2018年7月31日火曜日

盆踊りでいきなり医師の仕事・・・

今日は恒例の老健での夏祭りに参加させていただきました。

この施設は私の勤務している病院の外来に数百人単位で入居者の皆さんを連れてくる施設でして、いわゆる提携機関とも言うべき施設ですね。
入居者の方に何かあるととりあえず当病院にコンサルが有るという感じですので、少しくらい無理をしてでも緊急の患者さんはここからなら受け容れています。

私ももう4年近くこの施設の患者さん方を診ているので、顔と名前と体の状態、病名等がほとんど瞬時に頭に浮かぶくらい知っております。

今年も仕事が終わった後、ゆっくりとこの施設に向かって着いた所でいきなり施設長さんが出てこられて急に挨拶。ラフな格好で行っていたのですが、お互いに頭を下げて先ずは挨拶というところで今度はいつも病院に来られている看護師さん達がワラワラと盆踊りの列から出てきて次から次へと挨拶をされますので、こちらも恐縮しきり。

そもそも到着した時点で、招待券を忘れていたのに気づいたのですが、そこは顔パスということで看護師さんが次から次へと食べ物とビールをガンガン次々に運んでこられてすぐに腹がタップタプに・・・。ダイエットどころではありません。有無を言わさずですのでココは諦めまして。w

いつもと違う楽しそうな顔を見せる患者さん達との話をあれやこれやと楽しんでいた所、いきなり私の後ろで看護師さんが慌てたような声で「ちょっとXXさん、大丈夫?ちょっと!」と言い始めていました。

私は”何事?”という感じで後ろを振り返ると顔面蒼白になったお婆さんが、焦点の合わない眼でフラッと後ろに倒れ込みながら冷や汗をタラタラと流していました。呼びかけても返事を返せず四肢も冷たい。倒れ込むと同時に三回ほど大量に嘔吐されて急に数回ムセ込みました。するとすぐに応答も可能になったのですが、まだまだレベルは低い。

バイタルを取りながら急いで担架を持ってきてもらい、医務室で処置開始。ルートを確保して輸液のセットアップをしながらかなり下がってしまった血圧を測定しつつも、急速に戻ってきた意識レベルに安堵しつつモニタリング開始。

完全に意識も戻り普通に応答できるようになってきたところでカルテを記入して、看護師さん達にこの後の処置と経過観察のポイントを指示して帰途につきました。

急性アルコール中毒でした。お婆ちゃん飲みすぎちゃったんですね。お祭り楽しかったんだろうな。とりあえず元気になってメデタシメデタシ。

とはいえ、全て終わったらもうお祭り会場には誰もおりませんでした。飲もうと思って満タンに注いでもらったビールのコップを帰りがけに眼でちょこっと探しましたが当然もう片付けられていたのは少し、ほんの少し心残りでした・・・。

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