思わず疲れた当直でした。
七夕の夜くらいは夜空を眺めながらビールをプシュッと開け、一人で扇子を扇ぎながら後ろで家族の話す声を聞きながらつまみのカビの乗ったチーズをちょっとずつ齧っていく・・・なんていうのが夢なんですが、来年にとっておくことにしましょう。
実際は夜には院内で大変なことが起きていました。
ある患者さんが遺書をしたためて自死を選ぼうとした事が判明し、それを押し留める大変な一晩となったのです。以前にも何度か自死を試みた方だったということを後になって知ったのですが、私の以前の経験からしてもそれこそ”必死で”自死を試み続ける人を止めることは本当に難しい。
僅かな時間の隙間を見つけて人の居ないところから飛び降りようとしたり、薬を過剰に摂ろうとしたり、手首をザクザクとカットしたり、自らの身体を部屋のカドにぶつけて傷だらけになった状態で見つかったり。
人というのは本当に難しい生き物だなと思います。患者さんは思いつめていても「死にたい、死なせて下さい」等という事を直接に医師に言ったりすることは本当に少なくて、本当にフッという感じで病棟から居なくなったりしたあと悲劇的な行動を取る事が殆ど。
自分が思い描く七夕の夜の夢とは反対に、自分の命を消そうとしようとする人もいるという現実。診察や対応をする私にその辛さや遣る瀬なさがゆっくりとのしかかってくるのでした。
そういう時は本当に深い溜め息が私の体の底から漏れ出してきます。
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