2021年8月7日土曜日

病院で「稀」だけど起きること。

他の病院から来ている先生方にも数回伺った事があるのですが、稀であっても起きる事があります。

それは病院で暴れる人の出現です。実は今日も「実に久しぶりに」当院でも揉め事が起こりました。「装具を振り回すから先生どうしましょう。」というのがその相談の電話。

暴れるのは実は患者さんばかりではありません。家族の方で支払い窓口で暴れる人もごく稀にではありますがおられます。その理由の殆どは「支払額が高い!自分の思っていた額と違う。」というパターン。同じようなケアを受けていても、保険のタイプや介護の認定度などでその支払額は全く異なったものになってしまうことを考えずにやってくるとショックを受ける人も中には出てきます。

そして他に暴れるパターンとしては当然のごとく患者さん自身というものですね。このパターンには幾つかあって一つは認知症(特にピック型とか)が背景にあるもの。もう一つはもともと粗暴なキャラで、入院当初から種々の問題を起こしていた人がある時点で沸点を超えたパターン。そして最も今時のパターンとして多いのは「昭和のクソオヤジ」の女性看護師さん達への蔑視とその延長として怒声を出すパターン。本当に未だに高齢男性に残っている女性蔑視というのは今どきの70代以降のオッサン達の中には未だにそんな心持の輩が沢山おります。

暴れる程度にもいろいろあって声だけの人、ステッキなどを振り回す人。泣いて床に突っ伏す人も。私の勤める病院では酷いことになった事はほぼ無かったのですが、最初に書いたように他の大学では警察が介入するような事件になるようなこともあるようです。そしてそこまではいかずとも、元警察OBをそういうタイプの揉め事に雇っているような大型病院ではその手の方々が即座に介入。己の後輩にあたるような警察官を実際に病院へ派遣要請して対応するか否かを決めていくとのことです。

多くの場合はそこに至るまでに、興奮の冷めた患者さんのほうから「詫び」が入るとのお話ですが、そうでなければ連れて行かれることもあるんだそうです。

今回暴れた70代後半のおじいさん。御本人の希望に則って即時(強制)退院としました。その後一時間も経たないうちにこの方は路上で警官に保護され守山警察署から当院に人定質問等が寄せられたらしいのですが、当然のごとく当院としては「再入院は無し」です。

一瞬の怒りでいろいろなものを一瞬で失う。他人事ではありませんね。我々も気をつけたいものです。


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