2021年9月7日火曜日

認知症の婆ちゃんのリクエスト

病棟に入院しているお婆ちゃんからあるリクエストがありました。

お婆ちゃん自身の全くの個人的なリクエストで、普通の人なら直接主治医である私にはこんな事は言ってこないと思うのですが、そこは少し認知が入っているお婆ちゃん。全く遠慮がありません。お願いというよりもほぼ命令。w

車椅子を自分でコキコキと押してナース・ステーションの中にある机で書類を作成していた私を目ざとく見つけて一言。「先生!川上屋の栗きんとん買ってきて。お金あげるから買ってきて。今の時期が一番栗が美味しいから食べたい。」
川上屋と言うお店は東海地方に住んでいれば誰でも知っている栗菓子の有名店です。この話、実は以前私自身の受け持っていた精神科の患者さんのお兄さんが栗農家であった事から直接その商取引のお話を学びました。その事はブログにも書いています

さて、栗菓子に関してはもう一つ有名なお店があってそれは「すや」です。すやのほうが180年ほど創業が古いのですが、同じ様に栗きんとんも売っております。どちらも岐阜の中津川。すやと川上屋のことに関しては詳しく書かれたサイトが有りましたので、リンクを張っておきます。わかりやすい解説ですね~!

さてさて、本当にお婆ちゃんの思念が通じたのか奇跡が起きました。
ある方が私に「たまたま」本当にたまたまなのですが、季節の贈り物として栗シリーズの種々のお菓子(川上屋製!)ををどっさりと下さったのでした。

という訳で、明日はこっそりお婆ちゃんに「栗きんとん」と「嬉しの菓」というのを持っていってあげようと思います。

こっそりですが。(コンプライアンス的には非常に怒られそうですが、家族のいないお婆ちゃんに少しでも喜んでいただきましょう。)


2 件のコメント:

サチコ さんのコメント...

懐かしい、中津川の栗きんとんのお話ですね!最後に帰省した2年前の秋、栗きんとん大好き人間のわたしは、わざわざ私鉄とJRを乗り継いで、中津川まで栗きんとんを食べに行きました。実際に足を運んだのは駅から徒歩で行ける“すや”でした。駅に隣接した”にぎわい特産館”では、地元の栗きんとん店(12〜14店ほど)の栗きんとんを食べ比べられるセットが売っており、お土産にその栗きんとんセットを買ったことを思い出します。それにしてもひと昔、ふた昔前に比べると、1個の値段が上がりましたねえ。わたしが覚えてるのは、学生時代大体150円くらいだったような気がします。あの時でさえ、一口の大きさで150円、なんて贅沢でしたけど、秋を感じる1番の和菓子でしたね。楽しい話題、ありがとうございました!

small G さんのコメント...

特産館!なんて言うものがあるんですね。
しかもそんなに沢山の種類のお店があるということ、岐阜のお菓子類も侮るべからざるものですね~。
栗きんとんの食べ比べセット!攻めてますね。w

それにしても私鉄とJRを乗り継いで行かれるとは・・・。うちの嫁さんに通じる「食へのこだわり」を感じます。私はそういった食への執念が薄いので、恐らく早死でしょうな。

1個の値段に感じる年代感。大事ですね!政府も代表的な食品などに関してはそれを公表しているくらいですが、岐阜の物価は栗きんとんで比較するのが正確なのかもしれません。