2019年11月9日土曜日

喫煙者の行く末

当直で夜間のコールがありました。

精神科の患者さんがどうやら胸痛と呼吸苦を訴えているという話で精神科の先生からの依頼で「何らかの救急対応」を要するような状況でないか確認して欲しいというものでした。

病棟に駆けつけてみると、高齢男性で肺気腫の持ち主。これまでも頻回にこの手のコールがありその度に「命は要らん、死なせてくれ」と繰り返し叫んでは看護師さんが困ってコールというパターンでした。だからと言って今日もそうだとは限りません。

少し息がしづらそうでしたが、車椅子に乗って頂き心電図検査。経時的な変化でそう簡単には断言できませんが、まずは問題無さそう。年のために簡易検査でダイマーも測定しましたが、異常値は出ませんでした。
三次救急の総合病院ではないので、夜間も何時でも何の血液検査でも答えが出るわけではありません。そういうところは経験や推論で補完するしかありません。

病棟で彼の胸部CTを再確認したらそれはそれは酷い肺気腫でした。症状が進行してCOPDという状況なんですが、彼自身がもう昔の自分を取り戻すことは出来ません。肺気腫自体の9割は喫煙由来。そしてこの患者さんもヘビースモーカーでした。

今晩は、取り敢えず酸素の投与で楽になりましたがこういったことが何度も続いているうちにベッドの上から全く移動できなくなり、やがては息をすることだけが一日の仕事になり、やがてはガリガリに痩せて、やがては・・・。

過酷な運命ではありますが、患者さんはこうなる事を知らなかったからまだ仕方ありません。しかし、何故こういう状況になるということを目の前で見ていながら喫煙をやめない看護師が居るのでしょうか。

私には「愚か」としか言いようがありません。

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