2018年7月21日土曜日

名古屋刑務所へ・2

という訳で、数多くの関係機関が刑務所の会議室に集まって質疑応答、提案とその回答などが行われました。

出席者の多くの方々は日々の実務で本当に最前線に立たれており、送り出す側、受け容れる側としていろいろな苦労を率先して買っておられる方々です。
それには誠に頭がさがる思いなのですが、、、質疑応答を通じて感じたのは管理職というのはどうしてこうも消極的な思考回路を持っているのだろうというものでした。

やはり、法務省という巨大組織の中で先ずは厳正な法の執行機関としての性格が出ている期間が長かったせいでしょうか、近年の犯罪者の更生におけるスムースな社会への復帰と再犯の防止という時代の要請になかなか現実的な解を出せないでいるような気がしました。

社会の実機関からの質問に対する刑務官側の回答をよく聞いていると、「アレは駄目、コレは出来ない」式の回答が多く、出来ないという前提で回答が為されており「どうすればその質問に応えるための近似解を出せるのか」という発想回路がもともと消えてしまっているような強い印象を受けました。

さてさて、その合間に行われた刑務所内の見学。
この様な関係機関に所属していなければ刑法犯として収容されない限り通常は一生見ることのできない景色です。大変興味深く中を見学させていただきましたが、かけないことも当然あります。(塀の中の懲りない面々の安部譲二なんかはそこら辺の描写を含めて詳細に書き込んでおられますが。)

中は基本的に大変整理整頓されており、種々の作業を通じて丁寧に作り上げられた木工品、工芸品、袋やシートその他の洋裁、印刷、整備された自動車、自動車の部品加工や金属加工製品などが大量に作られていました。

それにしても一番印象的だったのは炊事場。大量の食事を作り、きちんと配膳し、更にそれを片付けるということを一日三回繰り返すのですが、その大量さが尋常では無いのです。窓越しに遠くに働く受刑者の人達の動きを見ていましたが、半端なくテキパキ。そうでないとここではきっと勤まらないのでしょう。

うだるような暑さの中で、医療棟なども見学させていただきましたが、人生をここで終えられる受刑者も間近に見ることが出来ました。その胸中は如何にというのは簡単なのですが、こればかりは娑婆の側にいる私の方からは何の回答も見いだせないのでした。

今後も、受刑者の方々の社会復帰を手助ける側の人間として少しでも役に立っていければと考えた有意義な午後でした。

なお、名古屋刑務所に関しての細かい数字はこのページに紹介されています。

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