2019年11月19日火曜日

どうしても治療をしたがらない人

患者さんの中には治療をしたいのかしたくないのかよくわからない人が居ます。

健康に悪い事満載のメチャクチャな私生活を送っているくせに、薬を使って何とか壊れてしまった血液データの値を正常なレベルに近づけようという人なんてごく普通です。

タバコを吸いながら喘息、タバコを吸いながら肺気腫、タバコを吸いながら心筋梗塞の治療、脳梗塞でも止められないヘビースモーカー、酒を飲みながら肝硬変、高度肥満で膝の痛みが取れないと訴える、ビールをがぶ飲みしながら尿酸値が下がらない・・・。

挙げだしたらそれこそきりがないのですが、上は単純な例で、実際はそのうちの幾つかが重なっているなんて言うのは「ごくごく普通」ですから、種々の症状の悪化には際限というものが有りません。

私が診察室で使う手法はまず初めに例え話。今のままで生活習慣を変えないとどうなるかというのを順繰りと時間軸を追いながら説明していきます。だいたい何年でどうなる可能性が高まって、その後はどうなって、最終的にはどうなって・・・というような話をします。これだけで反省して次回の診察時に「この一ヶ月」の改善点を一生懸命説明してくれる人もいれば、体重の変化を直接数字で示す人、血液検査の結果でその決意を最終表明してくれる人等いろいろです。

ところがやっぱり全くそれで変化のない人も居るんですね。その系統の人達には私はいつもスマホの写真のファイルの一部にそれぞれの代表的な疾患の終末期の画像を論文や教科書、ネットから拾ってきて見せることにしています。
多くの人はショックを受けますが・・・変わらない人は変わらない。

それだけです。

それらの終末像を見せて数年で自分自身がその週末像に近づいてしまったり、超えてしまう人もチラホラ出てきますが、こういった一部の人達には日常生活レベルでの習慣の改善を通した治療は本当にムリ。

通じないんです。言葉が。
やっぱり主治医の能力不足なんでしょうかね・・・。 それともやはり治療して“あげよう”などという行為自体がやはり傲慢なんでしょうね。orz

やっぱり、こうやって日常の診療に関与していると、多くの病気の大本は本当に日常の一挙手一投足、一口一口の食事なんだな〜と理解できるのでした。


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