2019年12月24日火曜日

働き方改革で起こる医師の仕事と病院の変化

夢と希望に満ち満ちた地上の楽園を実現させることが出来る法案がすでに動き始めました。

医師に関して言えば、5年の猶予をつけてその間に何とかせい!ということだと解釈していますが、多分そこに至るまでの道はボロボロで、出来上がった浅い集計は泥縄の編まれたものになる事と推測しています。院長達の多くは「こんな仕事やっておれん」と考えるはず。

多分、働き方改革法案が厳密に施行された暁には病院のサービスの質は大きく低下し、研鑽を積もうと思っても仕事という形では参加できない勤務状況不明の医師が給与支払い不能状態で、サービスという形で文字通りゴーストとして引き続き治療と救命のために院内をうろつき、患者たちにはタスクシフトとタスクシェアリングという美名のもとに充てがわれた仕事をこなす無数の非医師が患者さん達に種々の「リスキーな」処置を施すこととなるでしょう。しかも、これらの最初の変化は患者側からは見えない形で静かに深く進行していくと思われます。

無論彼らのミスの最終的な責任の所在は主治医と院長に全て反射波として戻ってくるわけで、これまた医師達のストレスはいや増すことでしょう。こういった事態を防ぐ短絡的で最高の方法は病院の数、ベッド数の大幅縮小。更にはリスクの高そうな患者はそもそも受けずにいわゆる「経営にとってリスクになりにくい」患者が選択される傾向が強まると思います。

医師が合法的に研鑽を積めるチャレンジングな時間と時期が短縮されて「強烈なテク」を持った世界の医療会で渡り合えるような神の手の持ち主などと呼ばれる医師は日本からは生まれにくくなってくるのではないでしょうか。

巨大な制度変革とともに倫理と知識が負の方向に変性してしまうと、その一度大きく劣化したシステムを取り戻すには50年以上の時間がかかることを赤い隣国は文化大革命という地上の楽園を目指した改革を行って大勢の人の死をもって証明してくれたのですが、お役所では御理解が進んでいないようで。

僻地と離島医療は崩壊し、限界集落には当然のように残酷な現実が津波のように押し寄せることでしょう。更に厚労省の本来の目的通り医療費は抑制されるのでしょうが、医療の質も大きく落ちていくことでしょう。

人口が減った未来の日本で、廃院の跡が累々と各地に散見され「昔はここに地域の医療を支えた基幹病院が有ったんだよ!」と30年前を語る地域住民がきっと普遍的に列島に散在していることでしょう。

厚労省が机上で考えたビッグ・プランでなにか最終的に上手くいったアイディアって有りましたっけ?

ま、その頃にはプランを練った連中は隠居状態でしょうから、病気になったら己の策定したプランの末に出来上がった医療システムのお世話になっているのかな?ベッドが空いていればですが・・・。(おっと!上級国民様には差額ベッドも何のそのでしたね!w)


0 件のコメント: