2019年11月12日火曜日

精神科の患者さんと運動

院内でトレーニングマシンを導入する許可をとってほぼ一年。

やっと動きが出てきました。30万円の予算で今あるリハビリ室のマシンに追加のセットを導入してそれを用いた職員の福利厚生と患者さんのトレーニングの2つを同時に成り立たせようというもの。

前提として大変基本的で大切な事実なのですが、精神科に入院中の患者さん達は本当に体を動かす機会が限定的で、なかなか「運動」という行為に勤しむチャンス自体が限られています。それは厳しい見方をすれば入院する施設を提供する側の怠慢でもあるわけです。

実際、外部・病棟間を自由に出入りできる開放病棟の患者さん達はテレビを見ることと食べることが二大娯楽となっており、太る為の二大要素であるクウネル状態を何時までも続けて入院中にあっという間に太ってしまうなんて言う人も枚挙に暇がありません。

入院して心の健康を取り戻そうという人間が、物理的にはまるまると肥えていって体の健康はボロボロになっていく等という状態が、退院後の「健康」をアシストするとはとても思えません。極端な人などでは入院中にドンドコ太っていって糖尿病を発症する人も少なからず現場には居るわけですから、実際のところこの話は表面的にこうやって描写する以上に深刻なんです。

BMIが25程度ならまだしも、30を超えている人達が普通におりまして、例え糖尿でなくとも肝機能が異常だったり、膝を痛めていたり、腰がボロボロだったり・・・。
やっぱり精神科の疾患で入院しているからと言ってフィジカルを無視することは出来ないのです。

当院の内科に居るサルコペニアの高齢者、骨折後のリハや脳梗塞後のリハの患者さんが中心となって使っているリハ室ですが、今後は精神科の患者さんにも積極的に参加していただくことにして行こうというのが今後の当院の流れとなるわけです。

データを取って、数値化されたものを見ながら患者さんが種々の数値とともに精神の健康にもポジティブな影響を及ぼすか否かを見ていく日々が始まりそうです。コントロールの一部は当院肥満(気味)職員となりそうですが、私も言い出しっぺとして当然入っていくつもりです。w


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