レスパイトという言葉を御存知でしょうか。
在宅で患者さんや障害のある人を一生懸命ケアしている人が、時折利用するサービスに大きく分けてショートステイとこのレスパイトというシステムがあります。(デイケアはまた別!)ショートステイという言葉はよく聞く言葉の一つだと思うのですが、レスパイトというのはあんまり聞いたことのない方も居られるのではないでしょうか。
簡単に言うとその違いはケアの程度の違い。ショートステイでは通常、介護保険が使用されます。また、ショートステイを受け入れてくれる施設というのは通常、ある程度の障害までしか受け入れることが出来ず、重症の度合いが強い患者さんや障害者に対しては提供できないようなレベルのサービスが要求される時はこのサービスが実務上使えません。
そこを補ってくれるのがレスパイトと言われる入院の形式です。使われるのは医療保険です。実際のところ私がバイトで行っている病院でも、これを利用して御家族が心と体の休憩をとられる事も多々あります。短いと一日で、長いと二週間と思ってください。
毎日毎日、休むこと無く家族の一員をケアし続ける日々の中ではごく一部の人を除けばどうしても自然に「心と体の疲れ」が見えない澱のように溜まるものです。
褥瘡予防のための数時間毎の体位変換や爪の処置、排便、排尿の処置、食事の介助、CVポートの清潔保持、排痰のための吸引、体の清拭など数え上げるだけでも大変。実際はこれに薬の手配や万一のときの病院との連絡、デイケアとの連絡役所の書類セットアップなども加わりますから、一人で寝たきりの人を完全にケアしようとすると実際は「少なくとも」そのケアに集中するもうひとりの人間の人生も部屋に閉じ込められたものとなってしまうのです。
そういう意味ではこういう一生懸命頑張っている人を少しでも息抜きしてもらってリフレッシュ休暇を与えるのは社会を健康に維持するためにも、介護する人を社会が応援するシステムとしても「超」が付くほど大切なのです。
ずっと入院というふうには通常ならず、長くても上に書いたように普通は2週間。状態が悪化して入院延長となるようなことがなきにしも非ずですが、それでもこういったシステムを使ってその間に家族の大切な行事や旅行などを楽しまれる方も沢山おられます。
最近では娘の結婚式にこれを利用されて、大変喜ばれた家族さんが居られました。真に正しいレスパイトの使い方だと思います。ただ単に数日「お願いね」と言って預けられる方も良くおられます。
人間は所詮人間。最初から「疲れたら」どうやって休憩を取るかということを当然の前提として介護を行うことが、淡々と家庭での介護を続ける秘訣だと思います。
このシステムのことをご存じない方がもし居られるようであれば、一言これらのシステムの存在を近隣の入院施設のある病院にチョコっとでも御相談されることを強くお勧めします!1つ目が駄目でも2つ目、それでも駄目なら役所の福祉課もしくはケアマネなどに御相談されると良いと思いますよ。
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