その中で最近思う事は私がこの仕事をバイトとして始めた7年ほど前と比べてもずっとずっと患者さんの平均年齢が上がってきた事です。あくまでも主観的なものですが、電カル上で自分に割り振られている患者さん達の年齢が以前は70代も良く混ざっていたのに、最近ではほぼ80代と90代で1日分の仕事が終わります。
例えば1日で10件の家庭をまわるとしたらその内の7件程度が80代の男女。そして3件は90代という感じで、70代は神経変性疾患や事故などで若くして寝たきりになられたような方を除けばほぼ居られません。
以前であれば90代の方などは居ても少なかったのに、100歳越えの患者さんもチラホラ居るくらい普通になってしまいました。何というか実際のところ、内科外来などでも80歳くらいの方は私が小さかった頃の年寄じみた60代なんかよりも遥かに若々しくて、間違いなく現代の年寄の身体には当時とは違った生理学的な変化が起きていると感じさせるものがあります。
尤も、医学の進歩によってこの数十年で有り得ない程の種々の恩恵が我々には降り注いでいますので、そういったものも身体のネガティブな影響を取り除いたりはしているんでしょうが、やはりそれだけでは無い「何か」の変化が起きている事は間違いないと思います。
ただし、その長生きの分だけ認知症の患者さんや日常的に歩けないで大変な人たちが増えてきたのは仕方のない事なんですけどね…。
そういう超高齢者達の増えている中、私が訪問に行っている御家庭においても「とびぬけて」御高齢の御家庭が有ります。それは御主人が94歳、奥様が93歳で、息子さんが70過ぎという状況の御家庭。お母さんの方は認知機能の低下が著しくて、ずっと御主人の方を向いて日がな「お父さん」と呼び続けてはニコニコと美しい笑顔を見せているのですが、お父さんの方は軽度の認知機能低下はあるものの、立派に通常の会話もできるという優秀なお爺さん。息子さんはその二人を介護するという独身男性という状況です。
何だか、老々介護という言葉が有りはするのですが、ここまで高齢者が支え合う関係になるとそういう言葉も意味あるのかな?とふと考えてしまうんですよね。
今どきもう70歳前後では老人とも呼ばれなくなってしまったのであろうかという日常になってくると、日本もやはり定年というものを後ろにずらさなければ社会自体が成り立たないだろうな~と自然に思うようになるのでした。
55前後で定年云々と言っていた時代とか「本当にあったのか?」と事実を知っている私自身でさえ何だか時代が変わったよ!と素直に感じるのでした。
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