?_?)

感染してしまう事、これは仕方ありません。しかし、首から上に脳味噌という臓器がついているならば、そういうリスクを想像することは出来ませんか?と私は言いたい。ワクチンを打っていれば、そしてセカンドショットから2週間以降でかつ半年以内程度であれば私はマスク着用での行動はある程度は許容するという考えの持ち主です。しかし、ワクチンも打たずに身体症状が出ているような人がそんなアクションを起こした事実に、理性と言うか「人間としての思考回路の不在」を強く嘆かざるを得ないのでした。怒りはありませんが呆れました。

今日はその瞬間から私の勤める病棟はコロナ陽性病棟としてのハンドリングを開始し、膨大な手間が発生することになりました。全くもって他山の石どころではありません。

危険因子はコロナだけでなく、人の行動の愚かさもデカイと改めて考えさせられました。


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