タバコ吸っている人、止めてください。本当に最後の最後で地獄を見ます。もう、医師としての私の心からのお願いです。止めて下さるというのなら土下座なんて何十回でもさせて貰って構いません。
今日、また慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんが亡くなられました。この方は九州出身の方で、もともとは私の担当させて頂いた患者さんだったんですが、症状が安定した後からは別のドクターにお任せして安静病棟に移っておられました。
1年ほどは安定的に推移してはいたものの、やはり時に急激に呼吸苦が増強する時期があったりして物凄く辛そうでした。ご飯は頑張って食べているのですが月日を追うごとに淡々と痩せ細っていくのが傍目にも容易に判るレベルで進行していました。
要するに「息をすること」自体が生きる目的になっていく日々だったのです。私は同じ九州の人間同士、彼には特別の言葉を掛けられ私自身も時々田舎から送られてきた土産の食べ物などをおすそ分けしていました。
しかし、調子の良かった最後の日々は無くなられる一週間ほど前まで…。増悪と回復を繰り返す中で、酸素を吸わないでも調子が良いというような最後の瞬間はそこ度突然途切れました。ある日を境に急速に呼吸苦が悪化していったようで、その最後の日は今日となりました。
午前中に私が外来に行く直前にたまたま顔を出した時に、非常に苦しそうな顔をされていたのが生前の彼を見た最後の瞬間でした。外来が終了して戻って来てみると既に呼吸は止まり、生気は失せ、穏やかな顔に戻っていました。
私は茫然とその躯の横に立ち尽くし、最後に会えなかったことを言葉にして詫びました。彼の為に、縁を切っていた兄弟等の親族をソーシャルワーカーに頼んでいたのですが、最後の最後まで見つけることが出来ず、間に合いませんでした。
喫煙という習慣。アメリカで頭頚部癌の研究をしていたころから私の不倶戴天の敵でしたが、今日改めてタバコが「糞」であることを確認した次第です。
タバコは止めましょう!悲惨な最期を皆に見せないで。悲惨な最期を最後に経験しないで。
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