2021年9月6日月曜日

看護師さん達が可哀想

結局、我々の病棟にコロナ陽性の人間が登場して誤って仕事をしたことから病棟の業務体制がガラリと変わってしまいました。

当然の様に病棟は赤・黄・緑のテープでゾーニングされ、垂れ幕や換気システム、衝立(ついたて)等があちこちに設えてあります。一番大変なのは病棟で仕事をする時にプラスチック・ウェアを着て仕事をすること。本当に10分で大汗をかいて、30分も着ているとお尻の方にまで汗が落ちてくるほど。私がイケメンなら水も滴る良い男なのでしょうが、ただのオッサンですから質が悪い。

更に可哀想なのはお風呂担当のヘルパーさんと看護師さん達です。サウナ風呂もかくやという感じで、滝のような汗をかきながら一日の仕事の後にはまさに「脱水」と言う感じになっています。若い看護師さんや二十歳過ぎの男子ヘルパーさんでさえも疲弊しています。

もう一つ可哀想なのは日勤者は毎朝、そして夜勤者は夕刻の出勤時に鼻咽頭をサンプラーでグリグリされて毎回抗原検査です。この方策は厚労省からの最新の通達の一つで、濃厚接触者が入ってしまった病棟では少なくともその人間が最後にその場を離れた日から14日間は、症状があろうとなかろうと毎回抗原検査をしなさいというものです。これはどういうことかと言うと実際には現場で働く医療従事者をその現場に留め置くための苦肉の策。

実際のところ濃厚接触者が来たと言うだけで、居合わせた職員全員を職場に来させなくなってしまったら日本中の病院の機能が直ちに麻痺してしまいます。そこで考えられたのがこの代替案なのですが、毎日来ている師長さんなんかはこれで毎日やられているわけでなかなか大変そうです。

後九日間、誰にも陽性者が出ずに済めばそれで終了ですが、果たしてどうなるやら。一切気が抜けない緊張の日々が続きます。最後の日は全員PCRになる予定です。


2 件のコメント:

gotoguy さんのコメント...

こんにちは。大変ですね。
関連して踏み込んだことを伺います。このような措置は法令に基づいて実施しなければならないのでやっていると思いますが、その法令が変わった場合、具体的にはインフルエンザと同等の5類相当になった場合にはやらなくてよいことが増えて楽になると思います。問題は、その結果感染が増大するか変わらないかと言うことですが、先生はどうお考えですか?私は「変わらない」と思います。むしろ気軽に入院措置が出来るようになって死者と重症者数は減るのでは?と推測します。あくまで私の推測ですが。

small G さんのコメント...

gotoguyさん、お久しぶりです。
恐らく、この措置自体は一種の「言い訳」も兼ねていると思いますが、実際にPCRと抗原検査ではウイルスの検出感度が全く違いますし、陽性検出率や偽陰性、偽陽性の感度もマシン、キットによってそれぞれ大きく異なります。その感度等の一覧表がCDCから出ているくらいですから、それなりに違うのです。しかも、PCRは時間がそれなりに掛かります。抗原検査なら1検体8分です。

ですが、病棟に入院してくるような患者さんは市井の多くの人々とは異なり、シリアスな基礎疾患を普通に2つ以上持った上に加齢も進んでおり、我々のようには防御が効きません。その結果がアメリカの施設のように120人中80人死亡などというとんでもないことになる訳です。気軽に出入りさせたいところですが、病院の収入を逃してでも命を優先させるためには当院のある病棟で起きた時にはそこからの出入りは通常停めますし、他の病院からも入院前日であっても他院の患者さんの病棟に陽性者が出たときは来院延期となります。
インフルエンザのように、感染=症状発現までの時間が短く「かつ」感染しても非常に有効な投薬の選択肢が幾つもあるものとはとてもとても一緒には出来ないのでした。