今日は少しびっくりしました。
バイト先の仕事が終わる間際に訪問診療が終わって帰るまでにしばらくのあいだ時間が空きました。近くのセブン・イレブンに行ってガムでも買って食べるべい、という感じで白衣を脱いで私服に着替えて道を歩いていたのですが、角を曲がった瞬間に異様な風景に出会いました。
それはバイクにしがみついてブルブルと震えているお婆ちゃんの姿でした。
前に進むこともできず、尻餅をついて後ろに座ることもできず、ただただブルブルと震えてそこにおいてある黒いバイクにしがみついているのでした。思わず駆け寄って話しかけ「お母さん大丈夫ですか?」と一言声をかけました。
人によってはいかなる状況でも手助けを拒否するような人達もおりますので、まずは声掛けで確認をしたのですが、もうそれにストレートに応える余裕さえない状況です。
体が後ろ向きにエビ反ったような形になったまま上を見上げて「歩けません。前に進みません。」と言っていました。
肩を貸して真っ直ぐに立たせようとするのですが、それも叶わない様子。話をそれとなく聞くと、もともと歩きづらい体だったのに昨日一度コケてしまい、それ以来歩くのがままならくなってしまったというのでした。なんでこんな所まで歩いてきたのかという疑問は残ったものの、まずは何とかしなければなりませんでした。
家はどこと聞くと、50メートルくらい向こうの家とのこと。ところがよく聞くと三階に家があって階段を登らなければならないという話。絶対に無理です。
そこで、お婆ちゃんに「絶対にここを動かないでね」と言って道を渡って30メートルほど先にある病院まで走り、院内に居た事務の女の子に手短に事情を説明しそこまで一緒に来てもらって私の車の後ろに乗せて病院まで運びました。運ぼうとする時にお婆ちゃんが「タクシーは使わないで~」と叫んでいたのが印象的でした。
車椅子に移乗させて即病院内へ搬送。幸い外科の女医さんがまだギリギリ居られたので、下肢その他の診察を依頼して私自身はその日の仕事を終えたのですが、病院についたお婆さんはホッとした様子で淡々と診察前問診票に記入を初めていました。私自身が医師であることは知る由もない状況でしたが、あんな状態で暗闇で変な姿勢で震えて立ち尽くすお婆ちゃんに誰も声をかけていなかったのは私自身逆にショックでした。
骨折その他のシリアスな状況が発生していなければ良いのですが・・・。明日電話をして確認してみようと思います。
ガムは買い忘れました。
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