2021年8月26日木曜日

悪いけど・・・同情できない

ほんの数日前にこの記事を書いたばかりでしたが、ついに恐れていたことが起きました。

看護部長から院内電話があって「Xさんがコロナ陽性となったとの連絡が入りました。」とのこと。Xさんは院内で患者さん達の入退院や患者さんの家族と入院患者さん達との連絡を付けたりするだけでなく、大変に面倒な役所との全ての連絡をやってくれるソーシャルワーカー。日頃の仕事振りは着実で、実際に病院にとっては非常に貴重な戦力です。

ところが・・・。

Xさん、ワクチン非接種者だったのです。私達の病院ではありとあらゆるレベルで医療従事者は先ず第一に守っていかなければ彼ら自身の為だけではなく、患者さんの安全の為にも不味い、そして直ちに院内業務の実施に支障が出るということでワクチンの接種は最優先課題として実施してきました。

ところが、院内にいる500人以上の全ての医療従事者の中でワクチンをどうしても打たない人が10人弱居たのでした。その10人弱の人間の中のひとりがXさんだったのです。

勿論、ショットを打たない10人弱の中にはその家族さんを含めて以前インフルエンザのワクチン・ショット時にショックを起こしたことがあるということで、我々としても十分に納得の行く理由でのワクチン忌避者も居られます。ところがXさんは全くそのようなことはない方で、同僚Yさんと共に「ワクチンを打たないこと」を特に納得の行く理由なく選択された方でした。

更に残念なことには、このXさんの子供さん達が本日の時点で既に全員陽性と判定されてしまっている事。おそらくは今後奥さんも陽性と判定されることでしょう。また、当然のようにこのXさんの同僚であるYさんも常に濃密にXさんと働いておられた方。

Xさんは病棟業務に直接物理的には入って居られない方でしたが、Yさんは病棟を掛け持ちして働いて居られましたので、それらの病棟は今後厳重にサーベイランスが開始されます。

結局、こうやってワクチンを打たずに病院業務に就くような方が居ると「基本的に」病院全体をリスクに晒すことになってしまうので、今後はショットを打たない方に対しては打たない事を権利としては認めつつも、患者と関わる病棟業務には入らせないような方法論を考察しなければならないのかと悩んでしまいます。

打ってもリスクがゼロでないのは判っていても、それを大幅に減少させるとともに感染時の重症化を大きく防ぐとわかっていればどうすべきか。今日の事件を聞きつけて残りの数人も実は近々行われる追加ショットに駆け込んでまいりました。

対応の難しい感染症です。




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