2020年1月25日土曜日

親父との別れしなに正直に話したこと

両親が田舎に帰る日となりました。

セントレアを発つのは5時過ぎの便ですから、時間に余裕があります。昨日のうちから親父には一言「明日、古着屋行くかい?」と尋ねていたので、朝起きてゆっくりとした時間に再び両親を誘ったところ親父は二つ返事で「行く」と返答し母親は「行ってらっしゃい」とのことでした。親父は名古屋に来るようになってからというもの、ブックオフの古着屋が大好きになったみたいです。もともと高校の頃は(今の親父からは信じられませんが!)いわゆる”軟派”で通っていたらしいのです。ですから服を選ぶ時の親父は真剣そのもの。w

一方、母親の一日を見ていると、本当に寝て起きて飯食べて、また寝てテレビ見て時間つぶして寝て食べて、起きて・・・の無限ループで、もう人間として何の生産的な活動も行っていないことが良く判りました。残念ながら親父の言うとおりで、田舎でもこれと寸分違わぬ生活をしているんですね。

口先ばかりは昔から達者だけど、もう記憶も出来ない、論理的な討論も出来ない、細部を理解しようという意欲もそもそもない、というないない尽くしに明確な拍車がかかってしまったようです。それでも親父を顎の先で使うんですからね。息子としてはイラッと来るんですが、親父も諦めているせいで、怒りながらもハイハイと言っていろいろ世話を焼いてあげております。根拠もないプライドだけ高い高齢者は本当に厄介です。

若い頃は鬼のように怒鳴りまくって喧嘩ばかりしていた二人ですが、人生最後のシーンではまさに割れ鍋に綴じ蓋状態で支え合っている様子。私にはこういった絵面が自分の将来に関しては思い浮かびません。死ぬ時はさっさと死にたいもんです。

さて、今回おやじ達が田舎に帰る直前、飛行場で親父に話したことがありました。それは、通帳や土地登記簿の場所を記した一覧表を作ってある場所に隠しておいて欲しいということ。最近、身近な友人先輩で両親ともに亡くなって銀行からの資産引き出しや土地の登記などの事でいろいろと大変だったというようなことを聞くに及んで「俺もそろそろ親父には頼んどかなあかんな」と考えた次第。

親父には「俺はもうオヤジの金も資産も一切いらんけど、訳のわからん状態で俺に負の資産が降りかかるのだけは勘弁して頂きたい」との趣旨の話をしたところ。「借金は一切ないし、母さんも一切銀行、信用系各社等に一切金の貸し借りは出来ないように手は打ってある」と言うではないですか。

昔から持っていた土地のことやその他の件に関しても、既に売却し税金も支払い済みとのこと。金銭に関してはもうバカ以外の何者でも無くなってしまったボケた母親に関しては心配はなさそうです。親父がしっかりしているうちはまだ大丈夫そうですが、それも何時まで続くのか。親父が先に逝くようなことがあったら、有無を言わさずすぐに母親を施設に入れなければなりません。母親の日常を見ている親父いわく「絶対に一人暮らしは無理!」とのこと。既に鍋の空焚きなど何度もやらかしているのですから、親父の逝ったその日から無理です。

両親とも生きているうちに、両親の家の部屋の大掃除と物減らしを行いに田舎に一回帰るとともに、いろいろと把握しておかなければならないことが多そうです。親の長生き問題も次第に目の前の解決しなければならない己の現実となってまいりました。

親父達と飯を食べた後、早めに別れ、息子と一緒に飛行場の「風の湯」に一時間ほど浸かって外の飛行機を眺めておりました。


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