今まで病院や在宅で患者さんをはじめとして、職員さん達やその家族さん達に沢山ワクチンを打ってきました。
年齢も幅広く、13歳から100歳過ぎまでの老若男女、職種も実に様々ですが、若い女性の中には当然のように妊婦さんや授乳中の女性もいました。多くの方は事前にネットで調べて妊婦としてそして授乳中の人間としてワクチンを打って良いのかどうかという事を理解した上でショットを受けていました。やはり現代の女性という感じでネットからの情報収集はごく普通にされている方が多かったですね。
他にも「娘が受けるって言ってるんだけれど、お腹が大きいんだわ。受けても良いかな~。」と娘さんを心配して聞いてくるお母さんも当然のように居られました。少なくとも数名は居られましたね。
私の答えはシンプルで「基本的には打つメリットのほうが打って起きるデメリットよりも遥かに高いと考えられています。アメリカのCDCでも妊婦さんへの接種は推奨されています。ただし、先生によっては12週までの妊婦さんに対しては万一の万一の催奇形性を考えて打たないことも選択肢にあるかもという方もおられるようですけど、妊婦さんがコロナに感染すると重症化リスクも高いし、死亡のリスクも2倍弱になると言われてます。」というものです。(改めて調べてみたら日本産婦人科学会ではこの6月からこの文言を削除して、どの週数でも打って良いと変えてしまったみたいです!説明を変えなければ。)
続けて「アメリカではコロナワクチンを打ったお母さんから生まれた赤ちゃんが胎盤を通過した抗体を持って生まれているという例が既に報告されてるみたいですよ。」等と言う話もします。
実際にマウスを使った動物実験ではワクチンを打ったマウスとその対照群では催奇形率に差がないことが判っていますし、主にアメリカでの結果ですが、流産のリスクはコロナワクチン接種の有無によって差が発生しないという事実が判明しています。
そもそもmRNAワクチンの仕組みからして、体内に長期残留することが出来ませんし、アッという間に分解されるのを防ぐためのちょっとした付加構造物がきちんとした「発明」として利用されているくらい体の中には残りきらないのです。
授乳中は母親の持つ抗体は母乳を経由して赤ちゃんにも移行していきますので、そういう意味では赤ん坊も護られていると思います。まあ、そもそも半年ほどはお母さんのIgAリッチな甘いおっぱいでバキバキに護られてますけどね!
という訳で、病院でショット前に妊婦さんへ行っている説明は上のようなもんなのですけど、実際万一アナフィラキシーが起きたときのことを考えると、少しだけ準備する私の側もアラート感は高めていますけど、今までは何も起きておりません。
この前の千葉でコロナに罹って亡くなられた妊婦さん、もしかしたらワクチンを打つための正しい情報が渡っていなかった事が原因で打っていなかったとしたら本当に悲しいです。恐らくは、今の時期は未だワクチンを打ちたくてもまだ妊婦さんが当たり前のように打つためのワクチン自体が無かった可能性のほうが高いかと思うのですが、もしそうだとしたらやはり行政の配慮の傘が十分には大きくなかったのでしょうか。
難しい問題ですが、コロナは本当に心から憎い感染症ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿