2024年6月1日土曜日

奇跡の回復

昨日の患者さんは戻って参りました!

数時間ごとに状況は聞いて指示を出していたのですが、明確に体動が強くなってきているのは良いサインでした。最初は対光反射も無いような状態だったのには参りましたが、恐らく喉に詰まっていたチキンが平べったい感じで大きすぎたのもあって、極わずかな隙間があったのではないかと推測しています。もしそれが無ければ…。

精神科の患者さんは統合失調症や認知症に関係なく、一気にご飯を食べようとする人が極わずかなんですが必ず存在します。特に今までで最悪だったのはパン。当院では以前日曜日には食パンを患者さんに提供するのが多くの患者さんにとっての日曜昼の愉しみだったのですが、余りにもたくさんの方々が窒息のインシデントを起こすので当院では禁止としたところ、いきなりインシデント急減と相成りました。

しかし、今回はチキン。それでも幸運な事に患者さんはレスキュー後に急速な回復を見せてくれました。医療者側にとってはこれくらい嬉しい事は有りません。

肺炎も起こさず、意識も翌日朝までにはほぼ回復。昼に私が病棟に行って患者さんと話をしたところ、窒息前後の事は全く覚えていないとの事。そういうものだと思います。少なくとも窒息のインシデント後数時間は対光反射も無かったくらいですからそれは当然かと。

それはそれとして、昨日のお話を患者さんにして「良かったですね~」と言ったところ、ポロッと涙を流されて「どうしちゃったんだろう」と一人呟いていたのが印象的でした。

数日以内には再度の経口摂食に戻していって、もとの精神科病棟に戻って頂こうと思っています。^^

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