今回の小林製薬の紅麴の問題の拡大がなかなか止まりません。
医師の「今までの」常識としては一度ダメージを受けた腎機能は今の医学では治療できないつまり、ダメージを受けた腎機能は不可逆的な状態のままであるというものでした。
しかし、最近は糖尿病に対するSGLT2iという薬がある一定のレベルまでの腎のダメージ迄であれば、腎機能の低下をかなり効率よく抑制する事が判って来て、それを慢性腎不全に対する投薬としてかなり普遍的に治療に組み込まれてくるようになっています。
日本で今のところ一番有名なこの適応薬と言えばフォシーガ(選択的SGLT2阻害剤;一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)なんですが、これはちょっと驚くべき薬剤でして、保険適応が最初に認められた糖尿病の後に腎不全、そして今では心不全にも適応が拡がっているのです。私自身も患者さんの一部には適応を慎重に見て使用していますが、効果が出ている人が実際に居て、腎機能の低下を示す数値の落ちがピタッと止まった人が居て驚きました。
「こういう時代がやってきたんだな~」というのが正直なところで、今後もっと大規模に実臨床の世界で、そして他の国でも大規模なデータ解析結果が出てきてさらにどう使うべきかという議論が広がりを見せるものと考えています。
さて、少し話が逸れましたが、病院で恒例の患者さん達を診ていると本当に患者さん達は沢山の、かつ大量の意味不明のサプリを持ちこんできます。黒ゴマ、梅酢、亜鉛、ブルーベリー、ローズ、DHP、クレアチン、コラーゲン等々もう訳がわかりません。
患者さんの入院時の荷物整理を手伝う看護師さんやヘルパーさんも時々そうやって見つけ出すサプリを見て「先生こんなのを持ってきてるんですけど」とか聞いてきますし、患者さん自身もバツ悪そうに「これのんでも良いですよね、、、」等と直接尋ねてきたり。w
しかし私からの答は大体「うーん、あんまりお勧めはせんけどね~。お金はかかるし、普通の食生活で平均的なものをバランス良く摂っておけば、普通はサプリなんか要らんですよ」ていうものです。
しかし、今回の小林製薬の一件以来「あんなもの余計な金払って定期的に摂ったところで良い事別に無いですよ。寧ろ信頼できるようなところが作ってない事が多いから害悪の方が多いと思います」に変わってしまいました。信頼できるはずのあのレベルの製薬会社でさえコレですから・・・。
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